この時期によく聞かれるお子様のお悩みがこちら。
幼稚園・保育園にある水道で手を洗えなかった。
どういうことかおわかりになりますか?
最近の家庭にある水道はほとんどがレバータイプ・自動タイプのものですが、園にある水道は昔ながらの蛇口をひねるタイプのものが多く、最近の子どもは普段の生活では手で物を握ったり、手首を回したり、という状況が少ないため、力が弱くて蛇口を捻る事が出来ないというのです。
昔は、生活の中で手首を使う機会がたくさんありました。手を洗うたびに水道の蛇口を捻ったり、ドアノブを回したりする事で、一日何回も物を握り、手首を回し、自然と握力・手首の柔軟性がしっかりついていたものです。
しかし、生活が便利になった今は、手をかざすだけで、ボタンを押すだけで、色んな事ができてしまいます。生活しやすくなった事はいい事ですが、子どもの握力は年々低下しています。
握力・手首の柔軟性がないとどんなことがおきるでしょうか?
まず、手をつく、という行動を起こす時に、その力が弱いと、自分の身体を支える事ができません。
その為、何かに躓いて転んでしまった時に、手をついて支える事ができず、大きな怪我に繋がってしまう事があります。
また、運動をする際にも握力、手首の柔軟さというのは非常に大切なポイントであるため、運動全般が苦手になってしまう可能性もあります。
手をたくさん使う手遊びは、握力をつけ、手首の柔軟性を高めるのにとても効果的な遊びです。幼い子どもはみんな、お母さんの真似をしたがるものです。お母さんの優しい声で歌を歌いながら手遊びを見せてあげれば、見様見真似で真似っこをしてくれるでしょう。
楽しみながら、握力・手首の柔軟性を身につける事ができます。
一番簡単にできる遊びは、グッパーの手遊びです。
『グーッ』と言いながら手をグーにし、『パッ』と言って手をパーに開きます。これを何回か繰り返し行います。
たったそれだけの簡単なものですので、年齢が低くても遊びやすいです。
手をパーに開く前は、あえて少し間をとってあげると、予測力・想像力も同時に養う事ができますし、期待する楽しさを感じる事もできます。
また、手がよく動くようになると、手を洗う、服を着る・脱ぐ、などの生活習慣に興味を持ち、自分でやりたい、という意思が芽生えるきっかけにもなります。
是非、おうちでの遊びに取り入れてみてくださいね。
教室では、手首を使う遊びをたくさん取り入れています。
筒井 奈津子 【音楽教室講師・リボンワークサロン講師】
記事テーマ
愛しい子どもとの時間。同じような毎日の繰り返しではもったいない!現在、音楽教室の講師として日々レッスンをしていますが、その中でもお家で簡単に真似して頂けそうな音楽遊びなどをご紹介していきたいと思います。いつもの遊びに少しプラスして、昨日とは違うお子様との時間、そして音楽のある生活を楽しんでください。