「赤ちゃんの肌トラブルの原因は意外なところに!?
赤ちゃんの肌がわかれば、育児がもっと楽になる」
赤ちゃんの肌はママのお腹の中にいる間、子宮という潤いの海で守られています。
でも生まれた瞬間から空気や細菌に触れ、乾燥や紫外線にさらされることになります。
だから、むちむちぷるぷるのデリケートな肌には、すぐに保湿ケアが必要。
適切なケアをせず放っておくと、大きくなってから肌トラブルで悩まされることになりかねません。
ここでは一般的な赤ちゃんの肌トラブルをまとめてみました。
赤ちゃんのお肌ケアにとって大切な三つの方法論。
それは、「洗う!」「保つ!」「守る!(ガードする)」
ア(洗う))
タ(保つ)
マ(守る)
です!
すべてのトラブル改善のポイント、潤いとやわらかさ、そして清潔な環境。
それでは一つひとつチェックしていきましょう~
乳児性湿疹
低月齢期の代表的な乳児湿疹の一つ。
皮膚腺の多い部位にいろいろな症状が現れます
どうしてなっちゃうの?
首から上の頭、 頬や額など、皮脂腺の発達している部位に現れる湿疹。体にはできません。赤ちゃんによって症状は異なり、頭に丸いウロコのようなものや、頭や額のあたりにフケのようなカサカカとしたものができます。ジュクジュクして膿む場合もあります。これらの湿疹の原因は皮脂の"漏れ"。赤ちゃんは母体の中で女性ホルモンの影響を受けていたため、新生児期~3カ月までは皮脂の分泌が非常に活発で、湿疹になってしまうのです。
ケアのポイント
ママは赤ちゃんのいる部屋の温度を下げすぎないように気を配るものですが、「乳児脂漏性湿疹」の場合、皮膚が乾燥するような状態にしてあげるのがベスト。部屋を暖かくしすぎると、体温が上がり、皮膚血管が拡張してかゆみが強くなってしまいます。夏の場合は、クーラーや除湿機を使って上手に除湿しましょう。ジュクジュクして膿んでくると、二次感染で他の部分にうつったり、かき傷が「とびひ」になる場合があるので受診したほうがいいでしょう。カサカサする程度の軽い症状の場合なら、石鹸でよく汚れを落として、肌を清潔に保ちましょう。頭や顔を洗う回数を増やすのもオススメです。
赤ちゃんの日焼け・UVケア
「シミ」、「シワ」、「皮膚ガン」を引き起こす危険性を伴う。
早めのUVケアを
どうしてなっちゃうの?
「夏に日焼けをしておくと、冬に風邪をひかない」などと言われ、日浴を奨励する傾向がありましたが、それも今や昔の話。最近では、オゾン層の破壊による紫外線の影響が大きな問題になり、過剰な日焼けは避けられるようになりました。紫外線を浴び続けることによる「シミ」や「シワ」だけでなく、「皮膚ガン」を引き起こす危険性も懸念されています。私達が生涯浴びる紫外線量の約50%は18歳までに浴びると言われているため、幼児期から紫外線を浴びすぎないようにすることが大切です。
ケアのポイント
季節や時間帯によって紫外線の強さが異なります。紫外線が強い春先~秋にかけての季節、特に紫外線の強い10時~14時の時間帯を避けて外出をすることも、紫外線対策に効果的です。出かける際には、長袖や長ズボン、帽子を着用させて、肌の露出を極力減らしましょう。露出している部分には日焼け止めを。手や耳、鼻、唇、首などは塗り忘れやすいので注意しましょう。日焼け止めは清潔な肌に塗ることが大切です。汗や口のまわりの食べこぼしなどをちゃんとふき取ってから塗りましょう。そして、外出先から戻ったら日焼け止めをキレイに洗い流すことを忘れずに。
おむつかぶれ
おむつにふれる部分に起こる非アレルギー性接触皮膚炎。
患部は清潔&乾燥した状態に!
どうしてなっちゃうの?
赤ちゃんの皮膚は薄く、皮脂の分泌も少ないため、外的な刺激に対する抵抗力が弱い。その上、おむつの中は湿度が高く、皮膚がふやけて傷つきやすい状態になるため、おむつが直接肌に触れている部分は赤く炎症を起こしてしまいます。時にはブツブツと小さな発疹が出たり、赤く腫れることも。症状が悪化すると、ジクジクとしてかさぶたになります。これらの症状は「カンジタ性皮膚炎」でもよく見られます。直接おむつに触れていないお尻のシワの奥まで炎症を起こしている場合は、「カンジタ性皮膚炎」の可能性が高いので自己判断せず、きちんと受診しましょう。
ケアのポイント
炎症した部分はかゆく、触るととても痛い。赤ちゃんに痛い思いをさせないためにも、日頃からお尻を清潔で乾燥した状態に保つことが大切です。症状が出てしまった場合でも適切な処置をすれば、軽い症状ならすぐによくなります。間違っても患部をゴシゴシこすったり、お湯で絞ったタオルで拭いたりしないように。皮脂を落としてしまうと、かえって症状を悪化させることになりかねません。ウンチの時は座浴やシャワーで清潔にする他、少量のオリーブオイルをしみ込ませた脱脂綿でふき取ってもいいでしょう。強い症状の場合でも皮膚科や小児科で受診して炎症を抑える軟膏を数日塗り、患部を清潔にしてよく乾燥させておけば、数日でよくなります。
あせも
汗腺の中に汗が溜まって起こる炎症。
汗のかきやすい場所は注意深く、こまめにケアを
どうしてなっちゃうの?
新陳代謝が活発で汗をかきやすい赤ちゃんは、真夏でなくても、気がつくと全身にびっしょりと汗をかいていることがよくあります。そんな大量の汗が汗の出口である汗腺を塞ぎ、汗が皮膚の中に溜まることで炎症を起すことを「あせも」と言います。額、頭、首のまわり、ワキの下など汗が溜まりやすいところにブツブツと発疹が出るのが特徴です。
ケアのポイント
日頃からのケアで十分予防が可能です。こまめに汗をふき取ったり、シャワーやお風呂で汗を流すなどして、皮膚を常に清潔にするように心がけることが何より大切です。ママは赤ちゃんがいる部屋の温度を下げすぎないように気を配るものですが、暖かくしすぎず、適度な湿度を調整しながら涼しく快適な状態を保ちましょう。衣類は保湿性、通気性のよいものを選びましょう。重ね着のさせすぎには注意して下さい。炎症を起こした場合、チクチクとしたかゆみを伴うため、かきむしることがあるので、症状が悪化する前に皮膚科に相談を。
虫刺されとかゆみ
赤ちゃんはかゆみを我慢できない!
刺された場合は素早い対処でかゆみを抑えよう
どうしてなっちゃうの?
最も多いのが蚊やダニによる虫刺され。蚊に刺されると一過性のかゆみを伴った紅斑が生じます。かゆみが強く、赤ちゃんはかきむしってしまうことが多い。かけばかくほど赤く腫れ上がり、二次感染を引き起こしてしまうこともあります。たかが虫刺されと思わず、適切な対処を行うことが大切です。毛虫の場合、肌に触れただけで赤い発疹が広がることがあります。また、蜂に刺された場合、アナフィラキシー・ショックを起こして命に関わることもあるので注意しましょう。
ケアのポイント
春から夏にかけて暖かくなると、屋外で過ごす機会が多くなります。この時季は虫の活動も活発になり、木陰や草むら、水溜まりには多くの虫が潜んでいるので、赤ちゃんから目を離さず、虫から守ってあげましょう。桜やツバキの木の下では毛虫にも気をつけて。虫に刺された場合は、とにかくかきむしらないことが大切。かゆみ止めの薬を塗り、冷水で患部を冷やしましょう。個人差はありますが、かゆみや腫れがひどくなる場合は、皮膚科で受診を。
乾燥肌
大人の肌の半分の厚さしかないデリケートな肌は優しく洗って、すぐ保湿!
どうしてなっちゃうの?
赤ちゃんの肌はとてもデリケート。皮膚の厚さは大人の半分ほどで、皮脂の分泌も少なく、薄い肌を守るバリア機能が未熟な状態です。保湿力が低いので、頬や首筋はすぐにカサカサに。乾燥した状態のままにしておくと、汚れやバイ菌が皮膚に入り、湿疹ができやすくなるので毎日のスキンケアはとても大切です。特に、秋から冬にかけて空気が乾燥する季節は肌が一層乾燥しやすいので、丁寧なケアで十分な潤いを与えることが必要です。
ケアのポイント
スキンケアの基本は「やさしく洗うこと」と「しっかり保湿する」こと。汗や汚れは素早く洗い落としてあげるように心がけましょう。入浴時は弱酸性タイプの泡立ちのよい洗浄料を使って洗いましょう。ただし、洗いすぎは禁物。肌に必要な脂分まで落としてしまい、かえってトラブルにつながることも多いので注意して下さい。洗った後はやわらかい感触のタオルで全身の水滴を押えるようにふき取ります。この時、せっかくやさしく洗ったのに、拭き取るタオルがガサガサしていると皮膚を刺激してしまうからです。やさしく拭き取り、そして入浴後5分以内に保湿することを忘れずに。10分を過ぎると肌の水分量が急激に減少するので、まずは顔から、そして全身に乳液タイプの低刺激なローションを塗りましょう。耳のつけ根やシワの奥も忘れず丁寧に。トラブルを起こしがちな部分は保湿力の高い乳液やクリームを重ね塗りしましょう。その上で、肌ざわりのよい衣類を身に着けることが大切。ソフトな肌を守るのはやわらかさが心地いい衣類です。
アトピー性皮膚炎
アレルギー症状の一種。
強いかゆみを伴う湿疹が慢性的に現れて、かくことで悪化する
どうしてなっちゃうの?
もともとアレルギー体質を持っているところに、アレルゲン(特定の原因物質)にふれる、食べる、吸い込むなどのさまざまな刺激を受けることで症状が現れると言われていますが、アレルゲンがはっきりとわからないことも多くあります。1歳までに発症することが多く、顔や頭などにジクジクとした湿疹が出ます。体のほうは乾燥していることが多いです。年齢によって皮脂の分泌が異なるため、症状は変化していきますが、慢性的によくなったり、悪くなったりを繰り返すのが特徴です。
ケアのポイント
日常のスキンケアが治療の基本。皮膚を清潔にして、保湿することを心がけましょう。さらに、ステロイド系または非ステロイド系の塗り薬や、かゆみが強い場合は内服薬を服用する場合もあります。アトピー性皮膚炎の原因は体質によるものなので、治療は長期にわたります。日焼け、水泳、食事などの生活指導を受けて、医師と相談しながら治療を続けることが大切です。決して自己判断しないようにしましょう。
敏感肌
成長段階の肌は、肌本来のバリア機能が未熟。
外からの刺激を受けてトラブルを起こす
どうしてなっちゃうの?
「敏感肌」とは肌本来のバリア機能が低下している状態。赤ちゃんの肌はみずみずしくプリプリとした理想の肌のようにみえますが、肌の表皮にある角層(角質質)が未熟なため、外からの刺激に敏感に反応する、とてもデリケートな肌です。外からの刺激が角質を通ると、かさつき、赤み、かゆみ、かぶれ、発疹などさまざまな症状として現れます。気温や湿度の変化、乾燥、強い紫外線、ホコリ、花粉など環境によるものの他、刺激の強い成分が入った化粧品や洗いすぎ、こすりすぎなど、あらゆるものが刺激になります。また、外からの刺激だけでなく、遺伝的な体質(アレルギー体質)など体の内側に原因がある場合もあります。
ケアのポイント
スキンケアの基本は乾燥肌と同じ。とにかく、「やさしく洗い、しっかりと保湿」しましょう。できるだけ低刺激な洗浄料を使い、泡でやさしく洗います。外からの刺激となるホコリや花粉、汚れを落とすのは摩擦ではなく、泡。こすりすぎは角層を傷つける原因になるので注意して下さい。泡立てて洗った後は、すすぎ残しのないように。洗った後は、水分で角層をうるおす化粧水と、その上に膜を作って水分の蒸発を防ぐクリームを塗り、十分に保湿をしましょう。ママの化粧も赤ちゃんには強い刺激になるのでメイク落としを使ってきちんと落としましょう。敏感肌の赤ちゃんは特に、肌に直接ふれるタオルや衣類をやわらかく仕上げるのはとても大切なことです。少しの刺激でも皮膚に影響が起こるので、柔軟剤を使って仕上げるなどタオルや衣類のやわらかさ、肌ざわりには十分に気を遣いましょう。