赤ちゃんが産まれると、周囲の人たちの優しさに触れる機会が増える気がします。たとえば、「赤ちゃんのお世話、手伝いますよ」というご近所さん。「これ、赤ちゃんにどうぞ」とベビー服をくれる友だち。みんな、まるで自分のことのように心配してくれて、愛情をわけてくれるんですね。
ところが、ずっと仕事をしてきた女性って、周囲から無条件の愛情をもらうことがとても苦手。なんだか、さしのべられたものすべてに手を伸ばしてしまうと、「借り」をつくったような気持ちになったりして。
私も、そうでした。
同じマンションの方が「沐浴なら、まかせてくださいね」と言ってくださっても、お願いするのは申し訳なく思ったり。ご飯を作って持ってきてくれると「なにかお返しをしなくては」と焦ったり。道行く人が子育てのヒントをくれても、「余計なお世話だわ」と、不愉快に感じたり。
とにかく、心に余裕がありませんでした。
たぶん、私のように、ずっと仕事をしてきたうえで高齢出産をした女性ほど、そうなのかもしれません。
今までは、ずっと、なんでも、ひとりでこなしてきた。……いいえ。本当は、ひとりでこなしてきたわけではないのだけれど、競争社会で生きているうちに、「ひとりでがんばってきた」という錯覚に陥ってしまっている。だから、誰かが何かをしてくれると、「私は何もしてあげていないのに、こんなにしてもらって」と、心苦しく思ってしまうのかもしれません。
でも、赤ちゃんは、みんなの宝物。あなたの赤ちゃんは、みんなの喜びの源でもあるんです。
あなたに手をさしのべてくれる人がいたら、ちゃんと、愛情をもらってください。それが、手をさしのべてくれた人への、心の示し方。
お返しをするのもいいことですが、もっと大切なのは、自分がしてもらったことで嬉しかったことを記憶しておくこと。そして、いつか、同じような女性に手をさしのべてあげること。
今なら、私も、そう思えます。
「もらう」ことは、悪いことじゃない。「あげたい」人がいて、「もらう」人がいる。ただ、それだけのこと。どうぞ、肩の力を抜いて、たくさん、たくさん、もらってみて。きっと、子育てが、何倍も楽しくなりますよ。
安藤 房子 【恋愛カウンセラー】
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安藤房子独自のアドバイス型カウンセリング実績は過去に20000件以上。専門分野である色彩心理学や独自のトラウマ理論、食と心理学研究に基づき、育児や家事のノウハウをお伝えしたいと思っています。特に、働くママ必見! 自身の夢をかなえながらのハッピー育児術ならおまかせください。