ようやく2月に入ったところなのに、もう花粉の話題?
えぇ、そうなんです。早いと感じる人が多いと思いますが、花粉症の症状が出る人は、実はそろそろ対策を始める目安の時期を迎えます。
“花粉の飛散開始”というのは、ある一定量の花粉が続けて観測された時に発表されるため、ニュースなどで聞く頃には、すでに少量ながら花粉が飛び始めているのです。花粉症は、症状が出る前に初期の治療が始められれば症状が軽くなる場合が多いと言われます。例年、比較的早くから飛び始める地域では、まだ寒い今の時期から、そろそろ対策を始めたいところです。
ところで、スギ花粉はいつから飛び始めるのでしょう?
比較的簡単に大まかな飛散開始の時期を予測する方法があります。その方法とは【1月1日からの最高気温を足していく】というやり方です。西日本や東日本では、足していった最高気温(積算温度)が、350℃から400℃に達すると花粉の本格的な飛散が始まると言われています。(飛散開始の目安となる積算温度は地域によって多少異なり、東北では250℃から300℃と比較的寒い地域では低くなります)
そこで計算してみると、1月末の時点で、東京では250℃ほどですが、九州南部ではすでに350℃に達するほどの地域があります。NPOや気象会社などが今年の花粉の飛散予想を発表しており、それらによると九州や四国の早いところは2月上旬から、大阪や名古屋、東京などでは2月中旬からの飛散が予想されています。
飛散する量については、今年は一部の地域を除いて全国的に例年よりも少ないとみられていますが、それでも「花粉症が重症化するレベルであると考えられるため、早めの花粉症予防対策が必要」と環境省が発表しています。
「でも、私は授乳中…今年は気合いで乗り切るしかないの?」
そんな心配を抱えているママもいると思います。妊娠中や授乳期間中は、薬の服用をなるべく控えているママも多いでしょう。でも、例年、医療機関で処方される点鼻薬、点眼薬、抗アレルギー内服薬、漢方薬などで対処できている方は、妊娠・授乳期であることを伝えれた上でかかりつけの産科・耳鼻咽喉科・内科などで相談すれば、服用できる薬を処方してもらうこともできます。
また、薬に頼らない工夫もいくつかあります。甜茶、黒豆、レンコン、乳酸菌、ハーブティー、アロマ、漢方など…人によって効果は違いますが、少しでも日常生活が改善するのであれば、試してみる価値はあると思います。(花粉症に有効なアロマオイルの中には、妊娠中には使えないものあるのでご注意を!)
そして、何より大切なのが、花粉との接触を最低限に抑えることです。普段の生活の中で、以下の点に注意しましょう。
・飛散の多い時の外出を控える
・飛散の多い時は、窓や戸を閉めておく
・飛散の多い時は、外出時にマスクやメガネを着用する
・外出時、毛織物などのコートは避ける
・帰宅時は、上着や髪の毛を外で払い花粉を落としてから部屋に入る
・帰宅したらすぐ洗顔、うがいをし、鼻をかむ
・こまめに室内の掃除をする
以前は「赤ちゃんや小さな子供は花粉症にならない」と言われたりしていましたが、花粉をあびるのが二回目になる1才代になると症状が出始める子もいるようです。ママのためにも、そして子供のためにも、なるべく快適な環境を整えたいですね。
まだまだ寒い日が多い時期ですが、花粉の季節は着実に迫っています。
辛い季節を少しでもラクに過ごせるよう、早めに行動をはじめましょう!
関嶋 梢 【気象キャスター】
記事テーマ
「きょうは何を着せたらいいかしら?」にはじまり、子育てには天気予報がかかせませんね。天気には<季節ごとに気をつけたいポイント>があります。そのほかにも<お散歩で見つけよう!季節の表情>や<親子でチャレンジ!簡単な天気予報>などをテーマに、子供たちとの毎日が楽しくなるようなお天気豆知識をご紹介します。