普段手に取ることの多いかつおぶしは削ってあるものが多いですが、本来のかつおぶしは生のカツオをいくつもの加工・カビ付けなどを丁寧に行い約4~6ヵ月かけて水分をとばして作られた、とっても堅いもので、本節(ほんぶし)と呼ばれています。
1本の生カツオからできる本節は4本。加工時に3枚におろして更に半分にカットし、本節の原形ができますが、カツオのお腹側部分を雌節(腹節)、背の部分を雄節(背節)と呼ばれています。また、小型のカツオは背と腹部分を分けずに3枚おろしのままの形で本節が作られ、亀節と呼ばれています。
かつおぶしは雄節、雌節と呼ばれているように、二つは元々一つだったので合わせると夫婦一対です。この二つを合わせたものを亀の甲羅に見立てて、夫婦円満を願う結婚式の引き出物に使われるようになったそうです。また、かつおぶしは語呂合わせで「勝男武士」ともなるので、これまた縁起がよく、昔からおめでたい席で使われることが多いのです。
本節そのものは皆香りが高いのも特徴ですが、実はそれぞれに個性がありお料理で使い分けることで微妙な違いが生まれます。雌節は雄節に比べ脂肪が多く、ふっくらとした形でコクのある味わいで、煮物などを作るのに向いています。一方、雄節はほっそりとしていて上品な味わいなので、お吸い物など、お出汁を前面に生かしたお料理などに向いています。亀節は脂肪が少なくすっきりした味わいなのが特徴です。なかなか本節を比べることは少ないかと思いますが、本節を使い分けられたらお料理上級者。料亭の味に一歩近づくコツですよ。
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鈴木 元美 【にんべんだしアンバサダー(講師部)】
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お子様が生まれ、離乳食が始まる時期になると食を気にされるご家庭が多いかと思います。お子様の食事を大切に考える、ということはご家族の食も見つめなおすチャンスです、効率よく簡単に、楽しく身体に良い「おだし」を取り入れるメリットをいろんなシーンや角度からご紹介させていただきます。