数年前、育児情報誌『ままとーん♪』が完成した日のこと。当時、私は編集長を務めながら、家では精一杯よい妻、よい母を演じていました。でも本当は、2人の子どももまだ手がかかる時期で、弱音をはくこともできず、かなり無理をしていたのです。
夕食の食卓で夫にできたての本を見せると、夫は新しい本のページをめくりながら、編集のダメ出しを始めました。私の仕事に期待してくれているからこその、辛口コメントでした。でも、私は突然泣き出してしまったのです!泣き出したら、もう涙は止まりません。子どもたちの心配そうな顔に気づきながらも、「わーんわーん」と、子どものように泣き続けたのでした。
夫も変わりました。帰宅時、「おかえりなさい、おつかれさま」というと、「おつかれさま」と言ってくれるようになったのです。私の気持ちを理解してもらえている…そう思うと、仕事と子育てで疲れていても、力がわいてくる気がしました。
ワーク・ライフ・バランス=仕事と子育ての両立は、マネジメントの工夫で実現できる要素もあるけれど、ママ一人ががんばっているとやっぱり苦しい。家族の中で、気持ちを伝え合うこと、気持ちを分かり合うことが、ママと家族の笑顔のもとなんだなあ、と思いました。
いつも立派なママじゃなくてもいいと思うんです。子どもにとっては、自分のママが世界一なんです。ときには、自分の本当の気持ち、家族に伝えてみませんか?
鷲田 美加 【共育ナビゲーター、つくば市教育委員、保育士】
記事テーマ
「子どもと一緒に、ママ自身も素敵に成長できますように♪」という想いで、共育ナビゲーター・鷲田美加が集めた子育て情報や、子どもの遊び、子どもメニューレシピ、プチ家庭教育講座(親子コミュニケーションのコツ)を連載していきます。ぜひ、みなさんの子育て体験や将来の夢も教えてください。