現在、日本茶、特に抹茶は欧米やアジアでも人気で、海外でも抹茶ドリンクを置くカフェが増えているそうです。
抹茶に限らず、日本のホテルやレストランでも「お茶(煎茶)をお願いします」とオーダーする外国人観光客も増えていると聞きます。
日本人以上に日本茶の種類、産地や味の違いなどに詳しい外国人日本茶マニアもいます。
そして、日本人でも難しいと言われる日本茶インストラクター認定試験に合格し、外国人の日本茶インストラクターとして国内外で活躍する方も増えてきました。
これからも日本茶は世界に広がっていくことでしょう。
今の子どもたちが大人になるころにはもっともっとグローバル化・国際化が進むと思われます。
そんな中で、おもてなしとしても、話題の1つとしても、日本茶を含む日本文化・食文化がコミュニケーションに役立つのではと考えています。
外国の方と話していると、「日本ではどうですか?」「日本の〇〇について教えてください」と質問されることが多く、それについて「あなたはどう思いますか?」と個人的な意見も求められます。
意見がないということは、イコール、その場の会話に入れない、その場にいる意味がない、ということさえあります。
何か一つでも、日本や日本文化について自信を持って語れるものがあると、無言にならずに済み、また、他の国ではどうなのだろう?と質問することもできます。
親子でお家で日本茶に触れることをきっかけに、将来的に日本文化にも興味を持つお子さんもいるかもしれません。
少しでも知っていると何かの自信につながるかもしれません。
親子の日本茶を楽しむ日常が、自然とその種まきになればと思っています。
日本茶は斜陽産業で衰退していくと言われて久しいです。
高齢化が進み、上質なお茶が生産される地域の産地、特に山の斜面にある茶畑での栽培・収穫はかなりの重労働で、後継者もおらず今の代で終わりという生産者も少なくありません。
ペットボトルの原料となるような茶葉や海外でも人気の抹茶については安定していると聞きますが、うま味や甘味がしっかり味わえる上級の日本茶がなかなか売れないため生産者のモチベーション低下にも繋がると言われています。
茶農家・生産者、茶器などの職人、日本茶専門店などいろいろな人が関わることで、おいしい日本茶が飲めるのです。
もし生産者の方々や職人さんが廃業し今後どんどん少なくなっていったら、子や孫の世代においしい日本茶や日本茶にまつわる文化が継承されなくなってしまいます。
少しでも産地や茶業に関わる人たちを元気にできたらと、日本茶の楽しさやおいしさをたくさんの方に伝えるため、全国各地で日本茶インストラクター・日本茶アドバイザーが日本茶の普及活動を展開しています(NPO法人日本茶インストラクター協会)。
親子向けや気軽に参加できるイベントなどもありますので、見かけたらぜひ参加してみてください。
(写真:鹿児島県茶業会議所・日本茶インストラクター協会神奈川県支部による「かごしま百円茶屋」にて)
これまで24回にわたり「親子で日本茶を楽しむ」という切り口で日本茶について記事を書いてきました。
読んでくださった方々からは、
「日本茶って一言で言っても、いろいろな種類があるんですね!」
「急須を持っていないので、この記事を参考に買いに行きます」
「早速、親子でほうじ茶ゼリーを作ってみます!」
「子どもが祖父母にお茶をいれて、とても喜ばれました」
など、沢山のご感想をいただきました。
ご年配の方からも、お家で飲む日本茶は日常のものなので「いつも適当にお茶をいれていたけれど、気を付けるポイントを押さえたら、お家のお茶がおいしくなりました」と嬉しいご感想をいただくこともあります。
日本に住んでいると、日本茶は日常の一部となっていて、当たり前すぎて実は知らない・今さら聞けない、ということが多いのです。
逆に抹茶は敷居が高くてとっつきにくいと思われがちです。
このコラムが、日本茶について親しみがわき、注目するきっかけやお家で楽しむきっかけになったらと思います。
そして日本茶が家族のコミュニケーションや人と人とをつなぐツールになればと願っています。
最終回までお読みいただき、ありがとうございました。
(写真:娘がいれてくれる煎茶)
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横浜・川崎の日本茶講座『和茶』では
「お家のお茶をもっとおいしく!」をモットーに
日本茶インストラクターが抹茶・煎茶・玉露など
気軽なスタイルで日本茶の文化を暮らしに取り入れるご提案をしています。
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酒井 知子 【日本茶インストラクター】
記事テーマ
親子で日本茶ライフを楽しんでみませんか?お茶を飲むだけでなく、見て触って香りを嗅いで、子ども達は五感で楽しむことがでます。2歳から茶筅を握り3歳からはmy急須でお茶をいれる娘との日本茶ライフの中から、親子で楽しめるアイディアをご紹介します。茶葉の選び方やお茶のいれ方など日本茶インストラクターならではのコツやポイントも交えてお伝えします。