UVケアの大切さが伝えられるようになり、最近は紫外線対策のグッズやアイデア商品なども多く見られるようになりました。スプレータイプの日焼け止めなども登場し、ずいぶんとお出かけ前の紫外線対策もスムーズにできるようになりましたね。
でも、その紫外線対策、ワンパターンになっていませんか?
紫外線は、天気によって強さが変わるだけではありません。場所やシチュエーションによって強さも降り注ぎ方も変わってきます。シチュエーションに合わせた紫外線対策をしていないと、ケアしていたのに焼けてしまった!なんて悲しいことになりかねません。
家族の中でUVケアに一番詳しいのはママ。
思わぬ日焼けに泣かないためにも、今年はさらに一歩進んだ紫外線対策をマスターしましょう!
紫外線対策をする場合、その対象となる紫外線はAとBの二種類あります。Aは肌を黒くしたりシワやたるみの原因となる紫外線で、Bは肌を赤くしたり皮膚がんの原因となるものです。ここでは、より有害性の強い紫外線Bについて、主に見ていきます。
紫外線はさまざまな要素によって、その強さが左右されます。
主な要素をまとめると次の通りです。
<季節>
日本の場合、紫外線Bは真夏の7月8月がもっとも多くなる
<天気>
快晴の場合に最も多いが、うす曇りでもその50~80%、雨の日でも快晴の日の20~30%は地上に届いている
<時間>
お昼前後の午前10時~午後2時ごろまでが最も強く、この4時間に一日に降り注ぐ紫外線の50%以上をしめるとされる
<標高>
標高が高くなるほど太陽に近く、また紫外線をさえぎるちりや埃が少なくなるため、空気が澄んで紫外線が多く、強くなる
<地域>
南ほど紫外線が強くなり、沖縄は北海道にくらべて年間紫外線量がおよそ2倍になる
つまり、同じように晴れた日でも、お出かけする場所や時間によって、紫外線対策の度合いは大幅に変わってくるのです。
では、どんな場合にどんな点に気をつけて対策したらいいのか、これからの季節に多くなるであろう二つの場面で、具体的にあげてみます。
まずは、避暑地や山でのレジャーに出かける場合です。
ここで、意外と盲点になるのが「標高」です。
たとえば、避暑地の代表、軽井沢の場合で見ると、軽井沢駅の標高はおよそ940メートル。先日開業した東京スカイツリーの高さが634メートルですから、それよりさらに1.5倍くらい高いところにいることになります。その分太陽に近くなるのですから、紫外線が強くなるのも当然です。高原や山は、涼しさについ油断しがちですが、紫外線はその分かなり強くなるので、日焼け止めはこまめにしっかりと塗りましょう。
紫外線対策としては、帽子や日傘がとても有効です。標高の高いところは涼しいので、帽子などをかぶらなくても快適に過ごせる場合がありますが、暑さとは関係なく強い紫外線は降り注いでいます。気付いたときには頭皮が日に焼けて、やけどをしたような状態になってしまった、というケースを実際に目にしています。どんなに快適な陽気でも、帽子や日傘を忘れずに。
なお、よく晴れた日の場合、日陰や木陰にいてもうっすら日焼けすることがあります。紫外線は反射するためです。アウトレットなど屋根のあるところですごす場合でも、日焼け止めを塗っておくと安心です。
次に、海やプールに出かける場合です。
この場合は、「日焼け止めの塗りなおし」と「隙間なく塗る」ことがポイントです。
水に入る前に日焼け止めをしっかりと塗っても、汗や海水で日焼け止めが流れてしまう場合が多いです。強い日焼け止めを一度塗って満足するのではなく、SPFやPAの値がそれほど高くなくても、こまめに塗りなおすことが大切です。
それから、海やプールでは、“あらゆる方向から”紫外線にさらされると考えておきましょう。紫外線は反射する性質があるため、水の中で泳いでいる場合などは上下左右、あらゆるところから紫外線にさらされる可能性があります。あとになって、まだらに日焼けしてしまった・・・なんてことのないように、隙間を残さず日焼け止めを塗るようにしましょう。
また、ビーチは日陰が少ないですから、熱中症を防ぐ意味でも、パラソルなど自分で日陰を作る方法も準備しておくといいでしょう。
関嶋 梢 【気象キャスター】
記事テーマ
「きょうは何を着せたらいいかしら?」にはじまり、子育てには天気予報がかかせませんね。天気には<季節ごとに気をつけたいポイント>があります。そのほかにも<お散歩で見つけよう!季節の表情>や<親子でチャレンジ!簡単な天気予報>などをテーマに、子供たちとの毎日が楽しくなるようなお天気豆知識をご紹介します。