こちらのコラムではもう何回も取り上げていますが、リトミックには、音楽が聴こえてきたら身体を動かし、音楽がとまれば体の動きも止める、という遊びがあります。どこのリトミック教室でも毎回のレッスンで行われているはずです。
この遊びは、一見単純な遊びに思えますが、実はたくさんの目的をもったとても重要な遊びなのです。
まず、音楽が流れている、音楽が止まる、という事を認識し、音楽と身体の動きをシンクロさせるという事。
これによって、音楽というものを身体全体で感じる事ができるようになります。
また、この遊びを繰り返すことによって、集中力が身に付きます。この遊びをするためには、音楽をしっかり聴いていないといけませんので、知らず知らずのうちに集中するようになり、集中力が養われていきます。
そして大切なのは、音楽が止まれば身体も止めるという事です。止めるという行為は、そこに必ず意思が存在します。身体が勝手に止まるわけではなく、脳から身体に、動きを止める、という命令が発せられ、初めて身体は止まります。
動きを止めるためには、自分の気持ちを抑制する事が必要です。自制心とも言います。
子どもは2歳前後でイヤイヤ期が訪れると言われています。自我の芽生えでもあります。しかし、世の中は全てが自分の思い通りになるわけではなく、順番を守る、危ない事はしない、などいずれ自我を抑えなければいけない場面に遭遇します。そんな時に自分で自分を抑える力がなければ、お友だちに嫌な思いをさせてしまったり、事故や怪我など危ない目にあうかもしれませんね。
リトミックで身体の動きを止める、という遊びをしっかり経験していると、自制心が鍛えられます。そういったトラブルに遭う可能性を減らしてあげる事ができるでしょう。
筒井 奈津子 【音楽教室講師・リボンワークサロン講師】
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愛しい子どもとの時間。同じような毎日の繰り返しではもったいない!現在、音楽教室の講師として日々レッスンをしていますが、その中でもお家で簡単に真似して頂けそうな音楽遊びなどをご紹介していきたいと思います。いつもの遊びに少しプラスして、昨日とは違うお子様との時間、そして音楽のある生活を楽しんでください。