新年度の始まりと共にやってきた先日の春の嵐。
みなさんは、どこで、どんな風に過ごしていましたか?
台風ではないのに、台風と同じかそれ以上とも言えるような被害が出て、メディアは一日を通して街の様子や気象情報を伝えていました。
これからの時期、4月の後半から5月にかけては、先日のように急速に発達した低気圧によって広範囲で暴風が吹き荒れる「メイストーム」という現象が起こりやすい時期にあたります。北からまだ冷たい空気が入りやすい一方で、南からは暖かい空気が流れ込むようになり、その温度差がエネルギーとなり、低気圧が急速に発達し、猛烈な嵐をもたらします。
台風のような進路予想が出るわけでもなく、心の準備がしづらい「メイストーム」。家族が巻き込まれないようにするには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?
「メイストーム」では、台風のような進路の予想は発表になりませんが、大荒れの天気が予想される場合、そのサインがあります。
気象庁から「低気圧に関する情報」が発表され、テレビやラジオなどのニュースや天気予報の中で内容が伝えられます。特に、広い範囲で荒れる場合や、週末や連休中に天気が荒れそうな時などは、前日までには情報が発表になり注意が必要な点について解説されます。
天気予報のコーナーで、通常の画面とは別に天気図を詳しく解説をしていたり、「注意点」を示す画面がでていたら、「メイストーム」の可能性あり。内容を注意して聞いてください。「メイストーム」となった場合は、非常に強い風が吹き荒れるため、交通機関が大きく乱れて生活に大きな影響が出る恐れがあります。どのくらいの風が吹くのか、何時ごろがピークになるのか、外出の予定と重なっていないかどうかチェックしましょう。
もし外出の予定と重なってしまったら?
4月・5月は新生活が始まったばかりで、予定がたくさん入る時期でもあります。しかも小さな子どもと一緒に出かける予定の場合は、特に心配ですね。
もし嵐のピークに外出の時間が重なってしまいそうな場合は、まず外出の時間をずらしたり調整できないか、あたってみてください。ピークの時間を外す、または予定を延期・キャンセルできるようなら、そうすることが賢明です。それができない場合は、子どもを預かってもらうなりして大人のみで行動できるようにすることを検討してください。
小さな子どもをつれて、交通機関の混乱に巻き込まれてしまった場合、いつ目的地につけるのかわからないだけでなく、大混雑の電車にすし詰めのまま、何時間も電車が止まってしまう可能性も十分に考えられます。本来の嵐だけでなく二次的な被害に巻き込まれる心配もあるため、嵐が予想される日の外出は、基本的に、臨機応変に対応できる大人だけでするようにしましょう。
嵐の時は、できる限り外出を控えるのが鉄則ですが、お仕事などでやむを得ず外出しなければならないパパやママもいるでしょう。
その場合、最新の気象情報で「暴風や雨のピークの時間」をきちんとチェックし、なるべくその時間を避けて行動できるようなスケジュールを検討してください。
先日の嵐の時は、多くの企業がピークとなる前に帰宅を促したこともあり、大きな混乱が避けられました。大荒れが予想される時間帯に移動を控えることは、自分自身が混乱に巻き込まれないだけでなく、社会全体にとってもプラスに働きます。
そしてこれから迎える大型連休中も「メイストーム」には十分な注意が必要です。
陽気が良くなり海や山に出かける機会も増えてきますが、「メイストーム」が発生すると、シビアな現象が予想されます。山では雪崩発生の危険性が高くなり、低気圧の通過後は猛烈に吹雪いて気温が急降下したりします。海は高波が沿岸に打ち寄せ、川では激しい雨により急に増水する恐れがあります。
連休ともなると、何ヶ月も前から予定を立てて予約をしている場合も多く、スケジュールの変更や延期・キャンセルを考えるのには勇気が必要だと思います。でも、この時期の急発達する低気圧は、時に台風以上の広い範囲に大荒れの天気をもたらします。
楽しいレジャーだからこそ安全が最優先! もしも天気予報で“日本海で低気圧が急速に発達し・・・”などというコメントがあったら、無理のないスケジュールになっているかどうか、計画を見直してみましょう。
関嶋 梢 【気象キャスター】
記事テーマ
「きょうは何を着せたらいいかしら?」にはじまり、子育てには天気予報がかかせませんね。天気には<季節ごとに気をつけたいポイント>があります。そのほかにも<お散歩で見つけよう!季節の表情>や<親子でチャレンジ!簡単な天気予報>などをテーマに、子供たちとの毎日が楽しくなるようなお天気豆知識をご紹介します。