フォトレッスンを始めてから7年。コンデジからスマホへと、子ども写真を撮る道具は変わってきましたが、ママさんから変わらずに出るのが、「料理はどうやったらきれいに撮れるの?」という質問。
毎日作る食事やお弁当は、たしかに子どもとの暮らしに欠かせない生活のワンシーン。
特にママとしての愛と努力が詰まっている(のにすぐ消える…or食べない…)だけに、きれいに残したい!という気持ちが痛いほど分かるジャンルでもあります。
というわけで、今回は子どもとの暮らしの記録には欠かせない、料理を魅力的に撮るコツを、プロのテクニックからアレンジ。スマホでもできる3つのポイントに分けてご紹介します。
ふたつめのポイントは、スタイリングです。
料理は人物のように動きがないので、工夫しないと変化を出しにくいジャンル。
フードスタイリストという料理やテーブルをセッティングする専門の職業もあるほど、カメラの扱いとは別のテクニックが必要です。
上の写真はわたしが自分でセッティングしたものですが、準備から撮影終了まで30分以上かかっています。もちろん背後には、ボツになったバリエーションが何種類も…。これ、ほんとの朝食だったらグラノーラ食べ損ねて完全に遅刻ですよね。
こうした細かい試行錯誤を家庭でマネするのは大変ですが、彩りを意識したり、器や小物を工夫することで、エッセンスを取り入れることはできます。
では、簡単な常備菜と普通の小道具で撮った写真の実例を見ながら、ポイントを確認してみましょう。
スタイリングのポイントは、料理の背景となる世界観をそろえること。和風ならテーブルも和、洋風ならハシよりフォークを添えるなど、統一感を道しるべにイメージを広げていきます。
1)その料理が何かがわかりやすい器を選んで、彩りを足してセッティング、
2)テーブルの色が合わなければクロスなどで合わせ…
3)関連小物をプラス(この作例ではノビル=雑草つながりで、雑草を小道具として置きました)。
構図に合わせ、小道具でバランスを整えましょう。
小道具についてですが、もしインスタグラム用など、ちょっとよそ行きの演出をしたい場合、背景となる布を用意しておくとと便利です。
下の写真は一眼レフカメラで撮ったものですが、上の作例と同じ柔らかめのキッチンクロスを使っています。
柔らかいキッチンクロスは、保管時の折ジワが目立ちにくく、敷き方次第でいろんな表情を出すことができるのでオススメです。
ちなみに、この一枚は朝っぽさを出すために、直射日光を当てて撮っています。光で布の表情も変わりますね。
3つ目のポイントは、「料理とカメラとの距離」を、目指す表現によって使い分けることです。
これはちょっと応用的なテクニックになるのですが、単調になりがちな料理写真のバリエーションを増やしてくれます。
大半のスマホカメラのレンズは、一般的に見た目より広い範囲が写ります。このようなレンズを「広角レンズ」と呼ぶのですが、広角レンズは、近くのものをより大きく写すので、近づいて撮ると迫力や臨場感を感じさせる絵を作ることができます。
一方、素材そのままの形を正確に写し取り、場の空気感を表現するには、もっと見た目に近いタイプのレンズが効果的。このようなレンズは、「標準レンズ」と呼ばれ、落ち着きのあるカフェ風の写真や、かわいらしさを表現するのに向いています。
スマホはレンズを変えられませんが、料理に近づかずに小さめに撮り、あとから写真を「トリミング」することで、同じような絵作りをすることが可能です。トリミングとは、画像のいらない部分を取り除くこと。
あらかじめカットすることを前提に撮影し…、
画像処理アプリで「トリミング」します。
初めからアップで撮った画像と比べてみるとご覧の通り。
左が料理に寄って撮り、左右のみ切り落としたもの。右が真ん中に小さめに写してトリミングしたもの(上の写真)です。
同じものを撮っているのに、肉のボリューム感がだいぶ違いますね。左の方はより大きく、右は実物に忠実な雰囲気です。
今回は料理が主役なので、どちらもありな感じですが、これがカフェ系のように、「器」や「空間」が主役になるシーンの場合、形が歪みが気になったり、「なんか違う感」が漂うことも。イメージにあった距離感を選びましょう。
トリミングすると、画像サイズが小さくなりすぎるのでは?と心配されるかもしれませんが、iPhoneの現行機種並みの1200万画素ほどあれば、トリミングならA4サイズまでプリントができます。一部を切り取ってもL版やインスタグラムに載せるのには充分な画質を保てるはずです。
ナチュラルに撮るなら、トリミングでややアップに。ライブ感を出すなら、料理に寄る。
この二つを使い分けられると、単調になりがちな料理の写真に変化がつき、ちょっと上級者な絵作りができますよ。
料理写真はシンプルに見えますが、もともとフォトジェニックな環境で暮らしていない限り、想像以上に手間とコストがかかります。キレイに撮らなきゃ…とがんばりすぎると、ただでさえ忙しい食事の支度が苦しくなってしまうことも。
わが家もごく普通の食卓なので、家族しか見ない記録であれば、光も見た目は気にせず撮っています。
この写真も、撮影用に緑と赤をあしらいましたが、「のせないでー!」と子どもに払い落されてしまいました。
子どもにとっては、「写真映えする=おいしそう」でもないんですよね。
そんな子どもの気持ちも大切に、こだわりすぎず、リラックスして子供とのフードフォト、楽しんでくださいね。
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高橋 ユカコ 【フォトグラファー】
記事テーマ
写真は記憶を彩る魔法のツール。どんなに大変な子育て時代もかわいい写真にすれば、眩しい思い出に変わります。一見難しそうなカメラの使い方ですが、写真の法則はとってもシンプル!スマホでも一眼でも変わりません。プロの現場や子育ての実体験に基づく、シンプルなセオリーから月齢に合わせた簡単なコツまで、とっておきの写真の撮り方をお届けします。