1年かけて学んだ絵本の講座が先日終了しました。無事「絵本講師」の資格をいただくことができ、最終レポートでまとめた内容を皆さんにお伝えしていくのが今からとってもワクワク楽しみです。
今回もまたまた、ご家庭での読み聞かせのお願い事のお話をしたいと思います。
ご家庭での読み聞かせのお願い事 その3
「絵の説明をしない」
絵本の勉強を1年間してみて、赤ちゃんや子どもに大人が絵本の絵の説明をするなんて、なんと畏れ多い事か!!!と痛感しましたので、これは皆さんにも是非知って頂きたいことの一つなんです。乳幼児のお子さんたちは、文字が読めません。絵本もまず、絵に目がいきます。お話を耳で聞きながら目の前の絵をじーーーーーっと見て、そのお話の内容を理解していくんですね。一方、文字が読める大人はまず、文字を追いかけます。そして添え物程度に絵を楽しみます。ですから、見ている部分が全然違うんですね。
絵本作家の方たちが絵本の「絵」を描くときには、この厳しい子どもたちの目に見合うようにものすごく考えて一つ一つのページを作り上げます。
一つ絵本を例にとってお話ししてみましょう。ただ、絵本の中のイラストをこちらに掲載してお話をすることが著作権の関係でできないので、このお話をご覧になった後、是非図書館とかで実際に絵本を手に取って、ご覧になってみてくださいね。
ロージーのおさんぽ
作:パット・ハッチンス
訳:渡辺茂男
偕成社
この絵本にはめんどりのロージーとキツネが出てきます。キツネは何度もロージーに襲いかかろうとぎらぎらした目で狙っているのですが、いつも失敗してしまいます。その失敗の場面には全く言葉がありませんが、子どもたちはそれを絵の中からしっかり読み取ります。ですから、キツネがどうして失敗してしまったのか、という絵の説明を大人がする必要はないんですね。その時のお子さんの読み取る力に任せておくのが一番おすすめです。
たとえ、それが大人と視点と違っていても、そこを否定してはいけません。絵の読み取り方は人それぞれ。絵を読み取ることは想像力の発達にもつながるので、聞いている子どもたちが自由に発想、豊かに想像するのを大切にしてあげましょう。
毎回お願い事としてこちらのコラムを書いていますが、心の片隅のどこかに記憶してもらったらいいんですよ。こうしなくちゃ!!!ってママに力が入ると何事も楽しくありませんから。要は絵本を楽しむ事!それが大切です。
イースターという事で日本でもあちこちでタマゴのモチーフを見かけるようになりましたね。この記事がアップされる頃にはイースター終わっているかもしれませんが、タマゴは普段の生活でも目にするものですので、1冊目はこちら。
たまごのあかちゃん
著:神沢利子
イラスト:柳生弦一郎
福音館書店
「たまごのなかでかくれんぼしているのはだあれ?でておいでよ」
の呼びかけが赤ちゃんたちに心地いい1冊。うちの娘は、最後の登場人物のページが大好きで、わたしが大げさに真似をするととっても喜んで、ときどき自分も大きな動作で真似をしていた思い出の1冊です。最後に出てくるのは・・・・・さぁ誰でしょう! お手に取って確認してくださいね。
タマゴのベビーサインは、日本手話で向かい合わせた両手をパカッと開くように動かします。
こちらは特にイースターと関連はありませんが、日差しがあたたかくなってきたので選んでみた1冊です。
ひなたぼっこです
作:高畠 純
絵本館
日差しもあたたかくなり、ひなたぼっこが心地よい季節ですね。
ひなたぼっこをしているどうぶつたちのところへお友だちがやってきます。
「おや、だれかやってきました。だれでしょう?」
の繰り返しでドンドン次のページが気になる1冊。入学式準備とか、何かと4月は気忙しい時期。ちょっとイライラしたら、この絵本を読み聞かせながら、ママもほっこり、ゆるっと気持ちのシフトができると良いですね。どうぶつたちがひなたぼっこをする姿が緩すぎて、誰もが笑顔になってしまいますよ。この絵本のあとは、是非お外に出て、ママの影、赤ちゃんの影を実際に見てみると楽しいですよ。赤ちゃんたちどんな反応するでしょうか?
お勧めのベビーサインは日本手話の【だれ?】です。片手の甲をほっぺにすりすりするように動かします。
吉中 みちる 【一般社団法人日本ベビーサイン協会代表理事】
記事テーマ
まだおしゃべりができない時期にベビーサインでコミュニケーションをして育った赤ちゃんたちは、絵本が大好きに育ちます。どうしてなの?絵本とベビーサインはどんな関係があるの?普通の絵本の読み聞かせとどう違うの?など等皆さんの疑問にお答えしながら、ベビーサインと絵本をお子さんのコミュニケーション力アップにつなげる方法をお伝えしていきます。