夏は、赤ちゃんにとって肌トラブルが多い季節です。
ときには肌着や衣類の繊維刺激から肌トラブルを招くことも! そのため赤ちゃんが身につけるものには気を配りたいですね。
赤ちゃんの肌ケアの秘訣を、皮膚科医・佐々木りか子先生にうかがいました。
─ 赤ちゃんの肌の特徴を教えてください。
佐々木りか子先生(以下、佐々木先生)
赤ちゃんの肌は、すべすべして一見、理想的な肌に見えます。
しかし大人と比べて、皮膚の厚さは1/2程度しかありません。また皮脂の分泌量が少なく、バリア機能も未熟なため刺激に弱く、肌トラブルを起こしやすいのです。
ときには"機械的刺激"といって、ゴワゴワした肌着や衣類の刺激から湿疹ができることも。そのため衣類に気を配るなど、きめ細やかなケアが必要です。
─ 健やかな肌を保つためには、どうしたらいいですか?
佐々木先生
赤ちゃんのスキンケアの基本は、次の3つです。
1. 肌に優しい弱酸性、低刺激性の洗浄料を使ってキチンと洗う。
2. タオルで優しく拭いて、水分をしっかりとる。
3. ベビー用乳液などで保湿をする。
赤ちゃんの体や顔を洗うときは、指の腹を使って優しく。
またよく拭かずに、おむつをしたり、洋服を着せると肌トラブルの原因になるため、お風呂上りやおしりを洗ったときは、肌触りの良いタオルで押さえるように優しく拭いてください。ゴシゴシ拭くのはNGですよ。
保湿剤は、乾燥がとくに気になるときはベビー用クリームを。それ以外は、ベビー用化粧水や乳液など、季節や肌のコンディションによって使い分けましょう。
汗をかいたら、こまめに着替えとシャワーを。
夏でも、保湿は忘れずに!
─ 夏のスキンケアのポイントを教えてください。
佐々木先生
先ほど赤ちゃんの肌の特徴について、①大人よりも皮膚が薄い、②皮脂の分泌量が少なく、バリア機能が未熟--とお話しましたが、赤ちゃんの肌にはもう1点"汗っかき"という特徴があります。
赤ちゃんは、体は小さいのに汗腺の数は大人と同じで、発汗することで体温調整するため、とても汗っかきです。
そのため夏は、汗をかいたらこまめに着替えをさせたり、シャワーを浴びて体を洗い、清潔を心がけましょう。
また"夏=保湿は不要"と勘違いしているお母さんもいますが、赤ちゃんの肌は夏でも乾燥しています。冷房や日焼けなどによって、より乾燥することもあるため、夏でもベビー用化粧水や乳液で、しっかり保湿をしてください。
─ 赤ちゃんの衣類に柔軟剤を使ってもいいですか?
佐々木先生
"柔軟剤=赤ちゃんには刺激が強いのでは?"と考えるお母さんもいますが、赤ちゃんの肌ケアで大切なのは、柔らかく、肌触りの良い肌着や衣類、タオルを使い刺激を与えないようにすることです。先ほども言いましたが、衣類などのゴワゴワ、チクチク刺激は湿疹の原因になるため、ぜひ柔軟剤を使ってください。
また赤ちゃんはタオルケットや毛布などを、寝ているとき手でつかんで頬に当てたりもするため、寝具も肌触りの良いものを使うように心がけてくださいね。