こんにちは。今回は筑波研究学園都市の最新教育事情をお届けします。茨城県つくば市では、市内の全小中学校で「小中一貫教育」がスタートしました。そこで、つくば市教育委員会の柿沼 宜夫 教育長に現場の様子をお聞きしてみました。
鷲田:小中一貫教育が始まりましたが、現場の様子はいかがですか?
柿沼教育長:小中一貫教育には2つのタイプがあります。昨春開校した春日学園のような施設一体型の学校では小中学校の先生が同居しており、施設分離型の学校ではテレビ会議システムなどを使って先生方が情報を共有化して教育を進めています。共通しているのは、「つくばスタイル科」という新教科です。
鷲田:どんな成果が出ていますか?
柿沼教育長:まず、ICTを活用してのプレゼン力が一段と高まっており、子どもたちの言語活動や表現力に大いに寄与していると思っています。つくばスタイル科では様々な分野の教育(環境、キャリア、国際理解、歴史文化、防災、健康など)を進めています。例えば、小学生と中学生が一緒に授業を受けたり、コラボして発表する中で、子どもたちの中に自分自身を肯定する気持ちが高まり、「自分自身は好きですか?」「自分自身は他から認めてもらっていますか?」という質問でも「はい」という答えが多くなっております。
鷲田:“自分が認めてもらえている”という気持ちは社会に出ていくための大きな力になると感じます。小中一貫教育の中で、そのような力が子どもたちにどんどんついてくれるといいですね。
鷲田:これから先のつくば市の教育環境のビジョンを教育長はどのようにお持ちですか?
柿沼教育長:小中学生がしっかりと自分自身を見つめて、誇りを持って自ら主体的に考え、責任を持って物事が決定できる姿を思い浮かべますと、小中一貫教育が軌道に乗って、さらに進展、進化しているのではないかと思います。現在はまだ施設一体型はひとつしかありませんが、今後近隣にいくつかできれば、お互いが意識して、先生方は学習指導や授業の構築にさらに磨きをかけるのではないかと思っております。
鷲田:これから先のつくばの教育が、楽しみです。
鷲田 美加 【共育ナビゲーター、つくば市教育委員、保育士】
記事テーマ
「子どもと一緒に、ママ自身も素敵に成長できますように♪」という想いで、共育ナビゲーター・鷲田美加が集めた子育て情報や、子どもの遊び、子どもメニューレシピ、プチ家庭教育講座(親子コミュニケーションのコツ)を連載していきます。ぜひ、みなさんの子育て体験や将来の夢も教えてください。