話題の「金環日食」は、西暦5月21日(月)。旧暦では4月1日となります。
旧暦では一、二、三月が春、四、五、六月が夏・・・ですから、この日は旧暦の夏の季節の始まりです。
気候も暑くなって、汗をかきかき「金環日食」を観察する、ってことになりそうです。
「金環日食」ってなに?とお子さんに聞かれた時に困らないように、基礎知識をちょっぴり理解しておきましょう。
「日食」は、月が太陽を隠す現象で、太陽が食べられているように見えることから「食」という言葉を使っているそうです。
太陽、月、地球が一直線に並ぶ「新月」の時に起こります。
月が楕円軌道を描いているため、地球と月の距離はいつも同じではありません。
月が地球に近く、太陽より大きく見える時は太陽が全て見えなくなる「皆既日食」となり、月が地球から遠く、太陽よりも小さく見える時は、月の周りに太陽が光のリングのように見えて、「金環日食」となります。
皆既日食の開始・終了の瞬間が「ダイヤモンドリング」と呼ばれるのに対して、金環日食の輪は「金環」の名の通り「ゴールドリング」と呼ばれます。この美しい金の輪を、是非この目で見てみたいものです。
今回の金環日食は、東京・大阪・名古屋の三大都市圏が金環食帯に入っている上、中心食線(日食帯の中心線)が多数の都市・観光地を通り、真円のリングが国内で観測できます。
このような条件が揃うのは、またとないチャンスなのです。
これを東京で次に見られるのは300年後の2312年になるそうです。
「金環日食」の前に用意するものがあります。
「日食グラス」です。これなしで太陽を直接目で見ると、目を痛めますから必ず使いましょう!
2009年の皆既日食時にはずいぶん前から品切れになってしまいましたので、早めに用意しておくことが大事です。
古代日本の,天の岩戸に隠れたアマテラスを呼び戻す神話は,日食のことを語ったものだとも言われています。
「天の岩戸(あまのいわと)開き」神話
弟のスサノオの乱暴にうんざりした太陽の神「アマテラス」が岩戸に引きこもってしまい、天も地も真っ暗になってしまいました。困った他の神たちは相談し合い、アマテラスをひっぱり出すため岩戸の外でお祭り騒ぎを始めました。「アメノウズメ」もエロティックな動作で踊って、八百万の神々を大笑いさせました。不審に思ったアマテラスが岩戸の中から「何事か」と尋ねると、神たちは「あなたより立派な神が現れたので、お祝いをしている」と答えました。アマテラスが好奇心にかられて外をのぞこうとすると、そこはさすが他の神様の賢いところ、岩戸の外に鏡を用意しておいたので、アマテラスが見たのは自分自身の姿。彼女がびっくりしているすきに無理矢理岩戸から引っぱり出し、世の中に光が戻ったとか。
さて、今回の「金環日食」は日本の、そして自分の「岩戸開き」の象徴かもしれません。
それまでの間に身辺を整理して、しっかり準備して待ちましょう!
小川 千秋 【「つきよみサロン」主宰】
記事テーマ
都会でもできる月のサイクルに沿ったナチュラルで簡単な生活や子育て、ごきげんに生きるための食と身体と心について提案します。また旧暦の行事にまつわるお話や月に関する絵本や音楽や映画の紹介、ナチュラルな簡単なおやつのレシピなど。子供と一緒の日々がもっと楽しくなりますように!