猛暑も過ぎ去り、いよいよ運動会シーズンとなりました。
絶対に残したい晴れ舞台でありながら、自分の子を見つけるのも一苦労…。運動会は、子ども撮影の最難関と言ってもいいでしょう。毎年悩みながら撮っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、二人の子どもの運動会を毎年撮ってきたなかでたどり着いた、「親が撮る記録」としての運動会撮影のコツをご紹介します。
天候の変化など、なって見ないと分からないことが多い運動会。各園や学校によって場所取りのルールも様々で、いい位置から我が子を撮影できるかは運次第。
そんな運動会で、わたしがオススメするのは、「動画で撮影すること」です。
運動会の素敵な写真といえば、笑顔でゴールテープを切る写真のような、躍動感溢れる写真かと思います。しかし、このような写真はそうそう撮れるものではありません。最前列のゴール前で粘っていたとしても、100人撮って、1枚あったらラッキーというレベル。短距離では大勢の子が一斉にゴールに入るため、別の子どもでその瞬間が隠されてしまうことも多くあります。
また、集団競技では、一番いい位置に子どもが来たときに、そもそも顔がこちらを向いていない、帽子で顔がよく見えない、ということも。
このような場合、写真だとイマイチなものになってしまいますが、動画であれば、音や前後の動きがあるため、顔がほとんど見えなかったとしても様子が伝わりますし、一瞬の表情も逃さずに残すことができます。
競技中の写真も、動画から切り出せばいいので、心配は無用です。
では、動画を撮ることを前提に持っていくなら、どんなカメラがいいのでしょうか。ビデオカメラをもし持っているなら、ビデオカメラでOK。長時間撮影も高倍率ズームも思いのままです。
でも、ビデオカメラを持っていなくても大丈夫。最近はどのデジカメでも動画を撮影することができます。ただ、専用でない場合は、以下の点を心に留めておきましょう。
・長時間続けて撮影できない
・途中でバッテリーがなくなることがある
・カメラ用のSDカード(等)では容量が足りないことがある
静止画用のカメラやスマートフォンは、カメラを起動し続けると本体が熱くなり、撮影ができない状態になることがあります。また、そうならなくても基本的に、静止画用のカメラの連続撮影は仕様で30分。バッテリーも動画撮影の場合、満充電でも撮影可能時間は1時間に満たないことも。
熱暴走もバッテリー切れも、一度なってしまうとすぐに復活、とはいきません。うちの子の出番までに練習も兼ねて、と友だちを撮りまくってたら、肝心の瞬間に撮れない…なんてことが、我が家でも一度ありましたので要注意。
データ容量も、動画は写真と比べてたくさん使うため、普段のカードでは足りないことも。記録サイズにもよりますが、だいたい1時間あたり8GB程度は必要になります。
できれば予備バッテリーやモバイルバッテリーなどを準備し、お友だちの撮影はシェアもしやすいスマホにするなど、使い分けるのがオススメです。
徒競走や集団競技のハイライトは動画にお任せして、写真では当日のことを思い出すフックになるようなシーンを撮影してみましょう。
・頑張って作ったおべんとう
・応援している家族の様子
・応援席で他の子を応援している様子
・雰囲気が伝わる全体の風景
・見に来てくれたおじいちゃんおばあちゃんやお友だち
・当日の進行がわかるプログラム
・登校前や帰宅後の様子 etc...
これはToDoリストではなく、ひとつの例です。
運動会でキレイなビジュアルや笑顔の写真を撮るなら競技じゃない瞬間が狙い目。競技中は豆粒で顔が見えなくても、合わせて残すことで、イメージを広げることができます。
写真も動画は「思い出」そのものではありません。視覚、聴覚だけでなく、記憶には触覚、味覚、嗅覚など五感すべてが働いて刻まれています。写真は思い出を蘇らせるための、記憶に挟む「しおり」のようなもの。
写真や動画は、思い出を美しく残してくれる一方、その思い出となる瞬間を「視覚や聴覚」に集中させて、その他の感覚を鈍らせてしまうというデメリットも持っています。
生で見る喜びは、その瞬間にしか味わえない「思い出」そのもの。子どもにとっても、競技中には顔を見せて目線を合わせることの方が、写真よりうれしいかもしれません。
もし、学校や園がプロのカメラマンを入れて撮影をしているのであれば、競技の撮影はそちらにお任せして、自分は応援に集中するのも価値のあるひとつの選択です。
学年が違うお友だちがいたら、お互いの子を撮りあうのもいいですよね。スマホなら簡単に送れますし、失敗しても恨みっこなしの約束なら気軽ですよね。
一年に一度の晴れ舞台、楽しい運動会をお過ごしください。どうか、お天気になりますように♪
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高橋 ユカコ 【フォトグラファー】
記事テーマ
写真は記憶を彩る魔法のツール。どんなに大変な子育て時代もかわいい写真にすれば、眩しい思い出に変わります。一見難しそうなカメラの使い方ですが、写真の法則はとってもシンプル!スマホでも一眼でも変わりません。プロの現場や子育ての実体験に基づく、シンプルなセオリーから月齢に合わせた簡単なコツまで、とっておきの写真の撮り方をお届けします。