絵本もベビーサインも赤ちゃんのコミュニケーション力を育むとても大切なもの。どちらも育児に楽しく取り入れたいですね。このコラムの第2回では、「絵本とは何か」という基本を押さえた上で、ベビーサインを使って簡単に楽しめる絵本を紹介しましょう。
皆さん、絵本ってなんですか?と聞かれたらどう答えますか?
「子どもの本」「絵が描かれている本」「かんたんな言葉で書かれた本」・・・そんな答えが聞こえてきそうですね。ちなみにgoo国語辞典には「絵を主にした子ども向きの本」とあります。
では、「よい絵本」とはどんな絵本でしょうか? 「しつけ」や「教育」のために書かれた絵本がよい絵本でしょうか? 学習的要素を多く含んだ絵本も昨今増えてきましたが、「よい絵本」とはちょっと違います。
「よい絵本」は子どもと友だちになれる絵本です。「よい絵本」は子どもの心に大切な何かを残してくれる絵本です。「よい絵本」は子どもたちの創造力をかきたて、知らない世界へと連れ出してくれる絵本です。
特に赤ちゃんにとって「よい絵本」とは、ママやパパが笑顔で読んでくれる絵本だと私は思います。そういった意味では、どんな絵本も「よい絵本」にすることができます。
楽しく絵本を読むためにおすすめなのがベビーサインです。ベビーサインを使うと、赤ちゃんの興味を引きながら、理解を深めながら、赤ちゃんたちを絵本の世界に連れて行くことができます。
でもベビーサインって、やったことないし、難しそう・・・
そう思った方、どうぞ安心してください。ベビーサインはとっても楽しくて簡単です。このコラムでは、育児にも役立つ絵本の中から、ベビーサイン初心者のママにもおすすめのものを紹介していきますね。
今回は「ハミガキ」に関する絵本で、ベビーサイン協会のお教室でも人気の2冊を紹介します。大切な歯をまもるために、「ハミガキ」はとても大事なことですね。でも、それを教え込もうとすればするほど、赤ちゃんたちはハミガキを嫌がるようになってしまいます。一体どうしたら、押し付けることなく教えることができるのでしょうか?
ここで、絵本の登場です。絵本の中の登場人物が楽しくハミガキをしている様子をママやパパも楽しく読み聞かせをしてあげてください。そして、その手の動きをベビーサインで見せてあげましょう。そうすることで赤ちゃんはハミガキの意味と動きを理解し、やがて実際の生活の中でもスムーズにハミガキをすることができるようになります。
1冊目
はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう
アリス館
著者:久保真知子
列車みたいな歯ブラシがしゅっしゅっしゅっと、お口のなかに出発します。歯にはさまった食べ物を「しゅっ」っと取り除く場面は、お口の中がきれいになっていくイメージができます。電車が好きなお子さんはもちろん、電車好きじゃなくても、赤ちゃんたちのはみがきの時間が楽しくなる絵本です。
この本で使えるおすすめのベビーサインはアメリカ手話の【ハミガキ】です。片手で歯ブラシを持っている真似をして、左右に動かすだけですので、わかりやすく簡単ですね。しゅっしゅっしゅっのところをベビーサインを添えて読みましょう。お子さんに「ハミガキするよ~」と声をかける時にもベビーサインを添えると、絵本のイメージとリンクできて、スムーズに自分からお口をあーんしてくれるようになりますよ。
吉中 みちる 【一般社団法人日本ベビーサイン協会代表理事】
記事テーマ
まだおしゃべりができない時期にベビーサインでコミュニケーションをして育った赤ちゃんたちは、絵本が大好きに育ちます。どうしてなの?絵本とベビーサインはどんな関係があるの?普通の絵本の読み聞かせとどう違うの?など等皆さんの疑問にお答えしながら、ベビーサインと絵本をお子さんのコミュニケーション力アップにつなげる方法をお伝えしていきます。