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ものの絵本とベビーサイン/2017年10月

ものの絵本とは?

「ものの絵本」と聞いて皆さんはなにを想像しますか? ものの名前を覚えるための絵本? ものがたくさん載っている図鑑のような絵本?

 

いいえ、「ものの絵本」とは、赤ちゃんの身近な動物や乗り物、昆虫、食べ物などの「もの」が主人公となっている絵本です。

 

大人はものの名前をたくさん赤ちゃんに教えてあげよう、知識を増やしてあげようと、「これはリンゴよ」「これは自動車ね」などと、ものの名前を強調して絵本を読んでしまいがちです。でも、赤ちゃんたちに興味を持ってもらい、深く親しんでもらうためには、こういった「ものの絵本」の方がずっとおすすめなんです。

 

まず、普段の生活の中で、赤ちゃんは今どんなことに興味があるのかな?と、よく観察しましょう。じっと見ているものがありますか? うれしそうな顔をするものがありますか? 赤ちゃんが好きなものが分かったら、それが主人公で出てくる絵本を選びましょう。

 

ベビーサインを使っている赤ちゃんなら、何を面白いと思っているのか、すぐに分かりますね。「ものの絵本」をベビーサインを添えながら読んであげると、楽しさも倍増です!

 

また、季節にちなんだ登場人物もお勧めです。日常生活でこの時期ならではでよく目にするものが主人公という絵本を読んであげましょう。そこに少しだけベビーサインを添えてみると、また楽しさが広がります。

 

それでは「もの」が主人公のお勧め絵本を紹介しましょう。

お勧め絵本 その1

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どうぞのいす

作:香山美子 絵:柿本幸造

ひさかたチャイルド

 

うさぎさんが椅子を作って、「どうぞのいす」という立て看板といっしょに野原に置きます。そこに最初にロバさんがやってきて、背負っていたどんぐりのかごを椅子において居眠りをしてしまうところからお話が展開します。「どうぞ」って書いてあるから、動物さんたちは椅子の上のものを食べてしまうんだけど、空っぽは申し訳ないって思って、代わりのものを置いていくことでつながるお話。「どうぞ」と相手を思いやるやさしい気持ちがほわ~んと大人の気持ちもあたたかくしてくれるステキな絵本です。ベビーサインの【どうぞ】は、手のひらをを差し出すジェスチャーで良いですよ。「はい、どうぞ」って声かけしながら、ものを渡してあげる仕草を日常でも使ってみましょう。

お勧め絵本 その2

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14ひきのあきまつり

作:いわむらかずお

童心社

 

皆さんよくご存知の「14匹シリーズ」は世界で累計850万部を超える人気シリーズ。第一作の「14ひきのひっこし」から2013年で30周年だったそうで、現在シリーズとして12冊あります。どの絵本も文字はページの下に置いてあるのは、作者であるいわむらかずおさんの「絵の上に文字を重ねたくない」という思いからなんですって。また、子どもたちが絵本の世界に自然と入り込めるように「ろっくんはどこかな?」とか「〇〇なのはだれかな?」と読者に問いかける仕掛けをしているそうです。そんな作者の想いを感じながら読んであげると、また新しい視点で楽しめるのではないでしょうか? ベビーサインの「どこ?」は絵本を読むときに大活躍しますが、この絵本にもぴったりです。片手の人さし指を立てて左右に振るアメリカ手話の【どこ?】を使いましょう。「ネズミさん、どこかな?」と話しかけながら、雑木林のネズミさんたちを一緒に探しましょう。

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お勧め絵本 その3

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ぼく、お月さまとはなしたよ

えとぶん:フランク・アッシュ 

訳:山口文生

評論社

 

くまさんが、お月様を眺めながらふと思います。「おつきさまに誕生日ぷれぜんとをあげたいな。」 お月様に声が届くだろう山の頂上まできて、お月様に呼びかけるとお返事が返ってくるんですが、それは実はくまさんの声のやまびこなんですね。でも、このやまびこでちゃんとお話が成り立ってしまうという、とってもかわいい内容です。ダークブルーのバックに黄色いお月様がとても目を引く構成で、赤ちゃんたちにときどきアメリカ手話の【月】(片手の親指と人さし指で半円を描いて、頬から上に見上げるようにあげる)を見せながら読んであげると良いですね。

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お勧め絵本 その4

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どんぐりころちゃん

作:みなみじゅんこ

アリス館

 

皆さんがお住まいのところはどんぐりが拾えるところでしょうか? 私は山に囲まれた土地で育ったので、学校の行き帰りに四季折々いつも違った楽しみがありました。もし、この秋、本物のどんぐりを手にすることがあったら楽しんでほしい1冊がこちらです。大きさも色も違うどんぐりさんたちの表情が何ともかわいらしく、思わずほっこり眺めながら読み進められますよ。最後のページには赤ちゃんとのふれあい遊びと、いっしょに歌えるわらべうたの楽譜まで載っているので、お歌に合わせて体を動かしたりして楽しんでみてくださいね。ちなみに【どんぐり】のベビーサインは頭の上でとんがり帽子を作るジェスチャーがお薦めです。

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お勧め絵本 その5

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さつまのおいも

文:中川ひろたか

絵:村上康成

童心社

 

元保育士で、子ども歌の作曲家であり、今までに110冊もの絵本を生み出している中川さんの絵本作家としてのデビュー作がこちらの「さつまのおいも。」 元々は、子どもたちに芋ほりで引っこ抜かれておしまい・・・というお話だったのに、もう少しお話を長くしてほしいという編集者のリクエストにこたえて、後半に付け加えたのが、おいもさんたちの逆襲(!?)のお話。逆襲と言っても決して怖いお話じゃないですよ。最後のオチがもぉ、最高に面白いお話です。ちなみに絵を描いていらっしゃる村上康成さんは私と同郷で岐阜出身。釣りが大好きで、デビュー作は大好きなヤマメを描いた「ピンク ぺっこん」

おいものベビーサインは日本手話の、片手をグーにして口元でこすりあげる仕草を使ってみましょう。

Information/お知らせ

ベビーサイン協会のHPはこちら

ベビーサイン協会オフィシャルブログはこちら

協会キャラクター「てってちゃん」のLINEブログはこちら

読み聞かせのお写真に協力してくれたのは

千葉県で活動をしているあさのみき先生

「ぼく、お月さまとはなしたよ」は

小金井、立川、武蔵村山で活動をしているみやがきみえこ先生からの紹介

中川ひろたかさんのカフェ「SONGBOOKCafe」

http://www.songbookcafe.com/

 

いわむらかずおさん えほんの丘美術館

http://ehonnooka.com/?page_id=9

Mama's profile/プロフィール

吉中 みちる

吉中 みちる 【一般社団法人日本ベビーサイン協会代表理事】

記事テーマ

絵本とベビーサインで育むコミュニケーション力

まだおしゃべりができない時期にベビーサインでコミュニケーションをして育った赤ちゃんたちは、絵本が大好きに育ちます。どうしてなの?絵本とベビーサインはどんな関係があるの?普通の絵本の読み聞かせとどう違うの?など等皆さんの疑問にお答えしながら、ベビーサインと絵本をお子さんのコミュニケーション力アップにつなげる方法をお伝えしていきます。

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