「べにふうき」は元々紅茶用に交配・選抜された品種です。
(「べにふうき」の茶畑。2016年4月小田原にて撮影)
紅茶にすると香りも良く、まろやかな味ですが、花粉症には「緑茶」の状態で飲むのがよいとされています。
緑茶にした時の特徴は、爽やかな香りと強い苦渋味、です。
普段よく飲む煎茶に比べると、うま味甘味は感じられず、バランスのよいおいしいお茶とは言いづらい味です。
でもこの苦渋味こそがカテキンの味の特徴なのです。
カテキンの中でも、抗アレルギー作用があるという「メチル化カテキン」が豊富に含まれているのが「べにふうき」という品種です。
(べにふうきのメチル化カテキンについての研究は「野菜茶業研究所」などの各種機関でされています)
紅茶は、茶摘みの後、適度に萎れさせたお茶の葉を揉んでカテキンなどの酸化発酵を進め加工するため、メチル化カテキンが消失してしまいます。
しかし、緑茶は茶摘みの後すぐお茶の葉の酸化を止めるために蒸してから加工するので、お茶の葉にメチル化カテキンがしっかり残ります。
「べにふうき」の効果効能が明らかになった当初は収穫量も少なく手に入りにくかったのですが、最近は収穫量も増え静岡や鹿児島その他いろいろな茶産地で栽培されています。
べにふうき緑茶は茶葉やティーバッグ、ペットボトル茶でも販売されていますが、圧倒的に多いのが茶葉を丸ごと粉末にした「粉末茶」タイプです。
個包装になっているものもあります。
茶葉やティーバッグで効果を期待するなら、5分ほど煮出すのがよいとされていますが、毎回煮出すのはちょっと大変です。
しかし、粉末茶なら、熱湯を注いで1分ほどよくまぜるだけでよいとのことです。
べにふうき緑茶もカフェインが含まれます。
お子様や妊婦さんなどカフェインを控えている方には、低カフェインに加工したべにふうき茶も市販されています。
また、「べにふうき緑茶」が練りこまれた飴もあります。こちらはあまり苦くないので、おやつの時間に取り入れてもいいですね。
べにふうき緑茶は花粉飛散の1ヵ月半ほど前から摂り始めるのが良いとされていますが、薬ではありませんので、個人差もあり必ず効果が感じられるというわけではありません。
普段飲んでいるお茶をこの時期だけべにふうき緑茶に替えてみる、など生活に取り入れやすいものを選んで試してみてはいかがでしょうか。
もし飲むなら、効果的な飲み方をしたいですね。
ここで「野菜茶業研究所」で推奨されているべにふうき緑茶の飲み方をご紹介します。
①熱湯でいれる
「メチル化カテキン」などカテキン類は熱湯でいれるとよく溶出されますが、熱湯ですと苦渋味も強くなります。
苦渋味が苦手な方は、はじめは薄めにいれたお茶からスタートしましょう。
効果的な飲み方の1つとして、すりおろした生姜を入れて飲む飲み方もあります。
②作り置きしないですぐに飲む
注意点として、お湯でいれたべにふうき緑茶を保温した状態で長時間持ち歩くなどすると、光過敏性皮膚炎の原因物質フェオホルヒドが生成されるそうです。
いれたお茶はすぐに飲み、放置したり長時間持ち歩かないよう注意してください。
1日数回に分けてこまめに飲むことが推奨されています。
ご飯を食べる際の飲み物として、またお茶請けとともに、お家ではべにふうきの粉末茶などを利用し、外出先ではべにふうきのペットボトル茶を利用するなど、TPOに合わせて取り入れやすい方法を試してみてはいかがでしょうか。
次回は、ひなまつりや桜の時期に合う「抹茶」についてご紹介します。
参考資料:
「べにふうき茶の研究情報」野菜茶業研究所・農研機構サイト
『日本茶インストラクターに学ぶお茶の本』 大森正司 著 キクロス出版発行
横浜・川崎の日本茶講座『和茶』では
「お家のお茶をもっとおいしく!」をモットーに
日本茶インストラクターが抹茶・煎茶・玉露など
気軽なスタイルで日本茶の文化を暮らしに取り入れるご提案をしています。
「親子日本茶教室」や、日本茶の基礎から応用まで楽しみながら学べる「日本茶講座」を
自宅や出張レッスンで多数開催しております。
お子様連れ歓迎の日程もあります。
詳しくは、講師のブログをご覧ください。
酒井 知子 【日本茶インストラクター】
記事テーマ
親子で日本茶ライフを楽しんでみませんか?お茶を飲むだけでなく、見て触って香りを嗅いで、子ども達は五感で楽しむことがでます。2歳から茶筅を握り3歳からはmy急須でお茶をいれる娘との日本茶ライフの中から、親子で楽しめるアイディアをご紹介します。茶葉の選び方やお茶のいれ方など日本茶インストラクターならではのコツやポイントも交えてお伝えします。