親子関係って、あるときは上下関係。やっぱり私たちは保護者、ですからね。子供をしつけたりサポートするのは親の役目です。
でも、相手が子供だからといって、なんでもかんでも頭ごなしというのはやめたいものです。子供だって1人の人間。子供なりにあちこちにアンテナを張りめぐらし、いろいろ考えて生きてるのですから。
そんなわけで、我が家では、子供に習い事を強制する習慣はありません。私たち親にできるのは、子供が「したいこと」を自分で見つけられるよう、情報を与えること。子供が「したいこと」を見つけたら、それに全力投球できるようサポートすること。そう思っています。
「情報を与える」といっても、大層なことをしているわけではありません。たとえば、私が好きなお菓子作りの話をしたり、社交ダンスのビデオを一緒に見たりしながら、娘の反応を見るくらいです。本人が「これやりたい」と言い出したら、一緒にクッキーやアイスクリーム作りを楽しんだり、一緒にダンスを楽しむ。そんな感じです。
それに、子供は親以外からもたくさん情報を仕入れてきます。親戚や、園の先生や友達との会話、体験の中で、「したい」ことが見つかる場合もあるのです。
娘は今、ピアノとバレエを習っています。どちらも、本人が「したい」と言い出したこと。保育園のお友達がしているという話を聞き、興味を持ったようです。特に、バレエについては「バレリーナになりたい」と、かなり積極的。今年のバレエスクールの発表会では1演目しか出演しない子たちが多いなか、「バレリーナになりたいから、2つ出る!」と張り切っています。
それもこれも、もともと本人が「したいこと」だったから。そして、「したい」という気持ちが盛り上がっているタイミングでスクール通いがスタートしたから。やりはじめてからも無理強いしていないから。私はそう思っています。
そういえば以前、あるピアノの先生がおっしゃっていました。親だけが熱心に習わせようとしても、結局本人は「やらされている」と思うだけ。親が熱心であればあるほど、子供の心はクールダウンしていき、「もうピアノをやめたい」という結果になるそうです。
考えてみたら、私たちも、子供の頃に「勉強しなさい」と言われれば言われるほど、嫌になったもの。「テレビ消しなさい」と言われれば言われるほど、消したくなくなったはず。
これは、当然のことなんですよね。
人間には「リアクタンスの心理」というものがあり、「現状」には反発したくなるもの。つまり「やりなさい」と言われるほど、やりたくなくなるのです。逆に、放っておけば、本人は自然とやる気を出すものです。
子供に習い事を押し付けるのは親のエゴ。子供には子供の「したいこと」があるはず。それをいちばんに考えたいものです。
安藤 房子 【恋愛カウンセラー】
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安藤房子独自のアドバイス型カウンセリング実績は過去に20000件以上。専門分野である色彩心理学や独自のトラウマ理論、食と心理学研究に基づき、育児や家事のノウハウをお伝えしたいと思っています。特に、働くママ必見! 自身の夢をかなえながらのハッピー育児術ならおまかせください。