前回は、歯科医院での専門的な処置としてのフッ素のお話をしました。今回はご家庭で無理なく続けられるフッ素のお話です。
再石灰化促進:歯から溶け出したカルシウムやリンの再沈着を促進する。
歯質強化:歯の質を強くして、酸に溶けにくい歯にする。
細菌の酸産生抑制:歯ブラシで落としきれなかったプラーク(歯垢)中のむし菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑える。
現在、市販されている歯磨き粉にはほとんどフッ素が配合されています.フッ素入りの歯磨きで磨くことはとても良いことですが、濯ぐ回数が多いとせっかくのフッ素成分が歯に取り込まれず流されてしまいます.お子さまが嫌がらないようなら、濯ぐ回数は1〜2回程度にとどめると虫歯予防に効果的です。
歯磨き後にフッ素ジェルを塗布することも虫歯予防に効果的です。このジェルは唾液に流されにくく、歯にとどまってくれる性質なので、積極的に取り入れてみましょう。
ぶくぶくうがいができるようになったら、フッ素洗口剤も手軽に始められるのでおすすめです。ジェルのようなぬめり感もなく、無味無臭なのでお子さまの好みに合わせて選んでみてください.
どんなものを購入したらいいか分からない場合は、かかりつけの歯科医院で是非相談してみてください。お子さまの状態に合わせてホームケアを選んでくれますし、ジェルや洗口剤の味、使用感を実際にお子さまも体験できるので、口コミなどで購入するよりもよいと思います。
ご家庭で使用する歯磨き粉に含まれるフッ素濃度は1000ppm以下(低濃度)と決められています。そして、歯科医院で使用するフッ素は約20000ppm(高濃度)になります。
低濃度のフッ素は主に再石灰化に作用し、高濃度フッ素は歯質強化(フルオロアパタイトの形成)に役立つといわれています。
このように作用が若干異なるので、毎日のホームケアに数ヵ月に1度のプロフェッショナルケアを組み合わせることを推奨します。
越川 はるか 【歯科衛生士】
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お口の中が健康になると、体も健康になり、自然と笑顔が増えてきます。お子さんの歯を守れるのは、お母さん、お父さん、周りの保護者の方が重要です。楽しい毎日を過ごすために、皆さんのお口の健康管理のアドバイスをお伝えします。