今回も、前回に続いて「計算力」です。
「計算力」と聞くと、たいていは四則混合(整数、小数、分数の+-×÷)を思い浮かべますが、それ以外にも鍛えるべき計算力があります。それは
・約分力
・最大公約数・最小公倍数
です。
これは、以前の記事(2012年2月“家庭で取り組む脳トレ算数②”)の反復になりますが、計算力の全体像を把握して頂きたいので再度書かせて頂きます。
約分の暗算力とは、小数第1位・第2位までのものを瞬時に既約分数にする力です。例えば
0.8=4/5
0.82=41/50
0.76=19/25
というようなもの。これで四則計算のスピードと正確さが格段にアップします。
小数第1位までのものは
0.2=1/5 ,0.4=2/5 ,0.5=1/2 ,0.6=3/5 ,0.8=4/5
の5つしかないですし、2の段と5の段の約分なので簡単ですよね。
ややこしいのは小数第2位のものですが、約分できるものは以下の3種類に限られているので、それほど肩に力を入れなくても大丈夫です。
①2で約分できるもの 0.06 0.38 0.98 など →分母は50
②4で約分できるもの 0.12 0.48 0.88 など →分母は25
③5で約分できるもの 0.05 0.65 0.85 など →分母は20
これも訓練です。10分程度を週1~2回取り組めば、1ヵ月後にはスラスラできるようになりますよ。
続いて暗算力が欲しいのが「最大公約数」と「最小公倍数」。
小学校では連除法を用いる方法のみを教えますが、実際の計算では暗算でできるものは暗算ですべきです。
「最大公約数」と「最小公倍数」は、言葉と意味の定義が混乱しやすくなりますが、今回は計算力がテーマなので横においておきます。
最大公約数の暗算力とは
(4,6) (40,45) (27,21) (48,64)
というようなペアの最大公約数を頭の中ではじき出せるかということです。
また、最小公倍数の暗算力とは
(5,7) (10,16) (12,16) (19,38)
というようなペアの最小公倍数を頭の中ではじき出せるかということです。
もちろん、これらにはコツがあります。
最大公約数の場合は、2つの数字の「差」もしくは「差の約数」を調べると見つけやすいことが多いです。もちろん、正攻法で見つけていっても構いません。例えば
(24,36)
の場合、「2かな?」「いや、3かな?」と考えるより、36-24=12 をまずしてみて、12が該当するかどうか考えてみます。この場合は12が正解ですね。
最小公倍数の場合は、2つの数字のうち「大きな数字」を2倍、3倍・・としていき、もう一方の倍数にあてはまるかを調べると、やや近道になります。例えば
(10,16)
の場合、16を×2、×3・・としていき、×5=80で「10でも割れる!」と見つけるわけです。もちろん、頭の中で連除法を用いて「公約数が2で、その下が5と8だから全部かけて・・」でもOKです。
とにもかくにも、まずは沢山の問題にあたること。これも10分程度を週1~2回か、5分程度を1ヵ月毎日続けると、格段に計算力がアップします。是非頑張ってみて下さい♪
9月25日(火)、六本木ヒルズにて「笑顔で働きたいママのためのフェスタ2012」(10~16時、参加無料)に出展します。
ブースでは
・中学受験カウンセリング
・塾カウンセリング
・プチ算数カフェ
を実施致します。
ご家庭での算数力アップの秘訣を知りたい方、中学受験について具体的にお聞きになりたい方(中学受験自体どうするかという方、志望校が決まっている方など対象は問いません)、当日お会いできる事を楽しみにしております。
また、具体的に通塾していたり志望校が決まっている方は、模試の結果と算数のノートを合わせてお持ち頂ければ、より詳細なアドバイスができますので是非ご持参下さい。
安浪 京子 【プレスティージュパートナー代表】
記事テーマ
学力低下、理数離れ、詰め込み教育・・誰もが聞いたことのあるこれらのキーワードは、幼児期における家庭での関わり方によって、影響されずにすむ力をつけることができます。そんなエッセンス ―親子で楽しく思考力・集中力を鍛える方法― について連載していきます。