今回も前回に続き、アンケート調査の結果から、どうしてなの???を考えてみたいと思います。
背景はこちら。
2015年にベビーサイン教室の卒業生さんを対象にアンケート調査を実施しました。その中で
Q1:お子さんは絵本(本)を読むのが好きだと思いますか?の問いに
・確かにそう思う・・・65%
・ある程度そう思う・・・26%
合計91%の方がわが子が絵本(本)好きに育っていると感じてくださっているという結果が出ました。
そこで、
「どうして、ベビーサイナーちゃんたちは絵本好きに育つのかな?」を解明していきたいと思います。
第1回目は
「これ、知ってるよ!」が伝えられる喜びがあるから
というお話をしました。
第2回目は
「次のページに出てくるものを伝えられるから」
というお話をしました。
そして今回は
「ベビーサインで確認作業ができるから」
です。
赤ちゃんたちがベビーサインを覚えて使っていくとき、最初から自信たっぷりで使いこなせるわけではありません。これは、あれと似ているけど、この手の動きで良いのかな?なんて迷いながら考えながら、応用しながらベビーサインを使いこなせるようになっていきます。
例えばエリック・カールさんの「はらぺこあおむし」の絵本の中で、青虫が大きなサナギになったページを見て、赤ちゃんがちょっと首をかしげながら【パン】のベビーサインをしてくれたら、ママは
「わ~〇〇ちゃん、これ、パンに見えたの? そうだね。大きなパンに見えるね。でもこれは青虫さんが中でねんねしているお家なんだよ~」ってお話ししてあげることができますね。また、黄色い三日月の絵を見て【バナナ】とベビーサインをすれば、「そうだね。バナナに似ているね。でもこれはお月さまなんだよ。」
と赤ちゃんの気持ちに寄り添って、ものの概念の枠組みを作る作業をお手伝いしてあげることができます。赤ちゃんが見ている世界を赤ちゃん自らがベビーサインで教えてくれると、周りの大人はそれについてお返事をしてあげるだけで、赤ちゃんの言葉と概念の世界を広げてあげることができるんですね。
絵本に触れながら、これ、〇〇みたいだよ!がおしゃべりできないうちから伝えられることは、赤ちゃんたちの創造力も育ててくれることにつながるんですね。こんなにたくさん周りの大人と会話ができる絵本、大好きにならないなんて考えられないと思いませんか?
モヤッとしたわからないことも、ベビーサインで「聞けば教えてもらえる」というこの体験は、きっと大人になるうえで大事なベースとなってくれるに違いありません。
今回は日本語特有の「オノマトペ」の絵本をご紹介しますね。大人にとったら意味のないおかしな音のつながりが赤ちゃんたちにはとっても魅力的なんですね。大人が抑揚をつけて読んであげるだけで、ニッコリ笑顔になるのが「オノマトペ」の力ですね。
あーん
谷川俊太郎 ぷん
下田昌克 絵
クレヨンハウス
人が食べて消化するまでの話、つまり「あーん」から「ぷーん」までが表情豊かなイラストと谷川さんの言葉でつづられています。赤ちゃんたちの離乳食が始まったころにママ自身が読んでみると、毎日の「あーん」から「ぷーん」までの単純な流れがちょっと客観視できて、なごめるんじゃないかな?と思う1冊です。使ってみてほしいベビーサインは最後の「ぷーん」のところで鼻をつまんで【くさい】を表現するジェスチャーです。くさそうな表情も忘れずにやってみてくださいね。あっ、谷川俊太郎さんの名前のあとの文字にも注目です!
吉中 みちる 【一般社団法人日本ベビーサイン協会代表理事】
記事テーマ
まだおしゃべりができない時期にベビーサインでコミュニケーションをして育った赤ちゃんたちは、絵本が大好きに育ちます。どうしてなの?絵本とベビーサインはどんな関係があるの?普通の絵本の読み聞かせとどう違うの?など等皆さんの疑問にお答えしながら、ベビーサインと絵本をお子さんのコミュニケーション力アップにつなげる方法をお伝えしていきます。