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経済協力開発機構（OECD）は、「日本では学校卒業後、多くの女性が就職するが、約60％の女性が第一子出産後に退職する」と指摘しています。

その裏付けとなった「雇用アウトルック2013」（2013年7月発表）によると、日本の25～54歳の女性の平均就業率は69.2％で、加盟34国中24位でした。

先進各国の女性就業率が改善している中で、日本における女性就業率が低い状況は続いています。

第一子出産後に職場復帰する女性は約40％。

ということは、妊娠・出産を機に約60％の女性が仕事を辞めているということです。　退職の理由は様々だと思いますが、育児と仕事の両立への不安はそのうちの1つです。

また、復職した約40％の女性も復職後に思い悩み退職を選択する人もいます。

ワー育セッションでのクライアントさんの話や、ワー育カフェでのダイアローグの中でも、ワーキングママの悩みや不安は沢山出ます。

それらの多くは、ワーキングママが『時間と労力に制限がある環境』の中で仕事、育児、家事をしているところにあると私は感じています。

時間と労力の全てを自分の為に割り振ることが出来ていた時の生活と、子どもが生まれてからの生活は“自由度”が格段に違います。　

ともすると自分の為に割く時間は無くなり、育児と家事で１日の時間が終わってしまう。　

そんな中で職場復帰し、以前と同じように仕事を続けていくことができるのだろうか？と、考えた時に不安を感じる。　これは、自然な流れかもしれません。自分が妊娠・出産で休職していた間も同僚たちは働き続け成長している状況もその不安を助長する１つの要素となるでしょう。　

周りと自分を比べたり、以前の状況と今の自分の状況を比べると、出来ない部分にばかり目が行ってしまい自分を責め続けていくことになります。

「自分だけ取り残されている気がする。」

「以前はもっと働くことが出来たのに今はちょっとしか働けない。」

「職場の皆に迷惑をかけているのではないか。」

「同僚たちにどのように評価されているのだろうか。」

等々、こんな風に。

実際、育児期前より働ける時間は短くなり、仕事に費やせる労力も減っているのがワーキングママの現状でしょう。

一方、得たコト、出来るようになった部分や成長した点はそれ以上にあります。かけがえの無い新しい家族が増え、ママ業をもこなす自分となり、育児や家事の時間が加わったからです。

出産前に比べると格段に成長している点が沢山あります。

以前に比べて減ってしまったモノや出来ないコトにばかり目を向けるのではなく、［今の自分に出来るコトや増えたモノ］に目を向けてみてください。

そして、今の自分をしっかりと見つめ、現状を改めて把握してみましょう。

すると、これまで気づかなかったり“当たり前”としてこなしていたコトに気付くはずです。

育児は1、2年で終わるものではなく、10年、15年と続きます。

子どもの成長に伴い親を必要とする場面や比重は変わるとはいえ、育児期はそれなりな期間なわけです。　従って、ワーキングママのキャリアも長いスパンで考えていく必要があります。

『子どもに手がかかり、時短勤務を選択したり仕事に割ける時間に制約がある時には、制限のある働き方の中で出来ることを精一杯やる。』

『子どもが小さくて病気をしがちな時期には、子どもが大きくなって免疫力が上がるまでの辛抱だと腹をくくり、看病で早退したり休みをとらざるを得ない状況を受け入れる。』

子どもは成長していくので身体もどんどん丈夫になるし、自分のコトも自分で出来るようになっていきます。

現状が大変でも今の大変さがずっと続くわけではなく、子どもを取り巻く環境も自分を取り巻く環境も日々変化していきます。

そういう意味でも、ワーキングママを続けて行く上で今おきている問題や抱えている課題全てを即解決していくコトだけに囚われず、時間が解決してくれる問題もあるということも頭の片隅に入れておいてください。

日々の問題を1つずつ解決してステップアップしていく中で、人生のキャリアは確実にレベルアップしています。

いつの日か育児から手が離れ仕事に専念出来るようになった時の為に今できることを精一杯やり貯金しておく。

そんな心構えでワーキングママな日々を過ごしてみてはいかがでしょう。