もうすぐ春休みですね。いつもより子どもと過ごす時間が多くなる長期休み。家で一緒にいる時間も増えると思いますが、お母さんが家事をする量はいつもと同じ(むしろ増えるでしょうか)。という事は、お母さんが家事をしている間、テレビなどをつけているご家庭も多くなると思います。また、車でおでかけの際に映像を見ているご家庭も多いでしょう。視覚・聴覚の両方から情報が入ってくる映像は、上手につきあえば成長を促してくれる、とても便利な道具です。しかし、もしも聴く力を育てたいのであれば、たまには映像を見る事をお休みさせてみてはいかがでしょうか?
子どもの場合、普段家で音楽を聴く、と言えば、音楽と映像がセットになっている事が多いと思いますが、音楽だけを聴かせてあげるのは、耳の力を養うのにとても効果的です。視覚から情報が入ってこない分耳ですべてを感じ取ろうとする為、自分の中のありったけの力を耳に集中させる事になります。
童謡など子ども向けのものを流してあげるのもよいのですが、色んなジャンルの歌を聞かせてあげる事もおススメです。子ども向けの歌というのは、子どもが歌いやすいような音域で作られていることが多く、元気いっぱいの声で歌う歌が圧倒的に多いです。しかし、世の中には音域が低い歌、高い歌、ささやくように歌う歌、など色んな歌が存在します。幼児はまねっこ(模倣)が大好きです。聴いているうちに、大人でも難しいな、と思える歌でもまねっこして歌いだすようになるでしょう。聴いているのと同じように歌うにはどうやって歌えばいいのか、自分の中で考え、自分なりに表現していきます。完璧に歌えなくてもいいのです。そういう音楽が存在する、聴く経験をした事がある、というだけでもいつか役に立つ時がくるでしょう。
例えば、園で歌を歌う時、高い音域の部分はどうしてもがなるような歌声になってしまう場合が多いです。しかし、裏声が使えると、とてもきれいな声で歌う事ができます。今までに高くて綺麗な歌声の音楽を聴き、まねっこした経験のある子は、綺麗に歌う方法を知っています。たとえ、裏声が使えなくても、自然に自分なりに綺麗な声を出そうとします。そういう歌い方をする歌が存在する、と知っている子と知らない子では歌い方が違ってくるのです。
今回は、聴く事に集中する環境を作る方法、として映像なしで歌を聴く事をおすすめしましたが、決して映像を否定しているわけではありません。映像と音楽がセットになる事のメリットもたくさんありますし、そちらでしか得られないものもたくさんあります。音楽とは、その字の通り、音を楽しむことです。音の楽しみ方は自由です。その時の状況に応じて、色んな方法で、色んな音楽を楽しめたらいいですね。
筒井 奈津子 【音楽教室講師・リボンワークサロン講師】
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愛しい子どもとの時間。同じような毎日の繰り返しではもったいない!現在、音楽教室の講師として日々レッスンをしていますが、その中でもお家で簡単に真似して頂けそうな音楽遊びなどをご紹介していきたいと思います。いつもの遊びに少しプラスして、昨日とは違うお子様との時間、そして音楽のある生活を楽しんでください。