今回は塾選びについてです。
これは本当に皆さん頭を悩ませるらしく、算数カフェでも人気のテーマの一つ。
「塾が必要かどうか」には
・そもそも、塾通いは本当に必要なのか
・通うとしたら、いつから必要なのか
の2つの視点があります。
中学受験を視野に入れる場合は、小学校で習う知識のみでは対応できません。
中学受験をするにはやはり専門の勉強が必要で、そのためには学習機関を頼るのが親御さんにとってもお子さんにとっても最も効率が良くなります。
というのも、大学受験や資格試験と違って、中学受験は先延ばしにする事ができません。限られた期間内で結果を出すには、やはりノウハウを持つ所を頼るのが一番。
中学受験専門の学習機関といっても、塾・個別指導・家庭教師と形態は様々ですが、前回お話しした理由により、私はまず塾をお勧めします。
昨今は、少子化による生徒の取り合いで、塾による低学齢の囲い込みが顕著になってきています。まず、これら業界事情に煽られないことが大切。
では、いつからが有効なのか。
これは地域にもよりますが、いわゆる受験勉強に直結する内容ならば、小4が一般的です。一般的というのは、それまでにいかに基礎学力をつけてきたかによって事情が変わってくるためです。
「よみ・かき・そろばん」に該当する「読書・漢字・計算」は、入塾する前に最低限つけておきたい学力。読書と漢字は家庭の習慣如何で身に付きますが、計算は外部機関の力を借りるのが手っ取り早いです。
そして「思考力」。これも小さいうちから数字パズルなどで楽しく身につけておきたい力。その一環として、将棋はかなりおススメです。
これらの基礎学力がしっかりとついていれば、小5から入塾しても間に合います。逆に、基礎学力がないと、小4以前から塾のお世話になっても思うように学力が伸びす、入試までの3年間にのびきってしまう恐れがあります。
さて、塾を選ぶ際に最も大切なのは「家庭内でのコンセンサス」。
事情は家庭によって様々ですが、長丁場となるため家族間の協力が必須。お父様だけが、お母様だけが勝手に決めてしまうとのちのち様々な問題が出てきます。塾を選ぶ時は、是非家族会議をして下さい。
塾を選ぶ判断基準は、以下の中から優先順位を決めます。
①お子さんの志望校
②塾の強み・弱み(宿題の量/先生の質)
③立地
④金額
例えば、関東で御三家に圧倒的な強さを持つSAPIXは、難易度の高いテキスト(内容も素晴らしいです)と膨大な量の宿題があります。
しかし、志望校がいわゆる「超難関校」及びそれに準ずる「難関校」でない場合は、ここまでの勉強量は正直必要ありません。授業のスピードも速いので、ついていけなくて肝心の基礎が身につかない・・というケースも多々あります。これは本人もプライドにも関わってくるため、6年になって結構やっかいになってきます。
また、名前の通り「早稲田アカデミー」は、早稲田系列に強いのが特徴。とはいえ、これは普段の授業ではなく、NNという学校別のコースによる特訓の成果です。
このように、それぞれの塾が強みとするのが何か、きちんと把握する事が大切です。
塾通いは、小4の頃でこそ週2~3回ですが、6年にもなると週4~5回と日数が断然増えてきます。
近場に良い塾があればそれに越したことはないのですが、ちょっと遠方にとても良い塾がある・・という場合、悩みますよね。
これは地域によって事情が異なってきます。電車や車で片道30分以上かかる所にとても評判の良い塾がある・・という場合、通塾中の車内が暗記などに集中して取り組めるの環境であれば通う価値アリです。
ただ、通塾が帰宅ラッシュと重なる、子ども一人では危険・・という場合は、あまり現実的な選択にはなりません。
私は、子どもの学力は全て先生にかかっていると考えているため、近くのあまり良い噂を聞かない先生と、遠くの良い先生であれば、遠くを選びます。ただ、この辺りは個々人の価値基準に関わってくるため、家庭での話し合いが大切です。
さらに、大手塾は立地によって先生の質が異なってきます。基本的に、各教室には「校長」や「室長」と呼ばれる責任者がおり、その人のカラーが出てきますが、塾が威信をかけてテコ入れしている教室は優れた先生が集まるケースが多いです。この辺りも情報収集が必要です。
最後に、金額は外せない部分。
週刊ダイヤモンドによると、代表的な塾の年間合計額は
○日能研 約105万円
○四谷大塚 約100万円
○SAPIX小学部 約120万円
○希学園 約120~130万円
となっています。
これはあくまで平均値であり、6年になると志望校によって選択する特別講座も多岐に渡ってきます。それぞれの塾がどれだけ特別講座を選択させるのかも、その塾に通っていた親御さんに聞くのが一番確実です。
他にも様々な基準がありますが、「有名だから」「みんなが通っているから」という理由で選ぶのではなく、経験者の話を沢山聞いて、何より「お子さんが納得して通える塾」を選んで下さい。
3月19日(月)、算数カフェを開催します。
【内容】
①受験算数について親として知っておきたいこと
②春休み中にチェックしたいお子様の計算力
③入試頻出単元「数の性質」攻略の心構え
【時間】 10:00~12:00
【料金】 2,000円
【場所】 こどもみらい塾(JR「恵比寿駅」東口より徒歩2分)
東京都渋谷区恵比寿1-13-8 第5伊藤ビル2F
【お申込み方法】
以下のフォームよりお申込み下さい。
安浪 京子 【プレスティージュパートナー代表】
記事テーマ
学力低下、理数離れ、詰め込み教育・・誰もが聞いたことのあるこれらのキーワードは、幼児期における家庭での関わり方によって、影響されずにすむ力をつけることができます。そんなエッセンス ―親子で楽しく思考力・集中力を鍛える方法― について連載していきます。