書店に行くと、なぞりながら練習をするひらがな帳や、絵の上の点線をなぞる練習帳などさまざまなものがありますよね。
しかし、点線の上をなぞる、線と線の間をえんぴつで進んでいくというワークをさせたときに、なぜかはみ出して書いてしまう子も多いかと思います。
その原因は、「手と目を協調させる」力が弱いため。
「字が上手な子どもができている3つのコト」の記事でもお伝えしたように、字を上手に書いていく上で大切なことのひとつにこの「手と目を協調させる」という力があります。
この力が強い子は、お手本の字を見て目で情報を得て、それを見たまま手を使って書いていくという一連の流れができるため上手な字を書いていくことができるのです。
他にも、書いてある形に沿ってはさみで切っていく、マスの中に収まるように文字を書く、お箸を上手に使う、そんな日常の行為もこの「手と目を協調させる」力が大きく関係しています。
今回はそんな大切な力を発達させるための、0歳からできる遊びを紹介していきます。
まずは赤ちゃんの「目」を鍛えてあげましょう。
みなさんご存知のように、生まれたばかりの赤ちゃんはあまり目が見えていない状態。
それが生後1ヵ月くらいになると0.05くらいの視力になり、目の前20〜30cmくらいのものが見えるようになってきます。
だんだんと目の前のおもちゃを目で追うようになる姿はとても可愛いですよね。
1日中真っ白な天井を眺めているだけでは赤ちゃんも退屈なはず・・・
ぜひ、可愛らしいおもちゃを準備して目で追う練習をさせてみましょう。
赤ちゃんの目から30cmほどの位置に赤などカラフルなおもちゃを持ってきて、近づけたり遠ざけたり、左右にゆっくりと動かしたりしてみましょう。
このときスピードが速すぎては見失ってしまうので、赤ちゃんの様子を見ながらゆっくりと動かしてあげましょう。
また、ベビーベッドにとりつけるタイプなどのメリーはずっと一定の動きしかしないため、風の方向によって動きが変わるモビールなどの方が良いとも言われています。
つきっきりでおもちゃを動かすことができないときにはこういうものに頼るのも良いですよね。
最後は、ぽとんと穴にビー玉などを落とす遊び。
0歳の場合はまだビー玉だと小さすぎる可能性が高いので、代わりにペットボトルの蓋などを2つテープでくっつけてボールのようにしたものでも使えます。
児童館のような場所で手作りおもちゃとして見たことがある方も多いかもしれません。
落として入れる方の容器は、100円均一などのタッパーでOK。
上に、ちょうどペットボトルの蓋やビー玉が入るくらいの穴を開けるだけで完成です。
誤ってビー玉を飲み込まないように、きちんと大人が見ているところで遊ばせてあげましょう。
つまむことで指先を使い、狙った穴に入れることで手と目を協調させる訓練にもなります。
今回ご紹介した遊びは、日常の中で何気なく赤ちゃんに対して行っていたという方も多いはず。
そんな何気ない遊びがのちのちの字の綺麗さに大きく関わっていくなんて不思議ですよね。
楽しみながらおうちで実践してみてください。
平野 萌 【書道講師・書家】
記事テーマ
自分が字で大変な思いをしてきた分、子どもにそんな思いはしてほしくない・・・でも、就学してからゆっくり字の練習をさせる時間なんてとれる?実は、字がうまくなる子となかなかならない子の違いは0歳のときから始まっているのです。0〜6歳のママ必見♪おうちで子どもと一緒に楽しみながら遊ぶだけで、将来子どもが字で困らなくなるような情報をお届けします!