この冬は、記録的に寒い冬となりました。みなさん、風邪などひいていませんか?
でも三月に入り、まだまだ寒い日はあるけれど春の日差しに誘われて様々な小さな春が顔を出してきます。
三月は、春の花々が次々に咲き始める季節。結構オモシロいエピソードを持つ植物があるんですよ!
思わず自分の目で確かめてみたくなること間違いなし!
今回はそんな春の花々をいくつかご紹介しましょう。
長い冬が終わり、ぽかぽかの日差しを受けて重い冬のコートを脱ぎたくなるのは私たち人間だけではないようです。植物の中にも、春を迎え、コートを脱ぐものがあります。それが「ハクモクレン」です。
ハクモクレンの冬芽は銀色の毛におおわれていて、まるで毛皮の“コート”をまとっているかのような美しさです。寒がりなのか、“コート”は三枚重ねになっていて、つぼみが膨らむにつれて外皮を一枚ずつ脱いでいき、三月になると乳白色の花を咲かせます。花が咲くころには、木の下を見ると、つぼみが脱ぎ捨てたたくさんの“コート”が落ちていますよ!
ちなみに、冬芽の下には、愉快な顔をした「葉痕」(12月にご紹介しました)があります。
それから、まだ花の少ないこの時期、真っ先に咲いて気分を明るくしてくれるのが、春告草ともいわれる「ウメ」ですね。ちょうど顔の高さくらいで花が咲くので、ほのかに甘い香りを感じながら花を楽しめます。白梅、紅梅、中には八重咲きの品種もあり、なんといっても花の咲く時期が長いので、ゆっくりお花見ができます。
その「ウメ」を追いかけるようにして開花が始まるのが「サクラ」です。代表的な品種のソメイヨシノはウメに比べ二ヶ月近く遅くに咲き始めるのですが、ソメイヨシノはいったん咲き始めると、ウメより早いペースで咲き進んでいきます。そしてサクラ前線は、先にスタートしていたウメ前線とちょうど津軽海峡付近で並び、デットヒートを繰り広げながらほぼ同じ時期に北海道に進みます。そのため北海道では春になるとウメとサクラが同時に楽しめることが多いのです。香りのよいウメと、華やかなサクラ、二つの花を一緒に楽しめるなんて、贅沢ですね!
3月に入ると、気象会社などからサクラの開花予想が発表になり、春を迎えるワクワクした気持ちも加速していきますね。ただ、今年は記録的な寒さの影響で、ウメやサクラなどの開花が例年より遅くなる可能性が高いです。ゆっくりと開花した年は花が長く楽しめることが多いんですよ!
関嶋 梢 【気象キャスター】
記事テーマ
「きょうは何を着せたらいいかしら?」にはじまり、子育てには天気予報がかかせませんね。天気には<季節ごとに気をつけたいポイント>があります。そのほかにも<お散歩で見つけよう!季節の表情>や<親子でチャレンジ!簡単な天気予報>などをテーマに、子供たちとの毎日が楽しくなるようなお天気豆知識をご紹介します。