受験算数に必要な能力、さらに細分化すれば学校毎に生徒に求める能力には違いがありますが、全ての学校に必ず必要な能力は「計算力」です。
この「計算力」とは、残念ながら小学校の計算ドリルだけでは完全に不十分です。入試で出題される計算とは
0.9+0.625×2.4-□÷1.5=2
のような類であり、このような問題を解くにはそれ相応のトレーニングが必要です。トレーニングとは具体的に「暗記力を磨く」「暗算力を磨く」「計算のルールを知る」そして「日々の計算の取り組み方」にかかってきます。具体的に見ていきましょう。
2012年2月の記事でお話しした事とかぶる点もありますが、「速く」「正確に」「スマートに」解くためには、計算にも暗記力が必須です。
具体的には
0.25 = 1/4 0.75 = 3/4
0.125 = 1/8 0.375 = 3/8 0.625 =5/8 0.875 =7/8
は必ず覚えること。覚え方は前述の記事もしくは算数カフェで(笑)。
この暗記がどれほど重要かというと
1+[{1+{0.75+0.4×1.25)×0.8}×0.125-0.25]=0.375 (大阪星光学院中)
のような問題を見れば明らかですよね。
続いて重要なのが「暗算力」。
これは全体の計算スピードに大きく影響します。
義務教育では、24×5のような計算は必ず
24
× 5
――
のように筆算をさせ、、一の位を計算してoを書かせ、繰り上がる2を書かせ、最終的に12と書かせます。
しかし、この程度の計算は一目で「120」と答えられなけれな厳しい――というより、必ず誰でもできるようになります。
そのためには、毎日の「トレーニング」。
最初は一桁や二桁の足し算から始めましょう。この時、答えをお尻からではなく頭から”言わせる”のがコツ。書かせるのではありません。例えば
78+69
のような計算を、「イチヨンナナ」と答えさせます。「ヒャクヨンジュウナナ」と答えさせるのはNG。というのも、実際に紙に答えを書く時は一桁ずつ書いていくわけで、計算をする時に全体を俯瞰する必要はありますが、答える時に俯瞰させるとかえって時間がかかりますし、言うのも面倒です。
同様に
・(易)二桁の引き算 95-28など
・(普)三桁の足し算 482+62など
・(普)三桁の引き算 823-374など
・(普)小数の足し算 0.264+1.97など
・(普)小数の引き算 5.3-2.86など
・(普~やや難)最大公約数 (18,24)など
・(普~やや難)最小公倍数 (12,42)など
・(やや難)小数と0の多い掛け算 20×0.005など
・(やや何)小数と0の多い割り算 100÷0.001など
・(難)二桁×一桁 36×9など
・(難)三桁÷一桁 492÷3など
を毎日2種類、計30問位暗算させましょう。使う教材としては、「陰山英男の徹底反復シリーズ 徹底反復計算プリント(小学校全学年)小学館」がオススメです。
ただし、暗算に取り組むには「親の努力」が必須です。必ず暗算するお子様の隣で、一問ずつ「正解・不正解」をジャッジしましょう。もし親御様が暗算が苦手ならば、
①お子様と一緒に鍛える
②答えを手元に用意しておく
③個別もしくは家庭教師にお願いする
という方法論があります。
「中学受験ってそこまでしないといけないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、中学受験は時間もお金もかかるのが実情。そのため、腹をくくって取り組まねば良い結果は残せません。
そもそも中学校は義務教育の範囲内。どこまで家庭で本腰を入れることができるのか――を家族会議することがまずは先決。
計算力は高校受験、大学受験でも必ず必要になってきます。最近、「実は算数好き」というお母様にお会いする機会が多く、嬉しい限りです。意外にハマるかもしれませんし、まずトライされてみてはいかがでしょうか?
9月25日(火)、六本木ヒルズにて「笑顔で働きたいママのためのフェスタ2012」(10~16時、参加無料)に出展します。
ブースでは
・中学受験カウンセリング
・塾カウンセリング
・プチ算数カフェ
を実施致します。
ご家庭での算数力アップの秘訣を知りたい方、中学受験について具体的にお聞きになりたい方(中学受験自体どうするかという方、志望校が決まっている方など対象は問いません)、当日お会いできる事を楽しみにしております。
また、具体的に通塾していたり志望校が決まっている方は、模試の結果と算数のノートを合わせてお持ち頂ければ、より詳細なアドバイスができますので是非ご持参下さい。
安浪 京子 【プレスティージュパートナー代表】
記事テーマ
学力低下、理数離れ、詰め込み教育・・誰もが聞いたことのあるこれらのキーワードは、幼児期における家庭での関わり方によって、影響されずにすむ力をつけることができます。そんなエッセンス ―親子で楽しく思考力・集中力を鍛える方法― について連載していきます。