こんな経験はありませんか?
「自分が小さい頃に親にされて嫌だったこと、自分が親になったら親のようには絶対にならない!」
と思っていたのに、なぜか、
「自分も子どもに同じようにしてしまう」・・・そして、自己嫌悪に陥ったり。
「何かをやめようとすればするほど、やめられなくなる」ということが起こるのは、
脳は否定形を認識できないからなのです。
例えば
「ピンクの象をイメージしないでください。
絶対にピンクの象だけはイメージしてはいけません。
ピンクの象を思い出そうとしてもだめです」
と言われるとどうでしょう?・・・・・
ピンクの象をイメージしてしまいませんか?
脳は言葉を素直にイメージ化してしまうので、いくら「イメージしないで」「イメージしてはダメ」という否定形で打ち消そうとしても『ピンクの象』のイメージが強い影響力を持ってしまいます。
子どもに「落とさないでね。落とさないでよ」と言ったにもかかわらず落としてしまって
「あ~だから言ったじゃない!ほんとに気をつけないんだから」
なんてことも、脳は否定形を認識できずスルーしているからなのです。
その仕組みは、まず脳の中では『落とす』をイメージしてしまい、お子さんはそのイメージ通りに落としてしまうわけです。
ですから、素直にお母さんの言葉通りになっているといえます。
これでは、お子さんに「落とす、落とす」と暗示をかけている状態なのです。
では、どのように言ったらお子さんは落とさなかったのでしょう?
「~~しない」「~~しちゃだめ」などの否定形を使わず、シンプルにそうなってほしい状態を言えばよいのです。
「落とさないでね」➡「ちゃんと持ってね」「まっすぐ持ってね」
「騒がない」 ➡「静かにしようね」
「走っちゃだめよ」➡「ここは歩こうね」
そう言われるとお子さんの脳は、素直にそのようにイメージしてイメージ通りになります。
言葉とイメージがとても影響力があるのをお分かりいただけましたでしょうか?
冒頭の「自分が小さい頃に親にされて嫌だったこと、自分が親になったら親のようには絶対にならない!」
と思っていたのに、なぜか、「自分も子どもに同じようにしてしまう」のも同じです。
脳は「親のように」という親がした好ましくないことをイメージして、
「ならない」は否定形ですから認識されずスルーされて、イメージされた好ましくないこと、
そのとおり自分もしてしまう脳の仕組みのためなのです。
それを変えるのもシンプルに、自分が親としてなりたい状態、
どのようにご自分がお子さんと接したいのかをイメージしてください。例えば
「大きな声で怒らないでほしかった」➡「静かに落ち着いて注意している」自分
「心配性で行動を制限されていた」 ➡「安心して見守っている」自分
などをイメージして、その時、自分はどんな表情や姿勢で、どんな言葉で子どもに話しかけているのでしょうか?
その言葉を言っているときの気持ちも想像してみましょう。
人は、イメージできたことは実現可能で、イメージができないことは実現が難しいといわれます。
ですから自分に対しても、人に対しても、頭の中で「できない」とイメージしているとそのように「できない」結果になる確率が高くなります。
親から子どもへ代々、良いことも悪いことも連鎖していくのは、親が無意識に使う言葉とイメージが変わらないことも
影響があるのかもしれません。 お子さんは大人の写し鏡のようですね。
ご自分が普段、無意識に使っている言葉に気づいて変えるだけで、子育てが楽になりますよ。
藤原 万梨子 【親子コミュニケーションカウンセラー】
記事テーマ
『毎日忙しい、大変だけど、楽しい!』のはずが、本当は子育てが辛いという方は、もしかしたらご自分の内側のインナーチャイルド(小さい頃の自分)があなたに何かを伝えているのかも?「子育ては自分育て」お子さんがあなたのインナーチャイルドの鏡となり、本当のあなたの心の声に気づかせてくれるのです。悩みはあなたがより豊かに輝く為の気づきの入口です。