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ストレス・体の不調は、「血めぐり」不全が原因!?

温め効果で「血めぐり」のよい体に ママ・家事・家計 今すぐ役立つあんしん子育て基礎知識

育児ママがずっと悩まされてきた不調は「ストレス冷え」やそこからくる「血めぐり不全」が関係しているのかもしれません。体の不調は、血液の流れが滞っていることと関係深いものばかり。

そこで、医学博士で血めぐり研究会主任研究会員、「健康科学アドバイザー」の福田千晶先生に「体の不調」と「血めぐり」の関係についてお話をうかがいました。

お話をうかがった人
福田千晶先生
福田 千晶先生
ふくだ ちあき



医学博士。血めぐり研究会主任研究会員。慶応義塾大学医学部卒業。医師として活動後、現在、フリーの健康科学アドバイザーとして講演と執筆、テレビ・ラジオ番組を中心に活動。

いろんな不調と「血めぐり」不全

血めぐりが悪いことから起こる不調といえば、手足の冷えなどがまず思い浮かぶと思いますが、実はママたちにとって大きな悩みのタネである肩こりや腰痛も、「血めぐり」不全が原因かも。

その他にも、かすみ目・疲れ目、脱毛、肌の荒れや乾燥、歯周病など、さまざまな不調に血めぐり不全が関係しているのです。

「血めぐり」不全を引き起こす忙しいママの毎日

「血めぐり」が悪くなる要因のひとつは年齢の問題。大切な血流は年齢とともに低下してきます。

が、最近ではそれ以外にも、「運動不足」「ストレスいっぱいの生活」など血めぐりを悪くする条件が実にたくさん揃っています。
さらに冷房や、一年を通じた冷たい食べ物なども体を冷やすことにつながります。

特にママの場合は、出産や育児によるストレスや環境の変化・体力消耗も大きな要因に。
「血めぐり」不全につながる原因に囲まれて生活しているのですから、ママたちが体の不調を感じているのも当然ですね。

血めぐりとは?

血液の循環+新陳代謝を「血めぐり」といいます。血めぐりは、人間の生命活動の重要な役割を担っています。

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同じ姿勢が長く続くと疲労物質・発痛物質がたまる!?

肩や首は、約4キロの頭と、左右あわせて約8キロの腕をバランスを保ちながら支えています。また、腰にはつねに上半身の重みがかかっています。このように緊張した筋肉は血管を圧迫し、その姿勢が長く続くとその部分の血流が悪くなり、筋肉や組織に疲労物質や発痛物質がたまってしまいます。これが疲れや痛みの原因。

運動や温熱で血流をよくして原因物質を流し去ることで、痛みが軽減されます。

胃腸の動きは自律神経がコントロール?!

胃腸の動きは、自律神経によりコントロールされています。食物が胃に入ってくると自律神経のうち副交感神経が働いて、胃腸へ血液が多く供給されます。

そうすると胃腸の動き(ぜん動運動)が活発になり、消化酵素や胃液も十分に分泌され、スムーズに胃での消化が進みます。

便秘の原因は?

食生活やストレス、運動不足などが、便秘を引き起こす大きな原因のひとつです。ストレスなどで緊張すると交感神経が働いて、胃をはじめとする消化器官に十分に血液が供給されません。
緊張すると食欲がなくなり、食事をしても胃がもたれるのもそのため。お腹の働きが抑制され、胃のぜん動運動が大腸に伝わらないため、便通が悪くなってしまうのです。

介護や看護の現場では蒸しタオルで温めて便秘対策をしているところもあるようです。

ストレスは胃壁の毛細血管を収縮させる!

食物に紛れ込んだ細菌から体を守るため、胃は強酸性になっています。人間の体は、粘膜保護成分を含んだ胃液を分泌することで、そういった強酸性から自分の胃壁を保護しているのです。

ところがストレスは、胃壁の毛細血管を収縮させるため、血液循環が悪化。
胃液を十分に分泌できなくなり、強酸で侵されて胃が痛み、潰瘍に進行する場合もあります。

排便時のお尻の痛みの原因は?

肛門はぴたりと閉じる働きをするために、細い血管が集まった静脈叢や筋肉、弾性繊維が合わさったクッション構造になっています。しかし排便時のりきみや冷え、妊娠による圧迫などが原因で、その静脈の血液循環が悪くなってしまうことも。クッション構造がうっ血を起こすと、痔になってしまう場合もあります。

乳酸がたまると筋肉疲労が起こる!

筋肉を使って動かす際、血液によって酸素が供給されなくなると乳酸が産生されてしまいます。この乳酸が筋肉中に溜まると疲労状態となり痛みが引きおこされることもあります。

疲労を回復させるためには、この乳酸を取り除くこと。血めぐりをよくすると流し去ることができます。

手足の冷えの原因は?

人の生命にとって非常に大切な役割を果たしているのは、体温を一定に保つこと。食べることで体温の元になるエネルギーを摂取し、運動によって筋肉が熱を生み出し、その熱を体温調節機能がコントロールして一定に保っているのです。そのため極端なダイエットや冷たい飲食物、冷房での冷やしすぎは要注意ですね。

冷たい空気で冷えたり、ストレスで自律神経のバランスが崩れると、末梢血管が収縮して血液が十分に供給されなくなり、手足などの冷えにつながります。

生理痛!

20代で出産の経験がない女性の場合は子宮頚管が細く、また組織が硬いため月経血がスムーズに排出されないために生理痛がおこります。子宮を収縮させるために産生されるプロスタグランジンが痛みの元になっているのです。子宮筋の収縮が過度に起こるとさらに血流が減少し、虚血状態(血流不足)になり、下腹部の痛みが強くなると考えられています。

おっぱいが出ない原因は?

母乳は産後すぐに出るわけではありません。母乳のためのホルモン分泌が正常になるのが必要ですが、それには時間がかかります。母乳の元になる血液がスムーズに乳腺に届かなかったり(乳房うっ積)、乳腺や母乳の排出口が閉塞(乳房うっ滞)しているのが母乳が出ない原因になっていることもあります。

十分な授乳のためには、おっぱいの基底部をマッサージするなど正しいおっぱいケアが必要です。

更年期障害

更年期になると、女性ホルモンの分泌が少なくなります。そこで、この女性ホルモンの分泌を刺激する別のホルモンが過剰に分泌されるようになり、ホルモンのアンバランスが引き起こされてしまいます。
そのことが自律神経の調節を乱し、血管の収縮・拡張が適切ではなくなってしまうのです。
上半身の血管は拡張して顔が火照り、その反面、下半身は血管が収縮して、十分な血液が供給されず冷え性になってしまいます。

鼻が詰まるのは?

鼻炎になると、鼻が詰まりやすくなります。これは粘膜内の血液循環が悪くて血液が過剰にたまって、血管が膨れ、粘膜組織が腫れて鼻腔を塞いでいるためです。

目がかすむのは?

目のピント調節機能は、年齢とともに低下してきます。
これはレンズにあたる水晶体の厚みを調節する毛様体筋と、絞りに当たる虹彩を十分に小さくする筋肉の動きに必要な十分な血液が供給されないため、目がかすむ症状が現われると考えられます。

ぐっすり眠れないのは何故?

眠ると心拍数が少なくなり、血圧は下がります。活動エネルギーが減少するため、体温も下がります。
しかし、ぐっすり眠れない場合は、体温の下がり方が少ないことがわかっています。そこで、寝る1時間ほど前に運動や入浴によって体温を上げておきましょう。
血めぐりがよくなり、放熱が進んで体温低下が促進され、ぐっすりと休めます。

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