顔を洗えばすぐに肌がつっぱってカサカサに、外に出ればのどがイガイガ、そしてドアノブに触れると静電気がパチッ!
この冬、すでに経験されている方も多いのではないでしょうか。一年で最も空気が乾燥する季節の到来です。
東京では過去に2カ月以上乾燥注意報が出続けたことがあります。(1973年11月18日から1974年1月21日)(気象庁調べ)
冬、シベリアから吹いてきた乾いた北風は日本海を通過する際にいったん湿りますが、日本海側の地域に雪や雨を降らせることで再び湿り気がなくなり、太平洋側にはカラカラに乾燥した風が吹きおりてきます。このため、日本の中でも特に太平洋側の地域ほど冬は空気が乾燥するのです。
空気が乾くと、洗濯物は短い時間でカラッと乾きますが、すべてのものが乾燥するので火災が起こりやすくなったり、またお肌の乾燥も一層進んでしまいます。
特に、赤ちゃんにとって乾燥は大人以上につらいもの。
赤ちゃんは体重のおよそ70%が水分といわれています。その割合は大人より10%ほど多く、その分常にたくさんの水分を保つ必要があります。さらに赤ちゃんはたくさん汗をかいたり、角質層が薄いために皮膚の表面から大人より多くの水分が蒸発したりするので、体の機能が円滑に働くためにもなおさら乾燥が進まないように気遣ってあげないとなりません。
ところで、赤ちゃんにとって最適な湿度はどのくらいか、知っていますか?湿度が40%以下になるとインフルエンザなどのウィルスが活発化したり鼻やのどの粘膜が乾燥し風邪をひきやすくなったりしてしまいます。逆に60%を超えるとカビやダニなどのアレルゲンが増える心配があります。このことから、最適とされる湿度はだいたい40~60%と言えます。
でも、その湿度をいつでも維持するのはなかなか大変です。冬は空気自体が乾燥するうえ、エアコンなどの暖房器具を使うことでよりお部屋の空気は乾燥しやすくなります。それに湿度が低くなっていることを体で感じるとるのはとても難しいこと!
そこで、ちょうどよい湿度を保つためにまずおすすめなのはお部屋に「湿度計を置くこと」です。湿度が低くなっていることを目で常に確認できるようにしておきましょう。
次に加湿です。加湿器は、扇風機などを併用し部屋の中に緩やかな空気の流れを作ることで部屋全体の湿度を保つことができます。また、洗濯物の部屋干しも、水蒸気を発散する面積が大きいため部屋の湿度をあげるのに有効です。
部屋の湿度が上がると、さらに他のメリットもあります。同じ温度でも、より暖かく感じやすくなります。
湿度が高くなると、汗が蒸発しにくくなるため肌の表面温度があまり下がらず温かく感じるというわけです。
寒い冬は、つい関心が気温にばかりいきがちですが、快適な生活環境作りに欠かせない“湿度”を味方につけてママも赤ちゃんも笑顔で冬を乗り切りましょう!
関嶋 梢 【気象キャスター】
記事テーマ
「きょうは何を着せたらいいかしら?」にはじまり、子育てには天気予報がかかせませんね。天気には<季節ごとに気をつけたいポイント>があります。そのほかにも<お散歩で見つけよう!季節の表情>や<親子でチャレンジ!簡単な天気予報>などをテーマに、子供たちとの毎日が楽しくなるようなお天気豆知識をご紹介します。