前回では急須の選び方をご紹介しましたが、今回は急須を使った後のお手入れ方法をご紹介します。
急須が汚れていると不衛生ですし、お茶の味や色にも影響することがあります。
お子様とのお茶タイムを楽しむためにも、少し気を付けるだけで安心しておいしいお茶がいれられます。
それから、急須は割れ物です。
お子様と一緒に急須のお手入れをしながら、「割れ物は大切に優しく扱うこと」もお子様に伝えてみてはいかがでしょうか?
「音がしないように、そ~っと置いてみようね」
「やさしく蓋が閉められるかな?」
と、声掛けをして、できたら大いに褒めてあげましょう。
急須のお手入れも、それほど大変ではありません。
1.茶殻はスプーンなどである程度取り除いておきます。
→お子様にもお手伝いしてもらいましょう
2.三角コーナーやシンクの排水溝に目の細かいストッキング上のネットを被せておき、水道のお水を急須に入れ、何度かすすぎます。
3.急須の茶こし部分とは逆方向にお水を流してすすぐと、茶こしから茶殻が外れやすいです。
4.茶こし部分についてなかなか取れない茶葉も、新しい歯ブラシを1本急須専用にしておき、軽くこすると大体は取れます
→「大事な急須をお掃除しようね!」とお子様と一緒に歯ブラシでゴシゴシ!
5.最後に熱湯を通し、蓋を開けてしっかり乾燥させます。
しばらく使わない場合、急須の内部に水分が残っていると、カビなどの原因になります。
(常滑焼の急須)
<注意点>
急須を洗う際には洗剤は使わないでください。
洗剤の匂いが急須に移る場合があり、次にお茶をいれた時、お茶の香りや味に影響する場合があります。
毎回の使用後にこのようにお手入れしておけば、急須をいつもきれいな状態で使うことができます。
毎回、使用後に急須の手入れをしていても、何度も使っているうちに茶渋がこびりつくことがあります。
メラミンスポンジでこするときれいに茶渋が落ちることが多いです。
常滑焼や万古焼のような「炻器」の場合は漂白剤はNGですが、磁器の急須の場合は酸素系漂白剤を短時間使ってみましょう(釉薬のかかった陶器は短時間であれば大丈夫です)。
茶渋や汚れを浮かして取ることができます。
漂白剤を使ったあとはよくすすいでください。
すすぎ残しがあると、お茶の味に影響します。
塩素系漂白剤は匂い移りすることがあるので、使わない方が無難です。
急須の口にこびりついた汚れがなかなか取れないときは、このような急須の口専用のブラシもあります。
100円ショップなどにもあるので、探してみてください。
お子様と一緒に急須の口をゴシゴシするのも楽しいですよ。
ピカピカになった急須でおいしいお茶をいれ、ものを大切に使う気持ちもお子様に伝えていきたいですね。
お店などでは、急須と一緒に「湯冷まし」が置いてあることが多いです。
(左:萬古焼の湯冷まし 右:陶芸体験で手びねりで作成した湯冷まし)
「湯冷まし」はお湯の温度を下げるための道具です。
慣れてきたら使ってもよいですが、お家にない場合は、わざわざ買う必要はありません。
湯冷ましがなくてもお湯の温度を下げることはできます。
(「煎茶をいれる」回では湯冷ましを使わないお茶のいれ方をご紹介します)
お子様がお茶をいれる場合は、はじめは道具が少ない方がスムーズです。
次回は、お子様にも使いやすい「お茶碗」と「お湯呑」についてお伝えします。
参考資料:『日本茶の図鑑』監修:公益社団法人日本茶業中央会、NPO法人日本茶インストラクター協会 マイナビ出版発行
横浜・川崎の日本茶講座『和茶』では、日本茶インストラクターが抹茶・煎茶・玉露など、気軽なスタイルで日本茶の文化を暮らしに取り入れるご提案をしています。
「親子日本茶教室(抹茶・煎茶)」や、日本茶の基礎から応用まで楽しみながら学べる「日本茶講座」を自宅や出張レッスンで多数開催しております。お子様連れ歓迎の日程もあります。
詳しくは、講師のブログをご覧ください。
酒井 知子 【日本茶インストラクター】
記事テーマ
親子で日本茶ライフを楽しんでみませんか?お茶を飲むだけでなく、見て触って香りを嗅いで、子ども達は五感で楽しむことがでます。2歳から茶筅を握り3歳からはmy急須でお茶をいれる娘との日本茶ライフの中から、親子で楽しめるアイディアをご紹介します。茶葉の選び方やお茶のいれ方など日本茶インストラクターならではのコツやポイントも交えてお伝えします。