日差しが強い屋外や、室内で過ごすことが多い夏は、明るさの差が激しすぎたり、逆に平坦すぎたり、写真の光の扱いが難しい季節(光の扱いについては過去の記事をご参照ください)。撮りっぱなしの写真では、何かいまいち、と感じることも多いのではないでしょうか。
このようなときは、アプリでちょっと補正ができるととても便利です。
アプリにはたくさんのツールがありますが、なかでもオススメなのが、「トーンカーブ」。明るさとコントラストを別々のツールで調整するよりもシンプルな操作で丁寧に仕上げることができる最強のツールです。
今回は、簡単にプロと同じ方法で補正ができる「SnapSeed」というアプリでの画面を例に、サクッと画像を補正する方法をご紹介します。
トーンカーブの使い方で、最もシンプルなのが、斜めのラインの真ん中を上に持ち上げることです。
トーンカーブでは、図の右側が画像の明るい部分のデータ、中央が中間の部分、左側が暗い部分のデータの状態を表しています。最初は右上がりの斜めの直線ですが、この直線を動かすことで、画像の明るい部分、中間部、暗い部分の明るさをそれぞれ調整することができます。
ラインを上側に近づければ明るく、下側に寄せると暗くなります。
ラインの真ん中を上に持ち上げるということは、中間くらいの明るさのデータを、今よりも明るくする、ということです。
ちなみに、逆に真ん中を下げると、中間部を中心に今よりも暗くできます。
明るさの調整は、バーを左右に動かすだけで変えられるツールもありますが、トーンカーブのほうがより繊細な調整ができるのが特徴です。
中間部を明るくするといっても、その周辺の中間より明るいところ、暗いところもつながって一緒に弧を描くようにつながって調整がかかることを、見た目で確認できるので、より自然に無理のない補正ができます。
トーンカーブ機能では、タップした場所に点が打たれ、点ごとに細かくラインの位置を上げ下げして部分的に明るさを調整することができます。
基本的に画像に合わせて点の位置や数を自由に決めればよいのですが、「コントラスト」というツールで行われるのと同じ調整ができる基本形を2つ覚えておくと便利です。
一つ目は、3つの点を打って、直線をS字カーブ状にする形。明るさの差を大きくする、つまりコントラストを上げるフォルムです。
S字にすることで、画像の明るい部分を上にあげてより明るくしつつ、暗い部分をより暗くして、明るさの幅を広げています。
コントラストだけを変えるツールと違い、明るい部分はあまり明るくしたくないけど、暗い部分はより暗くしたり、中間の部分を上げて明るくしつつ、全体としては明るさの幅を広げる、みたいな二つの処理も一度に行うことができることがメリットです。
明るい部分をより明るく、暗い部分をより暗くするS字カーブが明るさの差を広げるのとは反対に、明るい部分を下げ、暗い部分を上げる逆S字型は、コントラストを下げる、つまり明るさの幅を抑えることができます。
こちらは背景が明るすぎたり、真夏の強い日差しで濃い影が見られるような、明るさの差が激しい場合に有効です。
ただ、コントラストが低い画像は、見た目の印象が弱くなりがち。気を付けて調整しないと、モヤがかかったような眠たい雰囲気になってしまいます。
このような場合、普通の「コントラスト」ツールでは難しいのですが、トーンカーブでは明るい部分と暗い部分を別々に調整できるので、より丁寧に雰囲気を調整することができます。
背景が明るすぎるなら、明るい部分を少し暗くしても、暗い部分は明るさはほとんどそのままにしたり、強い日差しで影が濃すぎるなら、逆に暗い部分だけを明るくして、明るい部分はあまり動かさずにとどめるなど、画像に合わせてできる微調整を楽しみましょう。
今回の見本の画像は、上のようなラインで行いました。「まんなか上げ」をした後、一緒に持ち上がりすぎた明るい部分を少し抑え、顔の影などが濃くなりすぎないように、暗い部分をほんの少し上げて、その後にフィルタなどかけたときに派手になりすぎないように、フラットな雰囲気にしました。
その後、トリミングをし、フィルタを弱くかけてほんのり少しだけ色合いを変えています。
仕上がりの雰囲気は好みなので、これが正解!というものはありませんが、自分のイメージする仕上がりが作れるようになると、撮影をもっと楽に、さらに楽しむことができるようになるので、ぜひ試してみてくださいね!
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高橋 ユカコ 【フォトグラファー】
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写真は記憶を彩る魔法のツール。どんなに大変な子育て時代もかわいい写真にすれば、眩しい思い出に変わります。一見難しそうなカメラの使い方ですが、写真の法則はとってもシンプル!スマホでも一眼でも変わりません。プロの現場や子育ての実体験に基づく、シンプルなセオリーから月齢に合わせた簡単なコツまで、とっておきの写真の撮り方をお届けします。