「急須(きゅうす)」が違うとお茶をいれた時の味も変わるというくらい、急須は大事な道具です。
お家に急須がある方は、一度出してみてください。
お子様が持つとちょっと大きく使いづらい、という場合は、新しく小振りな急須をご用意されてはいかがでしょうか。
大人用の普通サイズ(写真右:400~450ml入るサイズが一般的)の急須は子どもには大きくて扱い辛いものが多いです。
小振りの急須(写真左:180ml程度入るサイズ)なら、子どもの手にもなじみ、軽くて持ちやすいです。
「これは私の急須!」と、娘専用にしている小さな急須があります。
私が自宅で玉露や上級煎茶をいれるときに小ぶりな急須が必要なときには、娘の急須を借りることもあります。
写真のような常滑(とこなめ)焼の朱色の急須は一般的ですが、黒、黄色、緑などもあります。
使っているうちにつやが出てきて、愛着がわきます。
街のお茶屋さんや日本茶専門店は急須やお茶碗なども置いてるお店が多いです。
実際に持ってみて、選ぶと良いですよ。
急須選びに重要なポイントが4つあります。
1.重さ
2.手になじむかどうか
3.蓋がぴったりしまるかどうか
4.茶漉し部分がどうなっているか
1.「重さ」
実際に店頭で持ってみないとわかりません。
デザインがどんなに素敵でも、重いものは大人でも扱い辛いです。
実際に使う際には、お湯を急須に入れるので、もっと重い状態で持つことになるからです。
お子様が使うものなら、軽いものが良いでしょう。
常滑(とこなめ)焼や萬古(ばんこ)焼は「炻器(せっき)」といって比較的軽いです。
煎茶だけでなく、ほうじ茶や玄米茶もいれられるので、オールマイティーに使えます。
ただし、炻器はにおい移りしやすいので、香りの強いフレーバーティーなどには使わない方が無難です。
2.「手になじむかどうか」
お店で実際に持ってみて確認してみた方が良いです。
形が同じように見えても、持ってみると、持ちやすいもの・持ちにくいものがあるのです。
3.「蓋がぴったりしまるかどうか」
蓋がぴったりしまらずガタガタしたり隙間がある場合、お茶を注ぐときに蓋がずれてお湯が隙間から出てきたり、蓋を支えるのが大変だったりと不便です。
目安として1500円以上の日本製の急須なら、蓋はガタガタしないはずですが、お店で確認しておいたほうが無難です。
上級煎茶や玉露用の「宝瓶(ほうひん)」という持ち手のない急須もありますが、小さいお子様には扱い辛いので、持ち手のあるオーソドックスな形の急須が良いです。
また、ほうじ茶や玄米茶などに使う、持ち手が上にある「土瓶(どびん)」も、お子様には扱いが難しいです。
デザインの可愛いもの、おしゃれなものもありますが、まずは手に持って選ぶのが良いです。
急須選びの重要ポイント、4つめは「急須の茶こし部分がどうなっているか」です。
実は、この部分が違うだけでもお茶の味が変わるのです。
蓋が閉まっている状態では見えないので、蓋を開けて急須の中を見てみてください。
①「ステンレスの網がかかったもの」
おすすめ度 ★★★★★
ステンレスの網なら深蒸し煎茶の細かい茶葉もキャッチできます。
初心者用で洗いやすいのも、こちらのタイプです。
②「ささめ(メーカーによって「セラメッシュ」と表記のあるものも)」
おすすめ度 ★★☆☆☆
中・上級者向け。
急須の口から細かい茶葉が出るため、茶漉しも併用する必要があります。
③「かご網」(取り外しできる籠状の茶漉しが内蔵されたもの)
おすすめ度 ☆☆☆☆☆NG
こちらはあまりお勧めできません。
取り外しができ手入れは楽なのですが、お茶の葉が広がるスペースが小さくなるため成分がしっかり出ないことがあります。
どうしても「かご網」が良い場合は、できるだけ大きく急須の底まで届くくらい深いものが良いです。
急須選びのポイントを押さえ、実際に手に持って急須を選んでみてくださいね。
使いやすい急須に出会えますように!
次回は、「急須の手入れ」と「湯冷まし」についてお伝えします。
参考資料:『日本茶インストラクターに学ぶお茶の本』 大森正司 著 キクロス出版発行
『日本茶の図鑑』監修:公益社団法人日本茶業中央会、NPO法人日本茶インストラクター協会 マイナビ出版発行
横浜・川崎の日本茶講座『和茶』では、日本茶インストラクターが抹茶・煎茶・玉露など、気軽なスタイルで日本茶の文化を暮らしに取り入れるご提案をしています。
「親子日本茶教室(抹茶・煎茶)」や、日本茶の基礎から応用まで楽しみながら学べる「日本茶講座」を自宅や出張レッスンで多数開催しております。お子様連れ歓迎の日程もあります。
詳しくは、講師のブログをご覧ください。
酒井 知子 【日本茶インストラクター】
記事テーマ
親子で日本茶ライフを楽しんでみませんか?お茶を飲むだけでなく、見て触って香りを嗅いで、子ども達は五感で楽しむことがでます。2歳から茶筅を握り3歳からはmy急須でお茶をいれる娘との日本茶ライフの中から、親子で楽しめるアイディアをご紹介します。茶葉の選び方やお茶のいれ方など日本茶インストラクターならではのコツやポイントも交えてお伝えします。