ハッピー・ノート.com

それでもやっぱり離婚となった方へ~共同養育という選択肢③「子どもの問題と親の問題は分けて考えよう」/2020年1月

離婚後の親子関係の悪しき事態

パパ後姿.jpgのサムネール画像

現在の日本は、離婚後は父親か母親どちらか一方のみが親権をとる単独親権制であり、母親が親権をとり母子家庭となって養育を行うケースが大多数となっています(2020年1月現在)。そして、離婚前に夫婦で子どもの養育や子どもとの関わり方についてしっかりと話し合いをせずに終わらせてしまい、また結果として離婚に至るまでの積もり積もった相手への怒りや疎ましさといった負の感情の収束を迎えずに離婚をした場合、高い確率で子どもを相手へ(母子家庭であればパパへ)会わせないという事態が発生しています。しかしながら予期せず親が離婚をしてしまい、急に片親との交流が途絶えてしまうという状況に子どもたちは何を思うでしょうか。物心がついた年齢であれば「どうして?」という疑問を抱き、小学校に上がる前後であれば親の顔色をうかがうようになり「どうして?」と聞きたくても聞けないという状態にいつしかなり自分の感情に蓋をしてしまい、親の離婚で傷ついたまま成長せざるを得ない事態となります。

ママと子どもは別の存在であることの認識を

束縛.jpg

上記のような状況が生まれる原因に、親が子どもを所有化していることがあげられます。具体的には、相手(元夫)への愛情が深ければ深いほどそれが憎しみに変わる場合など「子どもを相手に会わせないことで相手へダメージを与えたい」といったケース、「離婚したのに相手とのつながりを持ちたくない、それは子どもも同じ気持ちである」と自分と子どもの感情を勝手に同一化させてしまうケースなどがあります。そして一番悪いケースは、子どもの「忠誠心葛藤(子どもがママの顔色をみたり気持ちを推し量ったりし、本当はパパに会いたいのに会いたいと言えないような状態)」をコントロールし、「片親疎外(子どもが親権者(同居親)であるママの影響を受けて、正当な理由もなく心とは裏腹にパパを拒絶する状態のこと)」を引き起こすことです。このような状態は、子どもの心のバランスを崩し、情緒不安定や対人関係困難へとつながりかねず、望ましい状態ではありません。

上記のような事態とならないようにママ自身ができることは、自分の感情と子どものことは切り離して考えること、子どもとパパが関係性を継続し築くことを認めること、その関係性をサポートする環境をつくっていくことです。面会交流や養育費の受け取りは子どもの権利であり、片親が制限したり断絶をすることがあっては断じてなりません。

まとめ

今回は、「子どもの問題と親の問題は分けて考えよう」をテーマに、離婚となった場合の子どもと相手方(パパ)との関係性についての考え方をご紹介しました。結婚生活を送る中で、時には離婚の文字が頭をよぎることもあるでしょう。そして離婚という結論を出す場合もあるでしょう。そんな時、自分の負の感情は一度脇へ置き、これからの家族としての関わり方について少し立ち止まって考えてみませんか。全か無かではなく、複数の選択肢がきっとあるはずです。

 

《参考資料》Julie A. Ross+Judy Corcoran (著), 青木聡+小田切紀子(翻訳)『離婚後の共同養育と面会交流実践ガイド』北大路書房./ 共同養育のススメ離れてもずっと親子(一般社団法人りむすび発行)/勇気づけリアル子育てコーチ養成講座テキスト(非売品)

Mama's profile/プロフィール

いわもと くみこ

いわもと くみこ 【離婚カウンセラー/勇気づけ子育てコーチ】

記事テーマ

もしも離婚が頭によぎったら!? 「離婚で子どもを不幸せにしないためにママができること」

3組に1組が離婚をしている現代。日々の暮らしの中で、「離婚」の二文字が頭によぎった時にママたちへ読んでいただきたいコラムです。親の離婚によって子どもを不幸せにしないことを最終着地点として、「離婚が及ぼす子どもへのダメージ」「離婚を決断する前に自分ができる夫婦再構築の対処法」「それでも離婚となった場合の心構え」についてお伝えしていきます。

Vote/この記事に投票しよう

Evaluation/この記事のみんなの評価

lightbulb_outline

なるほどそうか!役に立った

0

favorite_border

わかる!わかる!共感した

0

feedback

この記事へのコメント

0

Comment/この記事にコメントしよう

Archives/いわもと くみこさんの記事一覧

最新記事

記事一覧を見る

注目トピックス

トピックス一覧を見る

Weeklyゴーゴーリサーチ