今回は具体的な字のコツから少し離れて、親子でもおうちで書道を気軽に楽しめる方法、またお子さまが将来字がきれいに書けるようになるために大切なポイントをお伝えしていきます。
まだ就学前の小さなお子さまをお持ちの方が多いと思いますが、「書く」って楽しい!好き!そう思ってもらえることが将来美しい字を書けるようになることへの第一歩。
練習させないと!ではなく、まずは書く(描く)ことへの興味を持ってもらうという意識で、楽しみながらやってみてください。
書道教室で教えていると、子どもたちは意外にも”筆”で書くことにとても興味を持ってくれます。
はじめはえんぴつ中心で・・・と始めたお子さまも、ちょっとやってみる?と言って筆を握らせると、その感覚が楽しいようで毛筆を毎回練習するように。
毛筆は、筆を使って大きな文字を一画一画集中しながら書いていくので、えんぴつで書くよりも字形を習得する力を養っていくことにとても効果的です。
もちろん小さなお子さまはまだ字を練習するとまではいきませんが、この筆の感覚はぜひ味わってもらいたいもの。
でも、さすがに家の中で墨汁を使って書かせるのはかなりの勇気がいりますよね。
そこで便利なのが「水書き書道」というもの。
筆に水をつけて書いてみると、まるで墨汁で書いたかのような色に。もちろん水しか使っていないので服や机が汚れる心配はありません。
書いた文字は時間が経つと消えていき、何度でも書くことができます。
お子さまが筆の感覚を楽しむのはもちろん、大人の練習にも最適。これなら親子で気軽に書道が楽しめますね。
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親御さんの要望で多いのが、えんぴつを正しく持てるようになってほしいというもの。
ペンの持ち方を大人になってから直すのが難しいことは、みなさんも非常によく痛感しているかと思います。
変な持ち方の癖がついてしまう前に正しく持てるようになるのが1番なのですが、実は早すぎてもよくないことも。
えんぴつを持つには必要とされる筋肉というのがあり、これがまだ発達していない幼児期に無理に細いえんぴつを持たせようとすると、とても疲れてしまい書くのが嫌になってしまいます。
ここで大事になってくるのが実は乳幼児期。
つまんだり、つかんだり・・・そんな手指をよく使う遊びを乳幼児期のうちにたくさんしておくことが、えんぴつを自由自在に持てるようになるには非常に大切なことなのです。
このことはえんぴつだけではなくお箸をもったり工作をしたり、手の器用さ全般に関わってきます。
まずは今の乳幼児期のうちに、手指を使う遊びをたくさんさせてあげましょう。
そしてはじめは、握りやすいように太めのクレヨンなどでお絵かきを。
上手に持てるようになってきたら徐々に普通の太さのえんぴつへと変えていきます。
お子さまの手指の成長をよく見ながら、楽しんでかくことを体感させてあげてください。
”書道”と聞くと、正座で静かに・・・そんなイメージをお持ちの方も多いかと思います。
でも、親子で筆の感覚を楽しみながら好きな文字を書いたり、ときには絵を描いてみたり。
気になった漢字を成り立ちから調べてみて書いてみたり。
字を覚えて美文字に近づきながら、一緒に楽しんで学んでいくことができます。
まだ字が書けないうちも、今回ご紹介したようにできることはたくさん!
いつか一緒に書道を趣味にできる日がくるように、ぜひ水書き書道や手指運動を普段の遊びに取り入れてみてください。
平野 萌 【書道講師・書道家】
記事テーマ
結婚後、出産後、独身時代よりも字を書く機会が増えてきた気がしませんか?子どもが幼稚園や小学校に通い始めると、その機会はまたグッと増えると思います。そんな時に、「字がきれいだったらいいのに…」と困らないためにも、今からが練習を始める絶好のチャンス!忙しい育児の中でも簡単に美文字に近づけるような情報をお届けします。