昨今、健康志向から玄米を食べる方が増えてきました。皆さんはどんなお米を食べていますか? 玄米は、籾(もみ)から籾殻を除いた状態でまだ精白されていないもの。そして、玄米から籾殻を除き精白したものが白米です。玄米と白米の違いは、色が異なるだけでなく玄米のほうが栄養価で優れている点です。特に、食物繊維が白米の4~6倍含まれており、その他にもビタミンやミネラルも豊富です。玄米の他に玄米を少しずつ精米した「分つき米」、胚芽の部分を残した「胚芽米」、玄米を発酵させた「発芽玄米」、玄米と小豆を炊いて酵素活性させた「酵素玄米ごはん」など様々なお米やごはんが流通しています。もちろん栄養価が優れたものが良いですが、人によって向き・不向きがあります。
玄米を食べて「胃がもたれた、胃がキリキリする、お腹をくだした」という経験をしたことはありませんか? 玄米は白米と比べて消化が悪いのでカラダに負担をかけてしまうことがあります。小さなお子さんやご高齢の方、胃腸が弱い方、体調がよくない方、しっかり噛んで食べていない方、には玄米よりも胚芽米や分つき米、雑穀ごはんがおススメです。また、ミネラル類の吸収を邪魔してしまうので貧血傾向の方や骨粗鬆症の方にも玄米はおススメできません。玄米を食べるときには、①しっかり浸水すること、②やわらかく炊き上がるよう炊飯方法に気をつけること、③よく噛むこと、を意識してみましょう!
玄米は人によって向き・不向きがあるので、普段は「雑穀ごはん」をおススメしています。白米に雑穀を足すだけでビタミン、ミネラル、食物繊維の栄養価がアップするだけでなく、自分の体質にあった雑穀を選ぶことや白米と雑穀ご飯を同時に炊くことも可能(炊き分け)というメリットがあります。また、小粒の雑穀であれば小さなお子様にも胃腸に負担をかけないので、偏食があって栄養バランスが気になるお母さんの味方にもなります。さらに、白米に雑穀をプラスすることは、料理の手間を増やすことなく栄養価アップが可能なので、1品料理を増やす手間も減ります。家族の健康を守り、忙しいお母さん方にとっては嬉しいことばかりですね。
参考)私は「炭水化物」を食べてキレイにやせました。 柴田真希著
一般社団法人日本健康食育協会 健康食育マスター講座 テキスト
馬明 真梨子 【管理栄養士・健康食育シニアマスター】
記事テーマ
「健康になりたい、健康でいたい」と想う健康志向の方々が増える一方で、「食」に関する様々な情報も増えて何が自分に合った食なのか判断できない方も多いです。お米を軸としたシンプルな「日本型食生活」はカラダとココロの「健康実現」へとつながります。お米の力、しっかり食べること、毎日続けることのできる食べ方の秘訣をお伝えします。