ひと昔前は子どもたちの習い事の定番だったお習字。
時代の流れもあり、今は”まずはお習字教室に通わせよう!”という高い優先順位にはなかなかならないのが現実ですよね。
しかし、毛筆にはやはり美文字に近づくための要素がたくさん詰まっているのです。
そして意外にも、初めて筆を持つと「面白い!」と子どもたちは楽しんでくれることが多いです。
えんぴつにはない筆の魅力は、なんといっても弾力。
毛の硬さは筆によってもまちまちですが、毛の弾力があるからこそさまざまな表情の字を書くことができます。
まずは子どもたちに、筆を持たせてぽーんぽーんと紙につくだけでもOK。
わざわざ教室に通わなくても、おうちで十分楽しむことができます。
まずは筆の楽しさを知ってもらうところから始めましょう。
字が綺麗になりたいのであれば、えんぴつだけ練習していれば良いのでは?と思う方も多いはず。
しかし、おすすめは毛筆とえんぴつを並行してやっていくことです。
それはなぜか。
まずは、毛筆の方が字の形を捉えて脳に美しい字を焼きつける効果があるから。
筆で書いていると、普段読み書きするよりも大きな字を、一画一画お手本をよく見ながら神経を使って書いていきますよね。
この作業によって、字のバランスを捉える力、美しい文字を見分ける力がついていきます。
もうひとつ大事なことは、字を書くときの”リズム”が身につくということ。
このリズム、美しい字を書いていく上で非常に大切なことなのです。
字というのは、1本ずつバラバラの線で書いた場合と、画から画へのつながりを意識してリズムよく書いた場合では、後者の方が断然上手く見える効果があります。
リズムを意識しないで書くと、平坦で抑揚のない字になってしまうのです。
筆で書いていると、1本の線を書くだけでも「トン、スー、トン」といったリズムを意識して書いていくため、書くときのリズムが自然と身についていくのです。
えんぴつで書いた場合も、このリズムを使って書くことで急いで書いた時でも明らかに見栄えの良い字を書くことができます。
これらの力を毛筆で身につけた上で、えんぴつやペンなどの普段使う筆記具で練習していくことで、本当の美文字へと近づくことができるのです。
平野 萌 【書道講師・書家】
記事テーマ
自分が字で大変な思いをしてきた分、子どもにそんな思いはしてほしくない・・・でも、就学してからゆっくり字の練習をさせる時間なんてとれる?実は、字がうまくなる子となかなかならない子の違いは0歳のときから始まっているのです。0〜6歳のママ必見♪おうちで子どもと一緒に楽しみながら遊ぶだけで、将来子どもが字で困らなくなるような情報をお届けします!