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家庭で取り組む脳トレ算数②/2012年2月

算数はセンス?

今回も、前回に引き続き脳トレ算数のツールをご紹介します。

 

算数のツールは脳トレだけのために使うのではなく、当然算数を解く上で重要なものばかりです。

よく「算数のセンスがないから・・」というお母様やお子さんの声を聞きますが、算数はセンスではありません。今回ご紹介するような算数のツールを身につけ、公式を理解し、様々な問題を数多くこなし、ようやく算数を解くための血となり肉となっていくのです。

 

とはいえ、立体図形の特殊な問題に関しては

「センスがあったら・・」

と思わずにいられない時があるのも事実。こういう時は、とにかく沢山問題を解いて身体で覚えていきます。

暗記力と計算力

さて、脳トレ算数で扱うツールには「暗記力」と「計算力(暗算力)」の2つがあります。

「算数に暗記?」

と思われる方もいるかもしれませんが、算数とて覚えておかねばならない数値や公式は沢山あります。ちなみに、前回お話しした平方数は「暗記力」を鍛えるツールです。

 

暗記は、覚える内容や使い方によっては”詰め込み教育”と批判される場合もありますが、こと算数においては、何かを暗記しただけで”問題が解ける”という事はまずありません。

 

一方、計算力が必要なのはうなずいて頂けると思いますが、計算力には

・処理能力

・暗算力

の2つがあります。

「処理能力」とは、”いかに効率よく計算を進めていくか”で、これはお子さんによって若干手法が異なってきます。

一方、暗算力は鍛えれば鍛えるほど身に付くもので、やや高度な脳トレツールとして最適です。

暗記力ツール

もし中学受験をするのなら、絶対に覚えておいて欲しいもの――

それは、以下の『小数⇔分数ファミリー』です。

 

0.25 = 1/4  0.75 = 3/4

0.125 = 1/8  0.375 = 3/8  0.625  =5/8  0.875  =7/8

 

中学入試の最初に出てくる計算問題に頻出ですが、上記を覚えていないお子さんは

0.125 = 125/1000

をひたすら約分していくしかないのですが、「時間がかかる」「途中でミスしやすい」あげく「計算に嫌気がさす」と、デメリットのスパイラルに陥ってしまいます。

 

これも、前回お話ししたように1分で区切って覚えさせるのが一番有効ですが、平方数より難易度が高いため、ぜひ覚えやすい方法を親子で見つけてみて下さい。

ちなみに、覚えにくい小数は

 

0.375 = ミナコ  0.625 = ムツコ  0.875 = ハナコ

 と、”三姉妹シリーズ”で覚える、という手もあります。

計算力(暗算力)ツール

これもやはり小数シリーズです。

小数と分数の混ざった四則計算は、基本的に小数を分数に変えて計算します。この時にいかにスマートに分数にできるか、が計算力の大きな分かれ目となります。

 

例えば、0.64 を分数にしたい時に

 

0.64 = 64/100 = 32/50 = 16/25

 

と、少しずつ約分を繰り返していくのか、

 

0.64 = 16/25

 

と、一発で約分できるのか。スピードに大きな差が出るのは一目瞭然ですよね。算数でよく扱うのは小数第二位までの小数を分数にするパターンですが、これは

 

①暗記しておくもの   0.25  0.75

②2で約分できるもの  0.04  0.26  0.94  など →分母は50  

③4で約分できるもの  0.08  0.52  0.96  など →分母は25

④5で約分できるもの  0.15  0.55  0.95  など →分母は20

 

の4パターンを見極め、一回で約分できる訓練をします。②③④の見極め方は『倍数判定法(中学入試の範囲内)』に基づき、

 

2の倍数=一の位が偶数

4の倍数=下二けたが4の倍数

5の倍数=一の位が5か0

 

で区別します。

 

倍数判定法――少なくとも義務養育には出てきませんよね。中学受験する小学生って、すごいなぁって思いませんか?

脳トレ算数をコミュニケーションツールに

今回、最後まで読んで下さった方はかなり「算数の体力」がおありだと思います。脳トレ算数のツールをいくつかご紹介したわけですが、おそらく

「すごくつまらない」

「途中から嫌になってきた」

と思われたのではないでしょうか(笑)?

実際、私も書きながら”算数を文字で書くことの無機質さ”を痛感しています。

 

しかし、これらをいかに楽しくお子さんに取り組ませるかが最大の鍵。逆にいえば、お子さんをやる気にさせるコツさえわかっていれば、どのような内容でも関係ありません。

 

前回もお話ししたように、これらを覚えることを最終目的とするのではなく、親子のコミュニケーションツールとして上手に”利用”して下さい。

Mama's profile/プロフィール

安浪 京子

安浪 京子 【プレスティージュパートナー代表】

記事テーマ

子供の学力がどんどんUPする、魔法の基礎学力法

学力低下、理数離れ、詰め込み教育・・誰もが聞いたことのあるこれらのキーワードは、幼児期における家庭での関わり方によって、影響されずにすむ力をつけることができます。そんなエッセンス ―親子で楽しく思考力・集中力を鍛える方法― について連載していきます。

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