暑さより涼しさが目立ち、また公園遊びやお散歩が楽しめる季節になってきました。
おでかけ先の初めての場所ではない、日常エリアでのスマホ写真は、なんとなく単調になってしまいがち。あえて同じ雰囲気で撮り続ける「定点観測」的な撮り方も後から見るとおもしろいですが、撮っているときは、同じような写真ばかりだと、飽きてきてしまうもの。
今日は、スマホでも簡単に写真のバリエーションを増やせる、4つのテクニックをご紹介します。
まず、試してみたいのが、撮りたいものからの「距離」を変えてみること。
下の写真は、よくある公園のどうぶつオブジェをどんどん近づきながら、撮ってみた例です。さっそく比較してみましょう。
・1枚目:公園の中にポツンと置かれている小ささや、かわいらしい「雰囲気」
・2枚目:卵のようなオブジェの「かたち」
・3枚目:ザラザラした表面にペイントされていることがわかるオブジェの「質感」
と、距離によって、写真から伝わる情報が変わってきますね。自分が受けた印象、伝えたい情報に自然と目がいくような距離感を選ぶのがポイントです。
次は、「高さ」を変えてみましょう。
スマホが持ちやすい自分の目線の高さより、思いっきり高くしたり、地面ギリギリまで下げて低くしたり。
真上からの構図は、普段とは全く違った感情をとりのぞいた雰囲気の、いわゆる「ママ目線」ではない写真が作りやすく、地面ギリギリからの構図は、普段目につかないものが入り込むことで、新鮮な絵作りができます。
カメラを上げれば上げるほど、背景には地面しか入らなくなるので、背景のごちゃつきは軽減。
背景が砂地のみの真上からの写真は、サイズ感も消えるので、「これはなんでしょう?」というクイズになりそうなほど。
逆に下からの構図だと、表情が見えやすく、子供が普段見ている視線に近づくので、臨場感のある写真に。この写真では、手前の草が入ることで、遠近感も生まれています。
距離や高さだけでなく、撮りたいものの、真横や斜め横など、横からの角度をつけて撮ることも、写真の印象を変える大きなポイント。
ここで注目したいのは、同じ横向きであっても、どちら側から撮るかで背景が変わること。背景が違うと、それだけでまるで別の公園のようですよね。
遊具に向かって左側からは、遊具がいっぱいで賑やかな雰囲気、右からはすっきりとした背景で落ち着いた雰囲気が演出できそうです。
斜め上からの写真は、最も立体的でわかりやすく撮れる定番の角度。記録に残しておきたいものなど、状況や物の特徴を正確に伝えたいときは、一枚撮っておきたいアングルです。
こうした印象の差を踏まえて、子どもを一緒に写すときは、声をかける前に、あらかじめ背景にする向きを決めておくといいですね。
絵作りに変化を与えるのは、カメラと被写体の位置関係だけではありません。
シンプルな背景に、小道具を足せば、新しい風景を作り出すことも可能。
例では、公園に落ちていたススキを、左手に持ち、前にかざしてみました。この記事のトップの写真の手前のボケも同じときに撮影したものです。
どんぐりや松ぼっくりなど、自然の贈り物がいっぱいの秋。その場にあるものを活用すれば、季節感も伝えられます。小道具を主役として使うのか、あくまで雰囲気作りに使うのかでも、仕上がりはだいぶ変わりますね。
ほかにも、スマホの画面の形を生かした縦位置で画面いっぱいに撮ってみたり、画面の端に寄せてみたり。
「距離」「高さ」「横からの位置」を基本に、構図でバリエーションはさらに広がります。トリミングまで考慮に入れたら、まさに無限大! 同じ場所でも果てしなく多くの絵作りができるのです。
子どもを撮るときは、どうしても子どもをちゃんと画面に入れたり、カメラを見てもらうことに必死で、自然と「カメラを取り出したときにいた位置」からの写真になりやすいですが、目線なしや子どもが画面に収まりきっていない写真も、バリエーションのひとつ。
余裕があるときは、スタート地点から一度リセット。思い切って自由に動いてみましょう。
カメラを通して出会う、日常にあたらしい発見とワクワクの瞬間はそれ自体が「思い出」という宝物。是非お子さんと一緒に探してみてくださいね♪
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高橋 ユカコ 【フォトグラファー】
記事テーマ
写真は記憶を彩る魔法のツール。どんなに大変な子育て時代もかわいい写真にすれば、眩しい思い出に変わります。一見難しそうなカメラの使い方ですが、写真の法則はとってもシンプル!スマホでも一眼でも変わりません。プロの現場や子育ての実体験に基づく、シンプルなセオリーから月齢に合わせた簡単なコツまで、とっておきの写真の撮り方をお届けします。