最近、子育ては夫婦そろってするものという考え方が男性にも根付きつつあります。
その見本となりそうなイクメンパパに話を聞きました。
「子育てはカッコイイ!」と言い切るその子育ての哲学とは?
暮らし方から洋服の選び方まで子ども目線。
"ハグ育"パパの素敵な子育てを紹介。
自然との触れ合いを優しく伝える
保育園への道のり
─ 美緖ちゃん(3歳5カ月)と快翔くん(1歳10カ月)という二人のお子さんのパパでいらっしゃる伊集院さん。子育てで意識していらっしゃることはありますか?
- 伊集院弘和さん
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ミキハウス勤務。趣味はサーフィンとテニス。
家族もアウトドア派でアクティブに休日を過ごすことが多い。 -
真理子さん(33歳)
美緖ちゃん(3歳5ヶ月)
快翔くん(1歳10ヶ月)
伊集院弘和さん
叱らないということですね。ほめて伸ばすようにしたいので、ダメなことをしてもそれには触れず、こっちはできたよね、というほうをほめてあげたりしています。毎日の暮らしの中では、イラッとすることももちろんあります。朝時間がないのにモタモタしていたり、注意していたのに飲み物をこぼしてしまったり。でも、それは子どもだから"そういうものだ"と考えるようにします。こぼすものだ、汚すものだ、って。そうすると、叱ることもなくなりますね。それに、男親が低い声で叱ると、それだけで子ども達は泣いてしまいますから、普段のしつけはママに任せて、私は子ども達が人間としてやってはいけないようなことをした時だけ、本気で叱ればいいと思っています。口うるさい役をさせてしまっているママには申し訳ないんですが(笑)。その分、ママが一人になれる時間を週に一度でも作れるように考えています。子ども達を連れて3人で動物園に行ったり、ですね
─ お子さんとはどんなコミュニケーションを取っているのですか?
伊集院さん
朝、保育園に連れて行くのが私の仕事なんです。バギーに快翔をのせて、美緖を肩車して歩いていきます。10分ぐらいと短い時間なんですが、この時間はとても大切で、特に肩車をしている美緖は顔のそばにいますから話がしやすいんですね。
一緖に歌を歌ったり、あと"空が青いね"とか"スズメがいるね"とか話をしながら歩いています。なるべく自然に目を向けてほしいなと思っているので、私からそういうことを話すんです。
ゴワゴワ素材やボタンの多い服は避ける
"ハグ育"パパの気遣い
─ パパとして服装などに気を遣うことはありますか?
伊集院さん
まったく同じものを着るわけではないですが、同じ素材とか色とかテイストの同じものを着るようにしています。例えば、私はピンクのTシャツを着て、美緖もピンクの服を着ていると、それだけで美緖は喜びますから。あとは抱っこしたり一緖に寝たりする時のことを考えて、あまりゴワゴワした素材のものやボタン、立体的なプリントのあるようなものは着ないようになりました。洗たくでは柔軟剤を使ってやわらかくなるように仕上げていますね。
ヒゲは1年半ぐらい前から伸ばしています。これは剃ると、頬ずりした時に、剃り跡が痛かったりするので、いつも気にしていなくてもいいように、私は伸ばすほうを選びました。そうすると毛先がやわらかくなって、子ども達はくすぐったがったりして喜んでいますよ(笑)」
─ "ハグ育"パパになるための条件などはありますか?
伊集院さん
一つ目は、育児を楽しむこと。子育てを楽しいと思わなければ、思い通りにならない子どもとのつき合いは大変です。でも自分が楽しんでしまえば、これほどの喜びは人生でもなかなかありません。その楽しんでいる姿は子どもにも伝わりますし。
二つ目は、"チューをする"(笑)。愛情表現をたくさんすることです。触れ合うということがとても大事だと思うんです。美緖はもちろん、男の子の快翔とだってチューはいっぱいしますよ。
三つ目は、遊んでいる時は自分も子どもになりきることです。泥で遊ぶなら、自分も嫌がらず一緒に泥んこになってしまいます。自然の中で遊ばせたいと思っているので、着ているものが汚れてしまったりするのはしかたないし、それが楽しみでもあります。子ども達は大はしゃぎですよね。洗たくは大変だけど汚れはきれいになります。でも、楽しい思い出はずっと残りますから。
育児してます宣言で
時間の使い方もより効率よく
─ お子さんができてから、伊集院さんご自身が変わったことはありますか?
伊集院さん
今までママ任せにしていたことを自分でもするようになりました。例えば料理もしてみると楽しいし、知らなかったことがたくさんあるんだということがわかって、それを知っていく喜びが生まれました。あと、私は子どもの洋服の会社にいますから、もっと子どもを観察するようになりましたし、男性用の子育てグッズがもっとあってもいいのに、ということなど企画的なアイデアや発見も生まれるようになりましたね。
会社では、育児をしています、とはっきり宣言しています。そうすると、子どもが熱を出した時とか早く帰りたい時に、理解してもらえるようになるんです。ミーティングも夜ではなくてランチに合わせたり。環境は自分で作るものだと思います。それでも短い時間しか子どもと触れ合うタイミングがないですから時間を大切にするようになったし、夫婦お互いが思いやりを持つようになりました。以前よりもっと相手の大変なところとかにも気づくようになって、助け合っていけます。
私は男性が育児をしている姿はかっこいいと思いますしそんなかっこいい父親になれるよう、自分も楽しんで育児をしていきたいですね。