日本茶(緑茶)の開封前の賞味期限は製造された日から煎茶で約1年、抹茶は酸化しやすいので短く製造から約6ヵ月、が一般的です。
各製造元で「この期限内に飲めばおいしく飲めますよ」と定められているため、同じ煎茶・抹茶でも製造元によっては短めのものもあります。
新茶については「新茶特有のフレッシュさが失われない」期間を設定しているため、通常のものより賞味期限が短く設定されていることも多いようです。
賞味期限を過ぎたからといって突然品質が劣化して腐ったりはしませんが、古くなると水色(お湯でいれた時のお茶の色)が茶色っぽくなったり、香りが悪くなることがあります。
開封してみて香りがあまり良くない、飲んでもおいしくないなど感じたら、飲まないで他の利用方法を試してみましょう。
日本茶(茶葉)を購入したりいただいたりしてすぐに使わない場合は、保管に適した場所で保管してください。
【NG例】
×冷蔵庫 …ご家庭の冷蔵庫は他の食品の匂い移りの恐れがあり、また出し入れで温度差ができると中の茶葉の品質が劣化する恐れがあるので、実はNG!
×高温になる場所 …茶葉は高温に弱いのでガスレンジやオーブンの近くなどはNG!
×湿度の高い場所 …シンクの下は湿気が溜まりやすいのでNG!
×日光の当たる場所 …茶葉は光に弱いのでNG!
というわけで、最適な場所は温度も湿度も低く日光の当たらない匂い移りのない【冷暗所】です。
ご家庭の棚の中、それも胸より上の場所ですと、湿度もそれほど高くなりません。
「そのまま飲むにはおいしくないけれど品質としてはまだ大丈夫」と感じたら、
★油のひいていないフライパンなどで炒って「ほうじ茶」に!
炒る際には焦がさないよう注意してください。
「飲むにはちょっと・・・」と感じたら(茶殻を乾燥させたものでも可能です)、
★消臭剤として活用
「お茶パック」などにそのまま入れて、小皿などに載せて冷蔵庫や棚に入れます。
茶葉の中ににおいを吸着する成分があるので簡単な消臭剤となります。
1~2週間で新しいものに取り換えると良いでしょう。
「お茶パック」に入れる作業はとても簡単なので、お子様と一緒に楽しんでみてくださいね。
★「茶香炉で香りを楽しむ
お茶の香りを楽しむための「茶香炉」というものがあります。
お皿の上に茶葉を載せてろうそくの火で温めることで、お部屋の中に茶葉の香りが漂います(昔ながらのお茶屋さんの前を通った時の良い香り)。
「茶香炉」がない場合や、お子様が小さくて火が危ない場合は、上記のほうじ茶を作るのと同様、油のひいていないフライパンなどで少量の茶葉を炒ると同じ香りが楽しめます。
この香りはお部屋の消臭にも役立ちます。
古い茶葉や茶殻もぜひ有効活用してみてくださいね。
次回は、低カフェインの「冬にぴったりのお茶」をご紹介します。
参考資料:
『日本茶インストラクターに学ぶお茶の本』 大森正司 著 キクロス出版発行
『日本茶の図鑑』監修:公益社団法人日本茶業中央会、NPO法人日本茶インストラクター協会 マイナビ出版発行
横浜・川崎の日本茶講座『和茶』では、日本茶インストラクターが抹茶・煎茶・玉露など、気軽なスタイルで日本茶の文化を暮らしに取り入れるご提案をしています。
「親子日本茶教室」や、日本茶の基礎から応用まで楽しみながら学べる「日本茶講座」を自宅や出張レッスンで多数開催しております。お子様連れ歓迎の日程もあります。
詳しくは、講師のブログをご覧ください。
酒井 知子 【日本茶インストラクター】
記事テーマ
親子で日本茶ライフを楽しんでみませんか?お茶を飲むだけでなく、見て触って香りを嗅いで、子ども達は五感で楽しむことがでます。2歳から茶筅を握り3歳からはmy急須でお茶をいれる娘との日本茶ライフの中から、親子で楽しめるアイディアをご紹介します。茶葉の選び方やお茶のいれ方など日本茶インストラクターならではのコツやポイントも交えてお伝えします。