先日「いったい、読み聞かせって何が良いんですか?」って質問を受けました! 一言でパッとまとめられなかった自分にちょっとモヤモヤ・・・・・・どんな効果があるのかが即座に見えないと手を出さないという考えもありますが、子育ての中で良かれと思ってすることの多くは、今日やったから明日その結果が出るというものではありません。でも、後でやっておけばよかったな~と後悔しても、後戻りして手に入れられないものもたくさんあります。だから、良いものを嗅ぎ分ける「本能」と「選択」する力ってとても大事なんですよね。
今回も前回に引き続き、ご家庭での読み聞かせのお願い事のお話をしたいと思います。
ご家庭での読み聞かせのお願い事 その2
「繰り返しを嫌がらない」
赤ちゃんたちは自分のお気に入りができると、何度でも何度でも同じ絵本を読んでほしいと持ってきますね。ベビーサインができる赤ちゃんたちだと【もっと】のサインで何度もリクエストします。これを「また~」「面倒だな~」と思わない事! こことっても大事ですね。赤ちゃんはくり返しの中で「次」を知っていることが確認できるんですね。次のページにはネコさんがいる。あっ、やっぱりネコさんだった。という確認作業で安心することができるのです。また、何度も繰り返し読んでほしい絵本は、その時の子どもにとって「お気に入り」「大好きなお友だち」のような存在なんですね。繰り返しを拒むことは、その大切なお友だちの存在を否定すること、そんな風に子どもたちがとらえてしまう事にもなりかねません。
今回は、我が家の子どもたちが大好きで何度も繰り返し読まされた思い出の絵本をご紹介したいと思います。
みんなうんち
作:五味太郎
福音館書店
一時、夜寝る前に必ず何度も読まされた思い出の1冊。寝る前に「うんち」の絵本ってね・・・どうして?と思ったんですが、ひたすら付き合いましたよ。動物さんたちのうんちの習慣やうんちの形がとてもわかりやすく絵と文章になっています。大人の私でもへぇ~そうなんだ~と知らないうんちの習慣があったりして新鮮でした。あっ、新鮮だったのはもちろん最初の1回だけでしたけど(苦笑)ベビーサインを使う赤ちゃんたちにはちょっと早いかもしれませんが、トイレトレーニングとかを始めたタイミングで、周りの生き物みんなうんちをするんだよ。僕は(わたしは)、どこでどんなうんちをするのかな?というところに結びつけると良いかもしれないですね。【うんち】のベビーサイン、是非おぼえて見せてみてください。
はなをくんくん
文:ルース・クラウス
絵:マーク・シーモント
訳:木島始
福音館書店
原書は「The Happy Day」。白黒で描かれた世界観の絵本ですが、最後のページに出てくる小さなお花だけがパッと黄色で何ともインパクトのある、それでいてやさしい気持ちで読める絵本です。娘は、この黄色いお花が大好き!というか、この絵本はこの黄色いお花を見るためだけにあるんだ!というくらいの読み方で、わたしが読んでいる最中でも、パーーーーーっとページをめくって、【お花】のベビーサインをして、パン!と絵本を閉じて、【おしまい】のベビーサイン。そして、また【もっと】のサインをして最初から同じことを繰り返す・・・・・これに付き合うのも忍耐がいりましたが(笑)そこは頑張りました!
1950年にコルデコット賞を受賞した作品です。名著は何年たってもこうやって読み継がれるんですね。Sinif, snif (くんくん)を臭いを嗅ぐところを是非、お鼻くんくんして親子で楽しんでみてくださいね。
赤ちゃんたちが繰り返し、繰り返し読んでほしい絵本には何か理由があるのかもしれないです。その時期のお子さんの興味関心があることと絵本の内容などを結び付けて、うちの子はどうしてこの絵本がそんなに好きなんだろう?と考えるくらい心に余裕があると良いですね。きっと素敵な発見があると思います。
吉中 みちる 【一般社団法人日本ベビーサイン協会代表理事】
記事テーマ
まだおしゃべりができない時期にベビーサインでコミュニケーションをして育った赤ちゃんたちは、絵本が大好きに育ちます。どうしてなの?絵本とベビーサインはどんな関係があるの?普通の絵本の読み聞かせとどう違うの?など等皆さんの疑問にお答えしながら、ベビーサインと絵本をお子さんのコミュニケーション力アップにつなげる方法をお伝えしていきます。