子どもの答案用紙を見て、字が汚い! そんな思いをしたことのある親御さんも多いのではないでしょうか。
字がきれいだと、頭も良いのでは? そんなプラスの印象を与えることもできる字。
果たして、字のきれいさと頭の良さにはどんな関係があるのでしょうか。
頭の回転が速い子のノートは字が雑でとても読めたものではない!という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
なぜこのようなことが起こるかというと、まずは頭の回転の速さに書くスピードが追いついていかないことが1つ。
どんどんと数式や回答が頭の中に浮かんできて脳を整理しながら殴り書きをしていくので、自分でしか解読できないような字になります。
もう1つは、”きれいに書く”ということにそれほど重点を置いていないから。
きれいに書く気がなけれは、字が汚くなるのは当然ですよね。
このような子に、ゆっくり丁寧に書きなさい!と言ってもますますやる気がなくなっていくだけ。
テストの時に、正解しているのに不正解にされてしまうほど読めない字では元も子もないですが、そうでない場合はある程度目をつむることも必要かなと思います。
男女でくくるわけではないですが、この傾向は脳の作り的にも男の子の方が多いと言われています。
そうはいっても、必要な時くらいはきれいに書いてほしいと思うのが親心。
一体どうすれば良いのでしょうか。
まず、字が汚い子には大きく2パターンあります。
きれいに書こうとしても書けない子と、やる気を出して丁寧に書けばきれいに書ける子です。
全体的に、字が雑だけれども成績の良い子の多くは後者のパターンだと思います。
「字が上手な子どもができている3つのコト」の記事にもあるように、字をきれいに書くにはまず「手指を上手にコントロールできること」が必要です。
ではこれが賢さにどう影響しているのでしょうか?
まず、手指を上手にコントロールする=手先が器用ということは、脳の発達に大きく影響しています。
知育トレーニングでも指先を使ったものが多くあるように、指先を使うほど脳は発達していきます。
そのため、今までの記事でも紹介してきたような年齢別の手指を使ったあそびがとても重要になってくるのです。
つまり、手先が器用に使える子は脳が十分に発達しているという証拠なので、勉強ができる子=字も上手に書けるという関係が成り立ちやすいのです。
では一体、雑に書いてしまう子にはどんな働きかけをしたら良いのでしょうか。
小さい頃は、今までの記事でも紹介してきたあそびやお手伝いをたくさんさせてあげましょう。
それを踏まえた上で、お絵かきをする時期になったらとにかくたくさんお絵かきをさせてあげます。
正しい持ち方は徐々にで大丈夫です。
アンパンマンを描いてあげて、隣に同じように描いてもらうなど、親子で楽しく色々な形を描いていきましょう。
字を覚えてきたら、大きめにコピーしてなぞり書きをしてもらうのも有効です。
えんぴつを持てるくらいまで手指の筋肉が発達してきたら、正しい持ち方を指摘するのも忘れずに。(言い過ぎは禁物です)
よく毛筆もやった方が良いですか?という質問をいただきますが、私個人的な意見としてはやった方がいいと思っています。
それは、筆を使って大きな字のお手本をよく見ながら神経を集中させて書くことは、えんぴつの時よりも字の形を覚えていくことに有効だからです。
毛筆で美しい字のイメージを脳に焼きつけていき、実際の筆記具であるえんぴつで手指のコントロールを練習をするという流れが、えんぴつのみ練習するよりもより効果的ではないかと思います。
ぜひ、書くことが嫌いにならない程度に楽しくトレーニングを繰り返していきましょう。
平野 萌 【書道講師・書家】
記事テーマ
自分が字で大変な思いをしてきた分、子どもにそんな思いはしてほしくない・・・でも、就学してからゆっくり字の練習をさせる時間なんてとれる?実は、字がうまくなる子となかなかならない子の違いは0歳のときから始まっているのです。0〜6歳のママ必見♪おうちで子どもと一緒に楽しみながら遊ぶだけで、将来子どもが字で困らなくなるような情報をお届けします!