飲食の回数が増えると、お口の中で脱灰に傾く時間が長くなり、虫歯ができやすくなります。例えば、同じ数のチョコレートを、「数時間おきに食べる人」と「一度に全てを食べる人」では、「数時間おきに食べる人」のほうが虫歯のリスクが高まります。食べる量ではなく、食べる回数が大きく影響することがわかります。
虫歯を防ぐ最も有効なことは日々の歯磨きです。しかし、毎日歯を磨いているのに虫歯になってしまったという経験をされた方は少なくはないでしょう。思い当たる方は、今一度生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
現代人に多い食習慣として、「だらだら食べ」があります。歯が再石灰化する前に食べ物を食べてしまうために、脱灰の時間ばかりかかって、虫歯ができやすいお口の中の環境をつくりだしているのです。
「だらだら食べ」の中には、間食やジュース、夜食、アメや甘い物などが含まれます。
昔の人は、食事は食事として終えて、それ以降はお茶や水などの飲み物以外は口にしませんでした。しかし現代人はありとあらゆる嗜好品を簡単に口にできるようになり、お口の中に食べ物が入っている時間が長くなったために虫歯のリスクが増えているのです。
「だらだら食べ」は習慣になってしまっていることが多いので、日々、気づいたらやめるようにしましょう。
そして、就寝前はきちんと歯磨きをして、睡眠中に乾きやすい口腔内をできるだけ清潔に保つようにします。
嗜好品は全く食べてはいけないわけではありません。
この2点をしっかり守るだけで虫歯予防になります。
お子様のおやつにはエネルギーの補給の他に心の満足感を得るという意味もあります。お子様の場合、食後の歯磨きが大変だと思いますので、食べた後は、お茶かお水を飲ませたりするようにしましょう。
お子様は周りの大人の行動をしっかりと見ています。お母様、お父様が食事やおやつの時間以外に何か口にしているのを見ると、自分もお菓子を欲しがるでしょう。年少さん以降になってお子様から注意されないように、今から大人の方も生活習慣を見直してみませんか?
越川 はるか 【歯科衛生士】
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お口の中が健康になると、体も健康になり、自然と笑顔が増えてきます。お子さんの歯を守れるのは、お母さん、お父さん、周りの保護者の方が重要です。楽しい毎日を過ごすために、皆さんのお口の健康管理のアドバイスをお伝えします。