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    田村照子
    田村照子先生
    医学博士。文化学園大学教授。大学院 生活環境学研究科 科長。文化・衣類環境学研究所 所長。著書に『衣環境の科学』(建帛社)、共著に『アジアの風土と服飾文化』(放送大学教育振興会)、『着ごこちの追究』(放送大学教育振興会)などがある。四人の孫のおばあちゃん。

    汗をたっぷりかくこれからの季節、
    子どもにはどのような衣服を選べばいいのか、
    この時期、特に気をつけたいポイントなど
    前回に引き続き、文化学園大学服装学部の
    田村照子教授に教わりました。

    子どもの汗と、衣類選びのポイント

    ─ 春夏の子どもの衣服について教えて下さい。

    田村照子先生(以下田村先生)
    人間の体には、汗を分泌する汗腺があり、汗をかくことで体温を調節する機能が備わっています。 汗腺の数は、生まれた時にほぼ決まっていますが、赤ちゃんの時にはまだ汗腺がうまく機能していません。 汗腺を働かせるためには、生後2才半頃までの間に、ある程度暑い環境で汗をかかせることが必要になります。

    汗腺の機能が弱いと体温調節がうまくできず、例えば、激しい運動をしても汗をかけずに体内に熱がこもってしまったり、熱中症などのトラブルがおきやすくなります。 ですから、暑い時期は空調のきいた部屋で汗をかかないようにすればいいというのではなく、夏場に汗をかくことは悪いことではない、むしろ赤ちゃんにとって大切なトレーニングの期間なのだということを、まずはお母さんに知っておいていただきたいですね。 加えて、人間の体は、汗をかいていない時でも皮膚から水分が蒸発しています。特に子どもは、体は小さくても汗腺の数は大人と変わらないため、常に皮膚がしっとりと湿っぽい状態になっています。

    これらのことから、汗をたっぷりかく春夏は、いうまでもなく、汗や体から出る水分を吸収しやすい素材を選ぶことが大切になります。基本は、吸湿性、吸水性に優れたやわらかい綿素材の衣服が最適といえますね。 メリヤス、ガーゼなどの通気性のいいもの、タオル地のように表面に凹凸のあるものだと、汗を吸ってもベタっとせず、蒸れ感が少なくておすすめです。 そして、汗をかいたらやわらかいタオルで拭いてあげたり、そのままにせずに着替えさせてあげるなど、こまめなケアも大切です。汗で濡れたものをいつまでも着せていては体を冷やしてしまいますよ。

    また、衣服のカタチとしては、乳児期はつなぎ、セパレートの服を着るようになったらランニングなど、体を締め付けず、風通しのよいデザインを選びましょう。

    汗をかいた肌は敏感。肌に触れるものに気配りを

    ─ 汗で濡れた肌。特に注意することはありますか?

    田村先生
    最近は、夏の大人向けの衣服で「吸汗・速乾」をうたったものが出ていますね。多くは合成繊維でできているもので、繊維の構造や織り方などを工夫して、水分を吸い取りやすくし、また乾きやすいのも特徴です。一見、汗っかきの子どもにもよさそうに感じますね。しかしながら、まだ研究段階ではありますが、現在のデータでは、薄くデリケートな子どもの肌に直接触れるものは、自然素材の綿の方がよいといえそうです。

    皮膚の表面には角質層があり、汗腺から汗が出てきますと、水分を含んで膨らんだような状態になります。これを膨潤(ぼうじゅん)といいます。一般に、膨潤した肌と乾いた肌を同じ布でこすった場合を比較すると、膨潤した肌の方が角質層がこすりとられやすいことがわかっています。 つまり、汗をかいた肌は、センイとのこすれによる刺激をうけやすくなっているんですね。 さらに、子どもの肌は大人よりも薄いので、摩擦に弱く、いっそう注意が必要です。 そこで、綿と合成繊維を比較してみると、綿の方がやわらかく、合成繊維の方が構造的に硬い。そのため、硬い繊維が膨潤した肌にあたると、すれて傷ついてしまうおそれがあります。

    ただし、綿には洗濯を繰り返すうちにごわごわと硬くなっていく特性もありますので、 綿だからと安心せずに、柔軟剤を使ってやわらかい肌触りを保ってあげることも重要です。 衣服のみならず、タオルや寝具なども、肌に直接あたるものは同様にやわらかく仕上げてあげて下さい。

    子どもの状態の観察とこまめな対応が大切です

    ─ 夏のお出かけで、気を配ることはありますか?

    田村先生
    これからの季節、外出するときは、帽子を忘れずにかぶせてあげたいですね。でも、ずっとかぶりっぱなしでは蒸れてストレスを感じますので、たまに日陰に入って帽子をとって、涼しくしてあげましょう。 扇子などを持って出かけ、暑そうにしていたら風を送ってあげるのもいいですね。扇子程度の風でも、だいぶ効果があります。特にベビーカーでの移動は、地面に近いため、熱くなったアスファルトの照り返しなど、地表の影響を大きく受けます。そのことも念頭において、暑がっていないかどうか、大人がよく観察してあげることが大切です。

    また、反対に、エアコンの風がずっと当たっているなどして、体が冷えすぎてしまうケースもあります。特に赤ちゃんは寝入りばなにたくさん汗をかくので、暑いと思って風を当て続けていると、気化熱ですぐに体温を奪われてしまいます。子どもは熱容量が小さいので、暑くなりやすく、寒くなりやすいのです。 背中に手を入れてみて、汗ばんでいるようなら「暑い」のサイン、手足をにぎってみて、冷えていたら「寒い」のサインです。これを覚えておいて、こまめに対応してあげましょう。

     

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