- ハナ
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31歳・女・既婚・O型
保育歴9年
趣味:山あるき
保育で幸せを感じる時:こどもが寝静まり、かすかに聞こえる寝息を聞くと、今日も1日たくさん遊んだなぁと、幸せを感じます。
保育園のお昼は戦争!
次々食事を食べ終えた赤ちゃんの口をふき、手をふき、
着替えをさせ、オムツをかえ...
眠くなった赤ちゃん達を寝かせるために布団を敷きます。
でも私はモノを覚えるのが苦手。
子どものタオルや布団カバーの柄をなかなか覚えられないのです。
そこでいつも、適当に布団を敷き詰め、
子どもに自分で布団に行ってもらっています。
たまに同じ柄の布団カバーがありますが、
子どもはちゃんと自分の布団カバーを見つけます。
それはどういったわけなのでしょう。
もしかして、他人と自分のとでは、においが違うから?
とりわけ乳児クラスでは、名前のない服があると本当に困ります。
そんな時、私も、服に顔を近づけにおいを嗅いでみます。
そうすると、『あっ、これ○○ちゃんの!』とわかることがあります。
正解すると、思わずニコッとしてしまいます。
ある日のこと、かわいい柄のTシャツが、
名前がないために誰のものかわからずに困ったことがありました。
「どれどれ私に任せて」とばかりに、においを嗅ぎましたが、
おそらく衣替えでおろしたてのTシャツだったのでしょう。
洗たくのにおいがしみついてなかったために、
Tシャツを嗅いでもいったい誰のものなのか、さっぱりわかりません。
よく友達のことを見ているAちゃんは、友だちの着ていた服もよく覚えています。
そこでAちゃんに「これ誰のかわかる?」と聞いてみました。
じーっと見つめてもわからなかったAちゃんは、
なんと服を顔に近づけてニオイを嗅ぎだしたのでした。
近くにいた保育者はそのかわいらしい姿に大爆笑。
「大人のまねしてるのね」なんて話していましたが、
本人は大まじめで「BちゃんBちゃん」と話すのです。
降園時に保護者に確認すると、
なんと確かにBちゃんのものであったのです。
子どもは大人以上ににおいに敏感なんだと驚かされたひと場面でした。
入園当初、泣いてる子どもが、家から持ってきたタオルにくるまれると、
ほっと安心して眠るということはよくあることです。
子どもが安心できる衣類は肌ざわりがよく、いいにおいのするもの。
だってそれが、家のにおいということなのだから...。
子どもが嗅ぎ分けてしまうほどの家のにおい、
気にしたことがありますか?
赤ちゃんは母乳のにおいで母を探すといいます。
大人になるにつれて目に見えるもの、
耳に聞こえるものを頼りに行動するようになりますが、
赤ちゃんにとっては、鼻は目や耳よりも頼りになるものなのです。
時に子どもは、ある部分において大人以上の能力を発揮することがあります。
まだ簡単な言葉でしか話せない1歳児でも、
友達のマークを覚えていたり、布団カバーの柄を覚えていたり...。
保育の現場にいると、子どもに気づかされたり、まったく驚かされることばかりです。
こんなことを思い出しました。
上京をしてしばらく振りに実家に帰った時、
一歩家に入ると「あ~帰ってきた」と感じる瞬間があります。
それは、家のにおいを嗅いだ瞬間。
季節によっても違いますが、においを嗅いだ瞬間に
季節とともに懐かしい思い出がよみがえってくるのです。
においは、懐かしいものを目にした時よりも耳にした時よりも、
強烈な印象で私を昔に引き戻してくれるようです。
大人になっても嗅覚は視覚や聴覚を上回ることがあるのです。
『おかあさん』の歌を知っていますか。
洗たくものをたたんでいると、いつもあの曲に出てくる歌詞を思い出します。
~おかあさんっていいにおい~
上京したてのころ
食事も洗たくも何一つ満足に手伝ったことのなかった私が、
自分で服や布団カバーを洗たくするようになり、
その度に思い出すのは、お母さんのいいにおいでした。
優しくて、幸せで...。それは実家と同じ洗たくの柔軟剤のにおい。
あのにおい、優しい肌ざわりは親元を離れて10年たっても忘れることはありません。
そんな自分も結婚し子どもを持つようになりました。
母が自分にしてくれたように、
私も自分の子どもに洗たくのいいにおいのする肌ざわりの優しいもので、
愛情をたくさん与えてあげたいナ~と、思うのです。