撮影後の写真、画像調整してますか?
デジタル写真を調整するアプリは色々ありますが、どんな機能を使っていますか。
撮ったままの写真でも充分に価値はありますが、スマホのアプリで簡単にでも補正すると、ぐっと印象が変わります。
今回は、有名アプリであるインスタグラムの補正機能をで出来る、簡単な画像調整のポイントをご紹介します。
画像補正とは、撮った写真を後から好みの明るさや色などに編集していくことです。失敗しない画像補正のコツはたったひとつ。
「元の写真を明るく撮りすぎないこと」です。
暗すぎる写真ももちろんNGなのですが、迷ったら、暗めに撮った方が良いです。なぜなら、デジタルの画像における白はデータ量がゼロ。真っ白に写ってしまっているところは、後から補正ができません。
下の画像をご覧ください。テーブルの反射と子供の指が主役の写真です。手元の照り返しの部分は、真っ白に描かれています。試しにこの画像を、暗く調整してみましょう。
暗くしてみました。しかし、下げても真っ白だった場所は、変わりませんね。
逆に、暗い写真を明るくしてみましょう。これは、ほとんどがシルエットの写真です。
明るくしてみると、意外にも、色や形が見えてきました。
一見不穏な空気が流れているように見える写真ですが、実は赤ちゃんは笑顔で、母親を締め出して遊んでいるところ、だったんですね。
このように、暗い部分には、画像の情報が明るい側より残っているのです。
では、実際に同じものを撮ったとき、どのくらい差が出るのか実験してみましょう。
下の写真は、スマホで撮ったアジサイの花です。まずは、明るく撮ったもの。
明るさ調整で、暗くしてみます。
暗くなったのは、もともと色がのっていたところだけ。結局真っ白なところはそのままですね。
今度は、暗く撮ったものを……
明るくしてみると、どうでしょうか。
こちらは、ほぼ全体が明るくなりました。
真っ黒ではなくても暗く写りすぎてしまった部分は、細かいディテールは出せません。ただ、全体的に暗いかな?程度であれば、あとから補正で明るくするできることは覚えておくと便利です。
よくありがちな窓際の逆光も、この程度なら、回復可能です。
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どの程度の暗さなら、後から補正できるのか、一度実際に試してみると、撮影の時の迷いが減るのでオススメです。
後から画像補正をしても、見せたい明るさにしたときに、真っ白にしたくないところまで真っ白になってしまったら、最初から明るく撮ったのと変わらないですよね。
明るさ控えめで撮って後から明るくする利点は、「ハイライト」=明るい部分だけを下げたり、彩度を上げることで、明暗の差が大きい写真でも、差を縮めて適度なコントラストの絵に仕上げられること。
実際に、インスタグラムで使える画像補正の機能を使って、スマホできれいな料理写真を撮る3つのポイントの回のためにスマホで撮影した写真を例に、補正のステップを見てみましょう。
まず、やや暗めに撮影します。
一度「明るさ」で画像を明るくします。
これだけでも充分ですが、印象を強めるため、もう少し明るくしたいところ。でも、これ以上そのまま明るくすると、白が飛んでしまったり、明暗差がつきすぎて不自然になりそうなので、ハイライト(明るい部分)をちょっと暗くすることにしました。
明暗の幅が狭くなったことで、画像は眠たい印象に。「影」で暗めの部分だけ、明るさを落として、影をしっかりと出します。
「彩度」を少しだけ上げて、色をはっきりさせます。
最後に、違和感が生まれるギリギリまで明るさを上げて完成。
手順をまとめましょう。
1)やや暗めに撮影する
2)「明るさ」を上げて、適度に写真を明るくする
3)さらに全体の明るさを上げるために、まず「ハイライト」を下げて、明るくなりすぎないように押さえておく。
4)このままだと眠く見えるので「影」を下げて、暗い部分をしっかり出す(コントラストがついて、印象的になる)。
5)「彩度」を少しだけ上げる(色を強めることで、コントラストが上がって見える=インパクトが出る)
6)自然に見えるギリギリまで明るくする(ディスプレイでは明るてコントラストが高い画像が美しく見えるため)
結果たどり着いた明るさの好みはあくまでわたし個人のもの。なお、別れを絆に変える!大事な記念写真をきれいにプリントする3つのポイントで書いたように、プリントの場合は、ここまでパキパキな画像にしない方が良いと思います。
仕上がりの形や、ご自分の好みに合わせて調整しましょう。
インスタグラムをはじめ、あらゆる画像補正ができるアプリには、説明書がありません。
今回は、最も有名なアプリ、インスタグラム上での機能で説明しましたが、これらの機能がない場合は、「コントラスト」の設定を下げてみましょう。コントラストを下げると、明暗の差が縮まるので、同じような効果があります。
「ディスプレイ表示では明るい画像が好まれる」と書きましたが、画像補正に正解はありません。ぜひ色々設定を動かして、仕上がりを楽しんでみてくださいね。
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高橋 ユカコ 【フォトグラファー】
記事テーマ
写真は記憶を彩る魔法のツール。どんなに大変な子育て時代もかわいい写真にすれば、眩しい思い出に変わります。一見難しそうなカメラの使い方ですが、写真の法則はとってもシンプル!スマホでも一眼でも変わりません。プロの現場や子育ての実体験に基づく、シンプルなセオリーから月齢に合わせた簡単なコツまで、とっておきの写真の撮り方をお届けします。