中学受験専門をお手伝いする仕事に関わって十数年。
仕事柄、出産から約10年経った親御さんから受ける相談は、「うちの子はもの覚えが悪くて」「塾の宿題がこなせないんです」 など、お子さんを嘆く内容がほとんどです。
ただ元気でいてくれればいい――そう思った時がたしかにあったのに、小学校高学年にもなってくるとやはり日々のテストに一喜一憂することに・・。中学受験がきっかけで、親子間に深い溝ができる事もあります。
人は、常に何かを学んで生きています。でも、子どもに何かを「学ばせたい」が、ひいては「勉強させたい」に転換した時、つい国算理社英のような科目をイメージしてしまいがち。
では、「各科目で良い点をとり」「偏差値の高い大学に入れる」ことが、お子さんを出産した時に願った幸せですか?
OECDは学力を『問題解決能力』と定義づけています。長い人生、学校で習わないような難問が沢山降りかかってくるのは既にママ達も経験済み。「算数が役に立った!」と思う機会もあまりなかったのではないでしょうか。
とはいえ、いわゆる「勉強」がいらない、というわけでは決してありません。
きちんとした「学力=問題解決能力」が備わっていれば、勉強は苦痛のタネではなく、頭を使うトレーニングに最適なツールとなります。実際、算数は解答を導くまで様々なアプローチを試すことができる、とても楽しい科目です。
また、真の学力は、家庭内や友達間で問題が生じた時、逃げ出さず、きちんと向き合う力を発揮させてくれます。ハッピーな家庭は家族のことを、ハッピーな人生は関わる人のことを「きちんと考えて」行動することから始まります。
次回からは、お子さんがハッピーに人生を切り開くための学力の身につけ方をお話していきます。
安浪 京子 【プレスティージュパートナー代表】
記事テーマ
学力低下、理数離れ、詰め込み教育・・誰もが聞いたことのあるこれらのキーワードは、幼児期における家庭での関わり方によって、影響されずにすむ力をつけることができます。そんなエッセンス ―親子で楽しく思考力・集中力を鍛える方法― について連載していきます。